保険の見直しの見直し(3)

ライフプラン分析

ライフプラン分析とは、自分と家族のこれから将来の話を数字に置き換えて、キャッシュフロー表というツールにまとめて、そのリスクを分析するものです。相談する側から考えると、きれいなグラフが出力されて、〇〇様という表紙のレポートができあがれば、すごい分析になっているように思えますが、それはイリュージョン(幻想)です。本当に必要なのは、見栄えではなく、どうしてそのような計算結果になったのかという過程にあります。

作成してくれた人に、どのようにしてその数字が計算されているのか、どのような数字が前提になって計算されているのか聞いてみましょう。じつは、FPといわれる人たちで、しっかりしたライフプラン分析ができる人はほんの一握りです。そして、それができる人は、キャッシュフロー表に出てくる数字が、仮定によって、いかに大きく変動するものか知っています。その上でライフプラン分析を行うのは問題ないのですが、問題なのは保険会社のソフトを使って計算しているときです。

保険会社はどのようなレベルの人が使っても、それなりの結果になるようにソフトを組み立てています。そして、保険を提案する基礎となる必要保障額は高めに計算されるようにできているように思います。この結果を、そのまま使うのが伝統的手法です。

だから、仮定を変えてもらうとか、計算のしくみを説明してもらうとかしてもらえば、どちらのグループにいる人なのか判断できます

ボタン一つの計算は占いレベル

保険会社のウェブサイトや雑誌の特集などでは、性別・世代・家族構成などの情報を入力すると、お勧めの保険と保険金額が計算されるものがあります。占いと同じ程度と思っていただくとよいでしょう。

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本当に必要な保険金額を求めるのであれば、過去の情報ではなく、将来の情報が必要になります。しかし、将来のことは、当人を含めだれにもわかりません。だから、いろいろと状況を変えて試算してみる必要があります。

現在の情報だけ入力してボタン一つで計算された保険金額は、占いと同じレベルと思えばよいでしょう。もっとも、占いが好きな人には向いているのかもしれませんが・・・