日本銀行が、2017年7月7日に「生活意識に関するアンケート調査(第70回)」を公表しました。
その中に、少し興味があるデータが載っていましたので紹介します。
平均値と中央値では、中央値を信頼するとして、物価に対する実感(以下、「実感物価」といいます)が3.0%増加したといっているのです。 一方、総務省が公表している消費者物価指数(CPI)は、同じ時期(2017年5月末)で測ると、対前年比0.4%の増加になっています。
日銀が政策目標にしているのは、「消費者物価の前年比上昇率で2%」という水準です。だから、「現状、まだまだ足りないので、国債や株式を買いまくって景気を下支えする」ということになっています。
米国では、中央銀行であるFRBは、個人消費支出(PCE)を政策決定の参考指数にしています。CPI(消費者物価指数)とPCE(個人消費支出)の違いは、モノの値段の加重平均がCPI、個人が実際に支払ったお金がPCEということです。
日銀の発表した実感物価と総務省の発表した消費者物価指数に差異があるのは、前者がアンケートに回答した人の感覚であるのに対して、後者が価格という数値データに基づいていること。そしてもう一つは、同じ品目、同じ価格のものであっても内容量が低下していると、金額ベースでは変動しなくても、購入量は増えるので購入額ベースでは増加するという点が挙げられます。
おそらく、もうしばらくすると、日銀も測定方法を米国型に変更して、インフレの尺度を変更するのではないでしょうか。
FPの立場から考えると、
- インフレを考慮しないライフプランはあり得ない
- インフレを考えるのであればCPIよりPCEを使うべき
ということになるでしょう。