6月第1週の市況

2022/5/30    月

米国では、Fedが政策立案の材料とする個人消費支出の統計が公表され、先月よりインフレが収まったことが確認された。そのため、テクノロジー株などのグロース株がけん引して市場は上昇。NASDAQは3.3%と大きく値を上げた。GAPは四半期決算を公表し、併せて、将来の成長についても予想を公表したが芳しいものではなかった。しかし、株価は3%以上上昇。Ulta Beautyは四半期決算も予想を超え、さらに、通年の収益予想を上方修正したことから株価は11%以上上昇。欧州市場では、銀行株、産業株、高級品株を中心に値を上げたが、原油価格は下落したためロンドン市場は上げ幅が小さかった

2022/5/31    火

米国市場は、Memorial Dayのために休場。欧州市場では、中国が上海のロックダウンを解除し、新たな景気刺激策を追加するとの見方から、市場は上昇。中国市場に大きく依存している高級品ブランドのLVMH,Hermes,Pernod Ricard,Berburryは0.6%~4.4%の値上がり。米国市場が休場であったため薄商いであったが、テクノロジー株も値上がり。ドイツではエネルギーと食料の価格の上昇から、5月のインフレがほぼ半世紀ぶりの高い水準となった。テレコムイタリアは、固定電話部門を公営のOpen Fiberと合併させることで基本合意し、テレコムイタリア株は3.1%上昇

2022/6/1    水

米国市場では原油市場が荒れており、Fedの幹部からは利上げに対するタカ派的なコメントが述べられ、市場は下落。原油市場ではOPEC+からロシアを排除しようとする動きがある。AmazonとAlphabetが値を上げたことから、一般消費財とコミュニケーションサービスのセクターは上昇した。米国では消費者信頼感は低下したものの、住宅価格は予想外に上昇。欧州ではユーロ圏のインフレ(8.1%)が史上最高になり、ECBのさらなる金利引き上げに警戒感が出た。ブレント原油は123ドルまで上昇。ユニリバーはアクティベストが取締役に指名され、同株は6.2%上昇

2022/6/2    木

米国では、4月に求職者数が減少したが依然として高水準で推移しており、労働者を奪い合う構図になっており、賃金上昇がインフレの要因になっている。加えて、5月の工場稼働率は予想以上となった。Fedの金利引き上げを鎮めることに全くつながらないとして、10年物イールドは2週間来の高値となり、主要3株式指数はいずれも下落。金融やヘルスケアといったセクターが主となり市場は下落。一般消費財、産業、不動産なども併せて1%以上の下落。MetaのCOOが辞任することが報じられ株価は2.6%下落。Salesforceは通年の利益予想を引き上げ株価は9.9%上昇。欧州ではドイツの小売販売が5.4%下落し、ユーロ圏の工場稼働率が低下していることが影響して市場は下落。ドイッチェバンクの運用会社であるDWSは、グリーン投資に関して投資家をミスリードした疑いがあるとしてCEOが辞任を公表。株価は6.2%下落

2022/6/3    金

欧州市場では2日連続の値下がりの後、値を上げた。ロンドン市場が休日のため市場全体は薄商いとなった。フランスのレミー・コアントロは予想を超える通年の利益を計上し、また、見通しも好調であることから株価が4.9%上昇。そのほか、LVMHなどの高級品メーカーも株価が堅調。原油についてはOPEC+がロシア分の増産を決めたことから原油価格が値下がりしエネルギー株は軟化
 

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5月第4週の市況

2022/5/23    月

米国市場では、TeslaがCEOのマスク氏が過去のセクハラが報道され、株価は6.4%の下落。市場全体では、小売りやヘルスケア、エネルギーなどのセクターが貢献しダウは値を上げたが、SP500は横ばい。NASDAQは値下がりとなった。欧州市場では、上海で新型コロナ感染者数が再上昇したが、中国が金利を引き下げたことで欧州市場は好影響を受ける。旅行、金融、ヘルスケア、公益などのセクターが1.5%~2.0%値を上げ市場をけん引。ドイツではウクライナ関連でエネルギー関連のコスト増が影響して生産者物価指数は過去最大の上昇になった。高級品のRichemontは通年の利益が芳しくなく、中国市場での成長の鈍化について言及。株価は13.1%の下落。同業のLVMH,クリスチャン・ディオール、ヒューゴボスなどの銘柄も1.3%~2.2%の下落

2022/5/24    火

米国市場では主要3指数はすべて値を上げた。特に、ダウが2%近くの値上がりとなった。JPモルガンが今年の利息収入の見通しを引き上げたことから、銀行株指数は5.1%上昇。Broadcomが週末にクラウドサービスを提供するVMWareの買収の話が進んでいると公表し、VMWareは25%弱値を上げ、Broadcomは3.1%値を下げた。原油価格とベースメタルの価格が上昇したことから、商品関連の株式が上昇。シーメンス・エナジーは、シーメンス・ガメサに対して約40億ユーロでの買収提案を行い、シーメンス・ガメサは6.2%の株価上昇。ドイツの景況感指数Ifo指数は5月に予想外に上昇。英国のホームセンターのKingfisherはパンデミック前の販売水準に戻し株価は2.2%上昇した

2022/5/25    水

米国市場では、SP500とNASDAQは値を下げ、ダウのみが値を上げる市場となった。Meta、Alphabet、Twitter、Pinterestなどが5%~24%の株価下落。その結果、SP500のコミュニケーション・サービス指数は3.7%値を下げた。四半期決算で予想外の赤字を計上し、年間の売り上げと利益の下方修正を行ったアパレル小売りのAbercrombie & Fitchは株価が28.6%下落。Zoomは企業からの需要が旺盛で年間利益を引き上げたことから株価は5.6%上昇

2022/5/26    木

米国では、Fedの前回の議事録が公表され、Fedが米国経済の強さを確認している内容となっていたことから、株式市場は上昇。AmazonとTeslaは、それぞれ、2.6%と4.9%の上昇となり市場をけん引。年間の売り上げ・収益が予想をこえたNordstromは株価が14%上昇。欧州市場では、投資家がECBの金融引き締めを考慮している中、商品関連株や銀行株が値を上げ市場全体をけん引した。原油は供給が制限を受け、米国で夏を前に需要が上昇するとの見方から、価格が上昇し、エネルギー株や鉱業株が値上がり。ドイツではGfK消費者信頼感指数が公表され幾分上昇したが、インフレが家計を締め付けていることも確認された

2022/5/27    金

米国市場では小売りやテクノロジー株がリバウンドして、主要3指数はすべて上昇した。小売りのMacy’sは四半期決算を公表したが、価格上昇のおかげで予想以上の利益となり、収益見通しも引き上げた。同株は18%以上の値上がり。同じくDollar Treeは、四半期決算で売り上げ・利益ともに予想を上回ったことから株価は21%以上上昇。そのほか、Norwegian Cruise LineやCaesars Entertainmentも四半期決算が好調で市場を支えた。テクノロジー関連では、Metaが4%以上値上がりしたほか、アップル、マイクロソフトなども上昇。VMwareを買収することを公表したBroadcomの株価は3%以上上昇

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