3月第5週の市況

2023/3/27    月 

米国市場では、銀行部門は値を下げたが、KBW地方銀行指数は2.9%の上昇。主要3指数はいずれも値を上げた。11のセクターのうち9のセクターが値を上げ、ディフェンシブな公益や不動産といったセクターが最も値を上げた。欧州市場では、ドイッチェバンクは2028年償還の15億ドルの債券を早期に償還すると公表。デフォルトに対する保険料が高騰し、株価が8.5%の値下がり。スイスのUBSとクレディスイスの株価も、3.6%と5.2%それぞれ下落。オーストリアのRaiffeisen BankはECBからロシアでの高収益のビジネスをやめるよう圧力をかけられていると報じられ、株価は7.9%下落

2023/3/29    水

米国市場では、銀行に関する当局のコメントに注視し、最近値を上げていたテクノロジー株反落。欧州市場ではクレディスイスと米国の2つの地方銀行の破綻による不安が影響して、日中は0.8%上昇したが、最終的には市場は横ばい。Alibaba Group Holdingはビジネスを6つのユニットに分けることを公表し株価は14.3%上昇。Micron Technologyは第3四半期の売り上げが予想とほぼ同じで株価は1%上昇。欧州当局は、先週のドイッチェバンクの株安とそれに関連して、CDS市場の動きに過剰に反応することに懸念を示している。ドイッチェバンクは2%値を下げる。クレディスイスと買収したUBSはいずれも株価上昇

2023/3/30    木

米国市場では主要株価指数は1%以上の大きな上昇となった。Micron Technologyは、第3四半期の売り上げの下落は市場の予想とおりであったが2025年に向けて強気の売り上げ予想を発表し株価は7.2%上昇。アパレルメーカーのLululemon Athletica通年の予想を上方修正し、株価は12.7%上昇。欧州市場では、UBSに新CEOが就任し株価は3.9%上昇。クレディスイスも4.0%株高。銀行セクター全体も値上がり。テクノロジー株は、インフィニオンの強気の見通しで6.9%株価上昇。市場全体も値上がり。ドイツではエネルギー価格が幾分下落し消費者信頼感指数が上昇。メルセデスベンツはクウェートのファンドが保有株を引き下げると報じられ、株価は2.1%下落

2023/3/31    金

米国市場ではテクノロジー関連株式がけん引し市場は上昇。銀行については、バイデン政権が中規模の銀行により厳格な規制を適用する方針を示したことから株価下落。主要株価指数はいずれも上昇。欧州では、H&Mが12月ー2月の営業益が大きく増加し、株価は16.2%上昇。米国で銀行部門の懸念が収束しつつあることから、株式市場は3週間ぶりの高値となった。不動産セクターが3.7%の上昇。スペインでは消費者物価指数の上昇が鈍化し消費者信頼感が回復。ドイツでも消費者物価指数が下落したことから、ECBのさらなる金利の引き締めに追い風になるとの見方もある。ブラジルから受注をとった風力発電のVestasは株価が5.2%上昇

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3月第4週の市況

2023/3/20    月

米国市場では金融株を中心に大きく値を下げる。SVBは11条での破産を免れるためにSVBが裁判所監督下の再編成を申し出た。各種銀行指数は5%前後の下落になっている。配当の支払いを中止したFirst Republic Bankは32.8%の値下がり。同業のPacWest Bancorpも19%、Western Allianceも15.1%値を下げる。今期の見通しを上方修正したFedExは8%株高。欧州市場でも、金融関係株の下落により市場全体も大きく下落。SVBが影響して金融株が下落。クレディスイスは、前日リバウンドしたが、また、10%近く値を下げた。ユーロ圏のインフレは緩和されたが、依然としてサービス価格の上昇につながっている

2023/3/21    火

米国市場では、UBSの買収が公表されて銀行セクターは値上がり。すべてのセクターが上昇し、ボラティリティを示すVIX指数は下落。First Republic Bankは先週の300億ドルの資本注入にもかかわらず、さらに資金が必要がみなされ、株価は47.1%下落。9,000人の追加の人員削減を公表したAmazonは1.3%株安。欧州市場では、UBSが政府支援を受けてクレディスイスを買収する取引が決まったことを受けて銀行セクターがリバウンドし、市場全体でもリバウンド。UBSの買収額が30億スイスフランであることが公表されると、クレディスイス株は55.7%下落。米ドル安と中国での需要が回復しつつあることから銅価格が上昇し、鉱業セクターは2.8%上昇

2023/3/22    水

米国市場では、銀行部門で流動性の危機についての不安が緩和されたこと、市場関係者の関心が水曜日から開催されるFedの政策会合に移ったことから市場は上昇。金利は0.25%の引き上げがコンセンサスになっている。エネルギー、一般消費財、金融などのセクターがけん引する形で主要3指数はいずれも上昇。First Republic Bankが30%弱株価が戻ったほか、PacWest BancorpやWestern Alliance Bancorpも15%株価が戻った。欧州市場では、焦点となっているクレディスイスやUBSの株価が大きく上昇し、銀行セクターのリバウンドがけん引する形で、市場全体もほぼ1%の値上がりとなった。金融株のウェイトの高いスペインやイタリアの市場では2.5%市場が上昇。ただし、当局はAT1債券は、クレディスイスの債券がほぼゼロになることから市場の停止を図った

2023/3/23    木

米国では、Fedが予想とおりに0.25%の利上げを行ったが、パウエルFRB議長はさらなる利上げを示唆し、株式市場は大きく下落。セクター別では不動産が最も大きく値を下げる。First Republic Bankは資産の切り下げか、政府の支援が必要になると見られ、株価は15.5%下落した。投資会社から14億ドルを調達したPacific Western Bankは17.1%の株安。欧州市場では米国の金利動向を注視しながら市場は幾分上昇。ECBは現下の銀行部門の混乱を注視しているが、銀行部門全体に拡大するような混乱にはならないとみていることをコメント。金利感応度の高い不動産セクターは下落。不動産株のAroundtownは配当を停止すると報じられ株価は10%下落

2023/3/24    金

米国ではイエレン財務長官が国内の金融の安全のために手段を講じることを強調し、株式市場は上昇。2年物のイールドは18ベーシスポイント下落。First Republic Bankが6%値を下げるなど銀行株は続落。SECが訴追する姿勢を見せている暗号資産のCoinbase Globalは14.1%下落。欧州では、イングランド銀行が0.25%、スイス国立銀行が0.5%利上げを行い銀行株が2.4%下落し市場全体を引き下げた。英ポンドは対ドルで値を上げ、輸出株中心の英国のFTSEは0.9%値を下げた。フランスの製薬会社サノフェは、Regeneronと共同で開発していた喫煙者の肺がんの治療薬が良い結果を得られたことを公表し、サノフェの株価は5.5%上昇

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