保険の見直しの見直し(4)

保険以外の話

保険以外の話ができるのかは大きなポイントです。「伝統的手法」を取る立場の人と、その亜流である「妙に自分に自信がある人」は、保険以外の話ができると思っています。でも、話が進むとすべて保険中心で話が展開していくことがわかります。

たとえば、相続の話をするとき、ひとしきり話しを聞いた後、『保険は相続ととても相性がよいのです』といって相続税の話をし始めるがいます。本当は、相続税の話の前に、相続の話が必要です。エンディングノートの話が必要かもしれませんし、企業の後継者の話が必要かもしれません。

死亡保障の話でも、保険金を受け取った後の資産運用の話ができるのであれば、保険金額そのものを抑えることができます。資産運用といえば、変額保険しか頭にないようでは、まっとうな相談はできません。

保険募集人が保険以外の話にどのような対応をするのかチェックしたいときには、不動産の話を相談してみるとよいでしょう。適当にごまかして保険の話に戻ってくるようであれば「伝統的手法」を取る人、そうではなく、例えば、「自分はわからないけど必要であれば知り合いの不動産会社の人に聞いて答えを用意します」というような対応をしてくれるのであれば「新しい手法」を採る人と判断できるのではないでしょうか。

保険の見直しの見直し(3)

ライフプラン分析

ライフプラン分析とは、自分と家族のこれから将来の話を数字に置き換えて、キャッシュフロー表というツールにまとめて、そのリスクを分析するものです。相談する側から考えると、きれいなグラフが出力されて、〇〇様という表紙のレポートができあがれば、すごい分析になっているように思えますが、それはイリュージョン(幻想)です。本当に必要なのは、見栄えではなく、どうしてそのような計算結果になったのかという過程にあります。

作成してくれた人に、どのようにしてその数字が計算されているのか、どのような数字が前提になって計算されているのか聞いてみましょう。じつは、FPといわれる人たちで、しっかりしたライフプラン分析ができる人はほんの一握りです。そして、それができる人は、キャッシュフロー表に出てくる数字が、仮定によって、いかに大きく変動するものか知っています。その上でライフプラン分析を行うのは問題ないのですが、問題なのは保険会社のソフトを使って計算しているときです。

保険会社はどのようなレベルの人が使っても、それなりの結果になるようにソフトを組み立てています。そして、保険を提案する基礎となる必要保障額は高めに計算されるようにできているように思います。この結果を、そのまま使うのが伝統的手法です。

だから、仮定を変えてもらうとか、計算のしくみを説明してもらうとかしてもらえば、どちらのグループにいる人なのか判断できます