令和3年度の年金額の改定

 

令和3年度の年金額の改定

この保険の狙い

2021年1月22日、厚生労働省は、2021年度の年金額の数値を公表しました。結論から言うと、『年金額は2%減額されます。1%は2021年4月から減額され、残りの1%は将来に減額される』というものになりました。

2021年度から実施される1%の減額のみ含めた年金額は、図表1のとおり、厚生労働省から公表されています。(くわしくはこちら

図表1 令和3年度の年金額

  2020年度
(令和2年度)
2021年度
(令和3年度)
増減
国民年金 65,141円 65,075円 ▲66円
厚生年金 220,724円 220,496円 ▲228円

注 夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額

マクロ経済スライド

かつて、公的年金は、インフレに連動して年金額が増加するしくみでした。ところが、少子高齢化が大きく進み、長寿化により年金の支給額が増加し、少子化により労働人口が減少して保険料収入が減少したために、全体的にみて、支出が増えたり収入が減ったときには、年金額を減額するようにしました。2004年に導入されたこのしくみが、『マクロ経済スライド』といわれるものです。

『マクロ経済スライド』のしくみを図示すると図表2のようになります。「平均余命(ある年齢の人が平均するとあと何年生きるかという指標)が伸びて、保険料を支払う人の数が減ると年金額が減る」って、私たちが普通に考えるこれからの日本の社会ですが、そうなると、年金額が減らされるというのが『マクロ経済スライド』なのです。

図表2 マクロ経済スライドのしくみ

マクロ経済スライドの盲点?

マクロ経済スライドは、年金額の名目額が減ることがないようになっています。過去のマクロ経済スライドの実施状況を見ると下記のとおりです。

図表3 過去のマクロ経済スライドの実施状況

  実施分 未実施分
2021年度   -0.1%
2020年度    
2019年度 -0.3%  
2018年度   -0.3%
2017年度   -0.5%
2016年度   -0.7%

未実施分が多いですよね。これは、年金額の名目額(金額)が減るようなときには、マクロ経済スライドの調整を行わないことになっているからです。

賃金・物価スライドの見直し

マクロ経済スライドのしくみは、年金額の伸びを抑え、所得代替率(現役世代の所得に対する公的年金受取額の割合)を目標とする5割に近づけていこうとするものですが、図表3に示すとおり実施できない年が多く目的を達成できていません。そこで、2021年度から、「賃金・物価スライドの見直し」が導入されることになりました。

このしくみは、マクロ経済スライドより、より確実に年金額を抑える効果が期待できるものです。

図表4 賃金・物価スライドの見直し

これまでは、賃金と物価がともに下落しているとき(左側)、賃金の方が下落率が大きいとき、年金額の減額は物価の下落にとどまっていましたが、今後は、賃金下落分まで引き下げられることになります。物価は上昇して賃金が下落しているとき(右側)では、これまでは物価上昇に合わせて年金額が引き上げられていたものが、今後は、賃金の下落に合わせて年金額が引き下げられることになります。

2021年度の年金額の改正

厚生労働省から公表された資料をまとめると図表5のようになります。年金額は0.2%引き下げられることになります。ただし、0.1%の引き下げは据え置かれます。将来、引き下げる余地のある年に実施されることになります。0.1%の引き下げだけを考慮した2021(令和3)年度の老齢基礎年金年額は78万900円です。

図表5 2021年度の年金額の改正の概要

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