5月第3週の市況

2021/5/17    月

米国市場では主要3指数がいずれも上昇し、SP500はここ1ヵ月だ最大の値上がりとなった。米国疾病予防管理センターは、ワクチン接種の終了した人はマスクをせずに外出してよいというガイドラインを公表。小売販売の伸びは停滞し、インフレ懸念からセンチメントは予想外に低下した。政府が520億ドルの米国のマイクロチップ製造に支援を行うと報じられ、フィラデルフィア半導体指数は3.0%の上昇。ウォルト・ディズニーはビデオ配信サービスの伸びが予想以下で2.6%株価下落。欧州市場では、エネルギー、小売りが堅調で市場は上昇。Fedが直ちに金利引き締めに移らなかったためにインフレ懸念が後退した。イタリアの銀行Baco BPMはブローカーの格上げにより3%株価上昇

2021/5/18    火

米国市場ではインフレ懸念からテクノロージー株が下落。コミュニケーションサービスや公益といったセクターも下落。TeslaのマスクCEOが利用を停止したビットコイン関連では、Marathon Degital, Riot Blockchain, Coinbaseなどが3~7%の下落。コンテンツ資産を合併させると公表したAT&Tとディスカバリーはそれぞれ2.7%、5.0%の株安に。欧州市場ではレジャー関連が下落したが、テレコミュニケーションが値を上げ市場全体では横ばい。中国では4月に工場出荷の伸びが鈍化し、小売販売も予想以下となった。英国ではレストラン・パブ経営のSSP、EasyJet、Wizz Airなどが軟化し、アイルランドのRyanairも2.8%の下落。スペインではテレフォニカが3.5%の上昇

2021/5/19    水

米国市場では、テレコム関連が主流となり市場は下落。配当支払い率の引き下げを公表したAT&Tは5.8%の株安になった。T-mobile、Verisonもそれぞれ3.7%、1.3%下落。ウォルマートは通年の収益が上昇となり株価上昇。ホームデポは四半期の売り上げが予想以上となったが、全米で4月の住宅建設が予想以上に下落したことから、ホームデポ株は1%値下がり。欧州市場では、レジャー株が中心となり株高になった。英国ではロックダウンしていた地域で雇用が進み失業率4.8%に低下した。これらが影響して、ドイツでは株式指数が史上最高値を更新。英国のボーダフォンは通年の利益が下落したことから株価は8.9%下落。フランスの通信会社lliadは5G関連の負担から通年のキャッシュフローターゲットを引き下げることになり、株価は10.2%下落

2021/5/20    木

米国市場では、Fedが前回のFOMCの議事録を公表したが、中央銀行が米国経済は目標とする経済回復にほど遠いとみていることがわかり、また、一部では景気が過熱するのであれば債券購入を減少させる必要性を主張する意見もあり、株式市場は下落した。中国当局が金融・決済サービスで暗号資産を使うことを禁じたこともあり、暗号資産関連のMarathon Degital, Riot Blockchainなどが大きく値を下げた

2021/5/21    金

米国市場では3日間の値下がりの後市場はリバウンド。パンデミックによる不況以来、新規失業保険申請者が最低水準になる。暗号資産もリバウンドし、オペレーターのCoinbase Globalは3.8%値を上げ、そのほか暗号資産関連も幾分上昇。Kohl’sは、労働と運送コストの上昇から、通年の利益が引き下げられる可能性があり、株価は10.7%下落。ラルフ・ローレンも通年の販売が予想以下となり」株価は7%の下落。欧州市場では、仏伊のSTMicroelectronicsがNordic Semicondutorを買収すると報じられ、Nordic Semicondutorは株価が9.8%上昇。ドイッチェテレコムは中期のコア利益予想を引き上げ株価は2.5%値上がり。EasyJetは半期の損失が拡大し、株価は2.1%の下落となった

