プロジェクトマネジメント(2)

プロジェクトのアクションプランは、現場を理解できていなければ作成できない。良いアクションプランというのは、そのプランを作成しているときから、プロジェクトの成功がイメージできるようなプランである。どうなってしまうか想像できない人をプロジェクトマネージャーに据えると困ってしまうのはこの部分である。プロジェクトの構成要素の負荷見積もりなどができるのであれば、仕事の割り振りは難しくない。マネージャーの仕事は全体に過不足なく仕事を割り振ることであり、自分で仕事を抱え込むことではない。

プロジェクトの進捗管理は、プロジェクトの進捗管理そのもののほかに、人員管理や資金の予実管理などが含まれる。プロジェクトマネージャーに求められるのは、プロジェクトにはまり込んでしまうことではなく、客観的な目でプロジェクト全体をコントロールすることである。

プロジェクトの成果を披露するとは、効果的な方法でプロジェクトの成果を周知させるということである。マネージャーに求められるのは、広報プランの立案ということになるであろう。

最後の、資産として残す作業は、プロジェクトの成果披露と比べるとぐっと地味な作業になる。プロジェクトの成果が公表された後も、プロジェクトの求心力を保ち続けることは難しい。後処理とも取られかねない作業であるが、この作業がしっかりできていると次のプロジェクトに好影響を与えることは間違いない。

プロジェクトマネージャーに求められる資質は、

  1. 柔軟な発想力を持っていること
  2. アクションプランを作成できる企画立案力があること
  3. 客観的な進捗管理ができる管理能力が備わっていること
  4. プロジェクトの成果を外部に伝えるコミュニケーション能力があること
  5. プロジェクトの成果をまとめて次につなげる分析能力があること

とまとめることができるだろう。

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ところで、プロジェクトマネージャーの資質は多岐にわたっているので、これだけの資質を併せ持った人はそう多くはいない。むしろ、すべてを保有している人はいないと思っておいたほうが現実的である。そこで、サブマネージャーが必要になる。プロジェクトマネージャーに欠けている資質を持った人をサブマネージャーに指名するのである。そうすれば、プロジェクト全体で必要な要素をカバーすることができる。時折、すべての分野にサブマネージャーを指名して、自分はプロジェクト全体を統括したいという人がいる。そういった場合、プロジェクトを統括したいという人をプロジェクトから外して、サブマネージャーの中から代わりのプロジェクトマネージャーを指名したほうがプロジェクトはうまく回る。

この記事は2012年週刊インシュアランスに掲載したものです

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