中年期&老後保障

縦軸に保障の内容、横軸に年代をとった必要保障マップで、中年期における老後保障を考えてみましょう。この時期、老後保障を考えるのであれば、保険より投資信託を優先させた方がよいかもしれません。

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なぜなら、老後保障には、積み立てる側と取り崩す側の2つの側面があるのですが、相応の時間が残っている中年期では、無理なく積み立てる計画を立てることができるからです。

無理なくとは、積立金額を抑えて必要な金額を積み立てるという意味です。そのためには資産運用が必要になるのですが、資産運用という観点から考えると、保険より投資信託が望ましいのです。

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保険の見直しの見直し(6)

アンシャン・レジーム(旧体制)がなくならないわけ

新しい手法を求めると、保険販売の片手間にライフプラン分析を行うというのが厳しくなります。本来、ライフプラン分析はそれだけで数時間の面談が必要なものです。そうすると、ライフプラン分析は、保険募集人に頼むのではなく、有料で第三者に行ってもらうことになります。つまり、一時的に余分なコストが発生するわけです。

伝統的手法を踏襲するのであれば、ライフプラン分析は保険販売の副次的なものという位置づけで済みます。だから、無料でできます。消費者は、結果的に高い保険料を負担する可能性が高いのですが、そこまで思いが廻らなければ初期コストを負担することにはならないでしょう。

また、新しい手法を求めると、売り手側は販売担当者の質を向上させる必要がありますが、伝統的な手法であればその必要はありません。担当者を教育しても成功するかどうかわからないのであれば、現状のまま(コストをかけずに)売れるだけ売ってしまおうという判断になるのです。

図表2 保険販売とライフプラン分析の関係と保険料

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その結果、かしこい消費者は金融商品の売り手より、金融商品をよく理解しているという逆転現象が生じてきます。じつは、アンシャン・レジームを打破するカギはここにあります。消費者がかしこくなってしまえば、「新たな手法」がメインになっていくのです。金融機関を是正するためには、金融機関に是正を求めるより、消費者教育を充実させた方がよいのです。