外貨建て保険の考え方①

ある保険会社から、外貨建て保険の勉強会の講師をしてほしいと依頼を受けた。残念ながら、全く日程が読めない時期だったので辞退させていただいた。保険会社のみなさまに、直接お話しすることができなかったので、その代わりに、私が外貨建て保険についてお伝えしたかったことを披露しておきたい。

1.外貨建て保険はリスクが小さい

「為替のリスクがあるじゃないか」という声が聞こえてきそうであるが、逆にいうと、「為替のリスクしかない」外貨建て保険が多くなってきている。何かリスクを取らなければ、利回りが期待できないという前提に立てば、為替・株式・新興国にも投資する投資信託などに比べて、外貨建て保険のリスクは大きくない

2.資産運用と考えない

外貨建て、変額というと、すぐに、運用とつながりそうであるが、実際はそうではない。資産運用だけを考えるのであれば、投資信託に軍配が上がる。あくまで、保険で、その保険料を少しでも安くするために限定的にリスクを採っているのが外貨建て保険である。外貨建ては資産運用、円建ては保障と考えるのではなく、外貨建ても、円建ても保障である。

3.為替の変動を予想しない

為替は変動するものである。しかし、為替の変動は予想できない。レートの予想をするのは、商品説明としては最悪の手である。過去のレートを持ち出すのは、その次に悪い手。賢明な手は、為替がどのように動くのか説明すること。実際、各国の中央銀行の政策が為替に大きな影響を及ぼす。

 

この記事は、週刊インシュアランスに掲載したものです。

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