10月第2週の市況

2020/10/5    月

トランプ大統領がコロナウィルスに感染し米国市場は大きく下落。9月の労働統計は約66万人の就労者数の増加になったが予想を下回る結果となった。下院は民主党が2.2兆ドルの景気刺激策を通過させ、上院に送ったが共和党主導の上院で承認されるかは不透明。また、ペロシ下院議長が航空業界に対する250憶ドルの支援は喫緊とコメントし、航空関連は2.3%株価上昇。アップル、Amazon、マイクロソフトなどテクノロジー関連が大きく値を下げ、不動産、公益などの分野は値を上げたため、NASDAQが大きく値を下げ、ダウの値下がりが一番小さかった。欧州市場でもトランプ大統領のコロナ陽性はマイナス要因であったが市場は幾分値を上げた。ユーロ圏のインフレ率は大きくマイナスになっておりECBには景気テコ入れの圧力がかかっている。パリでは月曜日からレストランの閉鎖などの制限が強化される。スペインのインフラ会社AGSは、フランスのライバルのVinciにCobra部門を売却するため、株価が25.8%上昇した。そのほか、フランスの電話会社が5G関連で値を上げた

2020/10/6    火

トランプ大統領が月曜日にも退院の見込みになったことが市場の楽観ムードを提供する。そのほか、米国ではホワイトハウスがコロナウィルス対策パッケージの合意の可能性に言及し市場に好影響を与えた。トランプ大統領の治療に薬が使用されたRegeneron Pharmaceuticalは7.1%株価上昇。ISMサービス指数は8月から上昇し57.8になった。株式市場は大きく値を上げた。欧州市場でもトランプ大統領の退院のニュースとコロナウィルス対策で合意が近いことが好影響を及ぼした。Cineworldは4.5万人の従業員の解雇を公表し株価は36.2%と大幅に下落。BP、Totalなどの石油メジャーは原油価格が6%以上値上がりしたことから株価上昇。関連会社がインドで合併が認められたボーダフォンは4.7%株価上昇。そのほか、スペインの銀行UnicajaもLiberbankとの合併話が進んでいることが確認され15%株価上昇

2020/10/7    水

トランプ大統領の退院により市場は安心感を取り戻し、米国の景気刺激策への期待感から欧州市場ではイールドが上昇し、銀行株を中心に値を上げた。テクノロジー、ヘルスケアは値を下げたが、旅行・レジャー、石油・ガス、自動車、保険などが上昇し、ドイツの生産高統計も堅調であったことから市場は値を上げた。ただし、米国では退院後、トランプ大統領が大統領選終了後まで民主党と景気刺激策で妥協しないとコメントし、米国では株式が値を下げる。航空、一般消費財などが値を下げた。デルタ航空は3.6%の値下がり。パウエルFRB議長も米国経済は完全からは程遠い状態と警告

2020/10/8    木

米国市場では、トランプ大統領が発言を修正し、航空業界へのパッケージを含む一部の景気対策については先行して合意することに言及したことから、航空関連は4.3%値を上げ、市場全体も大きく回復した。Fedは議事録を公開し前回の新しいアプローチは全会一致で採択されたことが分かった。Fli Lilly & Coは、FDAに実験中の新型コロナ薬を緊急使用する申請を行い、同株は3.4%値を上げた。欧州市場では優良銘柄を中心に値を下げた。セクターではヘルスケアが最も値を下げ、テレコム、メディア、不動産なども下落。ドイッチェポストはクリスマスまでの期間、堅調が予想されることから株価が3.9%上昇。四半期の売り上げが予想を超えたDialog Semiconductorも3.2%値を上げた

2020/10/9    金

トランプ大統領はインタビューで議会でコロナ対策支援の法案審議が再開されるとコメント。民主党のペロシ下院議長は航空業界の救済は国家の安全保障の問題と言及しながら、全体的な法案の合意が不可欠とコメント。欧米市場では米国の支援策の動きが前に進むと期待され株式市場に好影響。米国では航空株指数が1.6%上昇し、欧州ではIAGが10.3%、ルフトハンザが6.1%株価上昇。原油価格は1バレルあたり43ドルを超え、欧州ではBPやロイヤル・ダッチ・シェルが2%以上値を上げ、米国でもセクター指数が3.8%上昇。IBMは2社に分社化と公表し、6%株価上昇。欧州市場では、CAC40,DAX,FTSEが0.5%ないし0.9%の上昇となり3週間来の高値。銀行、旅行・レジャー、石油などのセクターが大きく上昇

 

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