一家の世帯主が亡くなった場合、どの程度の保険金があれば残された遺族が過不足なく生活していくことができるのかを示した金額のことを必要保障額という。FPのテキストにも、「ライフプランを考えて、必要保障額を考えてみましょう」と書いてある。保険会社が提供するライフプランソフトも、この必要保障額を計算することが目的の一つである。
一般的に、必要保障額の計算は、遺族の生活資金から準備済みの資金を差し引いて考える。遺族の生活資金は、配偶者の一生涯の生活資金と独立するまでの子の生活資金が中心になる。子の教育資金や結婚のための資金援助額、さらに、債務額などを加えて遺族の生活資金は計算される。
準備済みの資金の中心は、公的年金である。公的年金は、遺族年金と老齢年金に分けることができる。死亡した人がサラリーマンであれば、遺族基礎年金と遺族厚生年金を受取ることが考えられる。会社から受け取る死亡退職金や弔慰金もプラスする。その他、企業年金などの金額も加えられる。さらに、残された遺族が働いて得る就労所得や現在保有している資産もプラスされる。
保険会社が提供するライフプランソフトも、おおむねこのような計算を行っている。営業職員や保険代理店の社員はそういったソフトを使って、顧客の必要保障額を計算し、そして、計算された必要保障額に見合った保険金額の保険を提案するというわけである。
この記事はインシュアランスに掲載したものです。