保険を取り巻く外部要因~(1)

FPのみなさまを対象に保険のセミナー講師を務めさせていただいた。セミナーのタイトルは、「生保各社の経営・商品戦略から考える、FPとしておさえておきたい商品選択のポイント」。生命保険の経営戦略と商品戦略どちらについても話してほしいというのが、このタイトルに込められた主催者側の意図であった。ところで、実際に会場に行ってみると、セミナー参加者は確かに全員FPなのだが、だいたい7割は保険代理店関係者ではないかということであった。つまり、私のセミナーは保険代理店向けのセミナーになっていたのである。

※図は本文とは関係ありません

さて、私が話したことの一つは、「生命保険商品の変遷」ということであった。1970年代から現在に至るまで、どのような生命保険商品が販売されてきたかということを、時代背景と共にお伝えした。1970年代、生命保険の販売は養老保険が中心であった。その後、平均余命の伸展と相続税法上の非課税枠の拡大などがあり保険の販売の主力は終身保険にシフトした。同時に、高いインフレ率を克服するために増配が求められ、さらには、保障が大型化された。保障を大型化するということを前提にしたときに、もっとも効果的なのは定期保険特約を付加すること、こうして、L字型終身保険が販売の主流になった。私が伝えたかったのは、現在では無駄のかたまりのように評価されることが多い、L字型終身保険も出来上がった直後は時代のニーズにマッチした商品であったということである。現在、L字型終身保険が評価されないのであれば、それは、商品が劣化したからではなく商品を取り巻く環境が変わったからである。聴衆のFPの方には、私の話はかえって新鮮に聞こえたようである。

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この記事は、2012年9月に、週刊インシュアランス生保版に掲載したものです。



ファンドのMIRAIの解説(2)

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ファンドのリターンの特性を理解するのに大切な期間騰落率についても掲載してある。期間騰落率が大切な理由は、「期間騰落率が必要な理由」を参照してほしい。

ファンドの期間騰落率は過去12四半期(1年を1-3月,4-6月,7-9月,10-12月の4つに区切った期間)分掲載してあり、最後の四半期は、1か月または2か月になっている場合がある。

ファンドの期間騰落率は、日本株式の代表的な株式指数である東証株価指数(TOPIX)の四半期騰落率と比較している。これはファンドのベンチマークにTOPIXが指定されているというわけではなく、私たちが感じる市場の動きをTOPIXで表現しているのである。