5月第2週の市況

2023/5/8    月 

米国市場では、アップルが好調な四半期決算を公表し、株価が4.7%上昇。雇用統計も公表され、雇用の伸びが加速され、賃金も上昇していることが判明した。市場では、1月6日以来の大きな上昇となった。逆に、ボラティリティ指数は大きく低下。欧州市場では、銀行を分割し、収益性の高いアジア部門を独立させるという提案があったとされるHSBCの株価が2.7%上昇し、原油価格が上昇したことから、石油・ガス株が値を上げ、市場全体も値を上げた。ドイツではエネルギーに対する補助金が化学業界に貢献し、BASF、Covestro、Wacker Chemie、Lanxessといった化学銘柄が2.2%~9%値を上げた

2023/5/9    火 

米国市場では、ダウは幾分値を下げ、NASDAQは値上がり、SP500は横ばいであった。PacWest Bancorpが当初は値を上げたが、配当を25セントから1セントに引き下げると公表した。バクスシャーハザウェイは四半期の業績が予想を超え、金融関連株を牽引した。タイソンフードは収益見通しを引き下げ、株価は16%下落。欧州市場では、銀行株とヘルスケア株が牽引して市場は上昇。スウェーデンの不動産会社SBBは将来の流動性の確保に疑念が残るとして、ジャンクに格下げとなり、株価は20%近く下落。ドイツでは3月の工業生産が自動車部門の不振で予想以上の落ち込みとなり株式市場は幾分の下落となった。オランダの郵便PostNLは第1四半期の小包の業績が幾分落ち込んだが2023年の収益見通しは維持し株価は10%以上値上がり

2023/5/10    水

米国では、消費者物価指数の公表を前に市場は警戒感を強めており、債務上限の問題にも注目が集められる中、市場は値を下げた。PayPalは収益率の予想を引き下げ、23.7%株価下落。アップルのサプライヤーのSkyworks Solutionsは四半期の売上、利益ともに予想を下回り5.1%の値下がり。その他のアップルサプライヤーも株価を落とし、フィラデルフィア半導体指数は1.8%の下落。欧州市場では、スウェーデンの不動産会社SBBが格付引き下げに伴い配当を中止すると公表し、株価は24.2%下落。この動きは他の不動産会社にも波及し、CastellumやWallenstam、Fabegeなども3.4%〜5.3%下落。また、中国の輸出入の統計が芳しくなく、KeringやSCAなどが値を下げる。市場全体も値下がり

2023/5/11    木

米国ではインフレ統計が公表され、年率4.9%と予想値(5%)より低かったために、グロース株が恩恵を受け、NASDAQを中心に市場は上昇。alphabetは、AIの最新検索モデルを公表し、株価は4.1%上昇。アップルもマイクロソフトも1%以上値上がり。欧州市場では、米国のインフレ統計が負に影響し市場は下落。市場では米当局が金利を当面の間上げ続けると認識。また、米国の債務上限問題も警戒感を与えている。個人・家庭用品や食品・飲料などが値を下げ、テクノロジー、不動産などは値を上げた。スウェーデンの不動産会社SBBは、トップが株式を売却したことから、3日連続で値を下げ、株価は46%下落

2023/5/12    金

米国市場では、DisneyがDisney+の視聴者が減少したことから株価が8.7%下落し、地銀のPactWest Bancorpは流動性の確保のためにさらにFedに担保を差し入れる必要に迫られ、株価は22.7%下落。その他の地銀も値を下げ、KBW地銀指数は2.4%の下落となった。人工知能を商品に組み入れたalphabetはは前日に引き続き4.3%値を上げたが、市場全体としては値下がり。欧州市場では、市場全体は横ばい。米国が利上げの速度を鈍化させるのではという期待感がプラスの要因、ドイツのBayerが2023年の業績が予想範囲の下限値になりそうだと公表し、株価は7.5%下落したこと、原油価格の下落によりエネルギー株が軟調だったことが、マイナスの要因。GlencoreとRio Tintoは銅価格の下落に伴い、株価がそれぞれ、4%、2%下落

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