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5月第2週の市況

2021/5/10    月

米国市場では労働統計が予想外に成長が鈍化。市場では、Fedがすぐにでも景気刺激プログラムを縮小させるとしていたスタンスを転換するのではないかという期待感から市場は上昇。ダウとSP500は史上最高値を更新。Squareはビットコイン取引の決済に自社のアプリが使われた結果、増益となり株価上昇。Expediaグループはブローカーの目標株価引き上げで上昇。欧州市場でも、Fedの政策転換への期待感から市場は上昇。ドイツでは11か月連続輸出が増加しており、3月の上昇率は予想の倍となった。ドイツのスポーツ用品アディダスは2021年の売り上げ予想を引き上げ、株価が8.4%増。ジュエリーのPandraは4月の売り上げが2倍以上となり株価が3.0%上昇

2021/5/11    火

米国市場では低金利が長期化するとの期待からダウは史上最高値を更新。一方、アップル、Amazon、Facebook、Teslaは1.4%~4%の下落となりSP500とNASDAQは下落。Colonial Pipelineへのサイバー攻撃から東海岸への原油の供給が半分になり、エネルギー関連はここ1年以上で最高値を更新。また、インフレの代理指標といわれるインフレ連動債の価格は上昇。欧州市場では鉱業関連を中心に株価上昇。中国で鉄鉱石や鉄の先物価格が上昇。そのため、Rio %Tinto,BHP,Glencoreなど鉱業関連株は1.7%ないし2.6%上昇。テクノロジー株は米国に連動して2.4%値下がりし、旅行・レジャーも1.4%の値下がり

2021/5/12    水

米国市場では、商品価格が上昇したことや労働力不足がインフレを招くのではないかという懸念が拡大し市場は軟化。素材以外のセクターですべて値下がりとなった。VIX指数は3月11日以来の高値水準になった。ボーイングは737MAXの出荷がわずか4機にとどまったことを公表し株価は1.7%下落。モール関連のREITのサイモン・プロパティは2022年、23年を通じて、2019年の賃貸率には達しないだろうと見通しを示し株価は3.2%下落。欧州市場では、旅行、小売り、テクノロジーなどの株式が下落。独仏英の各市場で株価は2%以上の下落。ブリティッシュエアワイズの親会社IAGは8憶ユーロの転換社債の発行を公表し、株価は7.4%下落。ドイツのティッセンクルップはリストラのコストと投資の拡大で第2四半期のキャッシュフローが大きく減少し株価は10.2%下落

2021/5/13    木

米国市場では、SP500が2.1%の下落となり、2月以来最大の下げ幅となった。消費者物価コア指数が対前年比で3%の増加となり、Fedが予想されるより早く金利を引き上げるのではないかという懸念が広がった。アップル、マイクロソフト、alphabet、Teslaなどが2%ないし3%下落。VIX指数は27.64と上昇。欧州市場では、原油価格が2年来の高値となり、エネルギー関連は上昇。BP、RDS、Technip FMCは3.5%以上の値上がりとなった。英国の3月のGDPは2.1%の上昇となり予想を上回る。商品価格の上昇に伴い、Glencore,Anglo American,Rio Tintoなどが1%程度の上昇。ドイツのコメルツバンクは四半期の利益が予想を上回り、収益予想を上方修正し、株価は8.6%の上昇

2021/5/14    金

米国市場では市場はリバウンド。4月の生産者物価指数の上昇はここ1年で最大となったが、イールドは下落。小型株、半導体メーカー、輸送などの銘柄が上昇。ここ数日値を上げていた原油は、ブレント、WTIともに3.5%前後の値下がりとなった。エネルギーの利用が高いとしてTeslaがその支払いを停止することを公表し、ビットコインは13%の下落。欧州市場では、商品価格が下落して鉱業関連が値下がりし、株式市場は下落。基礎資源は3%、石油・ガスは1.4%下落となった。ディフェンシブなセクターは上昇。英国のバーバリーは年間の売り上げが10%下落し、株価は4.2%下落した。英国のBTグループは減収減益となり株価は5.9%下落。2021年下半期にキャッシュフローがプラスになると公表したロールスロイスは6%の株価下落
 

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