1月第3週の市況

2024/1/15    月

米国では12月の生産者物価指数が予想外に下落して、Fedが利下げを行うとの希望的観測が株式市場の後押しとなったが、銀行の決算はまちまちで株式市場全体はほぼ横ばい。バンクオブアメリカは37憶ドルの引当金を計上し株価が1.1%下落し、ウェルズ・ファーゴも2024年の利益が7-9%下落する見通しを公表し、株価が3.3%下落。JPモルガンチェースも値を下げたが、シティは値を上げた。デルタ航空も年間の利益予想を下方修正し株価は9%値下がり。Teslaは中国での価格を引き下げ、ベルリン近郊の工場の生産を停止することを公表し3.7%の株安。欧州市場では米国の金利引き下げへの期待感から株式市場は上昇。英国経済は11月予想より少し成長率が高くなり、株式指数のFTSEも上昇。エアバスは年間の受注が過去最高となったことを公表し株価が3.7%上昇

2024/1/16    火

米国市場は祝日のため休場。欧州市場では、ロ・レアルとHSBCはブローカーの評価引き下げにより、それぞれ、4.8%と2.2%株価下落。また、ドイツ連銀のナゲル総裁がECBの金利引き下げは時期尚早とコメントしたことを受け、イールドが上昇。ドル高により基礎資源の価格が堅調であることから基礎資源関連株が1.0%下落。コメルツバンクはドイッチェバックとの統合の話が報じられ、コメルツ株は0.8%上昇。HelloFresh、Delivery Hero、Just Eat Takeawayなどの食品配送企業はブローカーのコメントに関連し4.2%~8.3%下落した

2024/1/17    水

米国市場では、モルガン・スタンレーの利益が予想以下となり、株価が5%以上下落、一方、増益となったゴールドマンサックスでは株価は横ばい。その他の大手行も減益となり、銀行指数は1.4%の値下がり。JetBlue Airwaysによる格安航空のスプリットエアーの買収は当局が認可しなかったことから、スプリットエアーの株価は60%以上下落。アップルは中国でiPhoneの割引を実施し、株価は1.9%下落。セクター別ではエネルギーと素材が大きく下落。欧州市場ではECBの金利引き下げのタイミングが不確定で、イールドがボラタイルな動きを見せ、株式市場では金利感応度の高い不動産や公益といったセクターが値下がり。ドイツでは、消費者物価指数の低下への期待感からZEWが上昇したが、株式市場は0.3%の下落

2024/1/18    木

米国では12月の小売り統計が公表され、自動車購入が堅調で好調な統計となったため、早期の金利引き下げの観測が後退。その影響を受けて、イールドが上昇し、メガキャップと呼ばれるAmazon、Nvidia、Alphabetなどが1%以上下落。Teslaは中国に引き続きドイツでも価格の値下げを公表し株価は3.4%下落。第4四半期の決算が不調だったモルガンスタンレーは2.2%株価下落。バンクオブアメリカ、シティグループも1%以上株価下落。欧州市場ではECB幹部が金利引き下げに対して否定的なコメントをし、株式市場は6週間来の安値となった。中国のGDP成長率が予想以下となったことから、LVMH、Kering、Richemontは2.4~3.5%下落。自動車セクターも2%下落。さらに、HSBC、英プルデンシャルもそれぞれ、1.0%と3.9%下落

2024/1/19    金

米国市場では、台湾の半導体メーカーTSMCがAI関連の需要でハイエンドの半導体需要が伸びると予想を公表し、TSMCの米国上場株は8%上昇。Nvidiaも日中史上最高値を更新し1.4%上昇。フィラデルフィア半導体指数は2.6%上昇。そのおかげで、市場全体も値を上げた。アップルはブローカーの評価引き上げで株価が3.1%上昇。金利感応度の高いセクターである不動産や公益は値を下げる。金融機関のKeyCorpは第4四半期減益となり株価は6%程度下落
 

過去の市況を確認しよう!!

1か月前の市況 1年前の市況