7月第2週の市況

前週の市況はコチラ

2018/7/9    月

米中の課税合戦はエスカレートし中国の株式時価総額の5分の1が焼失した計算だが、米国市場では6月の雇用統計が予想以上に堅調であったことが株式市場に好影響を与えた。ただし、賃金の伸びは抑えられていることから、米ドルが値を下げ国債が値を上げた。Biogenが薬品テストで好結果を示し株価が上昇。半導体メーカーやソフトウェアメーカーも堅調でテクノロジー銘柄を中心に値を上げる。欧州市場でも米国の雇用統計が好感され値上がり

2018/7/10    火

SP500はここ3カ月で最大の上昇となり、銀行株が3%近く上昇。産業、エネルギー、耐久消費財などのセクターも値上がりした。バンクオブメルルリンチのレポートによれば2018年尾決算は好調と予想されている。Twitterは、偽装アカウントを700万閉鎖し、株価は5.4%の下落。欧州市場でも2週間来の高値となり、シーメンスなどの産業株や金融株、さらに、LVMHなどの高級品関連株も上昇

2018/7/11    水

米国市場では、ペプシコが好業績となり4.8%の値上がり、P&Gやコカ・コーラなども値上がりし、SP500は2月1日以来の高値となった。ノルウェーの労働者がストライキを予定しているため原油が供給懸念となり値上がり。欧米市場では関連銘柄が上昇。欧州市場では、前日に引き続き、シーメンスやドイッチェポストなど、あるいは、輸出に依存しているLVMH、Keringなどが上昇

2018/7/12    木

米国が中国に対して追加で2000億ドル分の追加関税を公表し、欧米市場とも下落。リビアが港を再開させたことから原油価格も下落して、エネルギー関連が下落。米国内では中国と関連の強い半導体や資源関連株などが大きく下落。欧州市場でも状況は同じで、輸出主導型のドイツのDAXは1.5%の下落。資源関連株はセクターで3.3%下落した

2018/7/13    金

米国市場では、中国との関税合戦に影響の少ない、テクノロジー関連がけん引して市場は上昇。ソフトウェア会社のCA IncはBroadcomが買収すると公表し株価が18.7%上昇。Broadcomは13.7%値下がり。その他、マイクロソフトが2.2%値を上げるなど、FB,Amazonなどが堅調で市場をけん引。デルタ航空は好調な四半期業績を公表し1.8%上昇。欧州市場では、21世紀フォックスに買収される英国のSkyが3.4%値を上げるなどメディア銘柄にけん引されて市場は上昇

最適なアセットアロケーション

最適なアセットアロケーション

無リスク資産とリスク資産のバランスが重要

極端な資産配分にならなければ、投資家のニーズに応じてアセットア ロケーション(資産配分)を考えれば問題ありません。ただし、預貯金などの無リスク資産に比べてリスク資産が過大にならないよう、リスク管理はしっかりと行いましょう。

それぞれの資産クラスの意味を考え直す

「アセットアロケーション(資産配分)で運用成果の90% が決まる」と いう呪縛から解放されると(参照:「アセットアロケーション(資産配分) で運用成果の90% は決まらない」)、アセットアロケーション をもう一度見つめ直すことができます。どうして、株式に投資するのか、 どうして債券に投資するのか、そして、どうして外貨建て資産に投資する のかという基本に戻って考えるようにしましょう。

効果的に資産を殖やすために株式

株式に投資する理由は、持っている資産を効果的に殖やすためです。毎 月3万円ずつ、20 年間積み立てるとします。運用利回りが3 % であれば 20 年後に約985 万円積み立てられています。運用利回りが1 % であった としたら、約797 万円。効果的に資産を殖やしたいのであれば株式に投資 するほうが理に適っています。

老後の生活費のために債券

債券に投資する理由は何でしょう。通常、債券には、利息が付いていま す。理想では、十分にたくさんの債券を保有しておき、利息だけで生活で きるようになる。そうすれば資産は減らないし、働かなくても食べていけ る。これが債券を保有する理由です。実際は、それほどたくさんの債券を 保有することができる人はごく一部ですから、普通の場合は利息を受け取 り、元本の一部を取り崩して生活費に充てるということになります。つま り、シニアライフのことを考えると最終的に保有しておきたい資産は債券 ということになります。

インフレ対応などは外貨建て資産

外貨建て資産を保有する理由は、インフレ対策です。日本はエネルギー 資源を持たない国です。もし、天然資源の価格が上昇したら、輸入価格が 上昇しインフレになります。為替は円安になるでしょう。この時、天然 資源とともに価格が上がる外貨建て資産を保有しておけばインフレ対策 (ヘッジ)になります。日本の投資家が豪ドル建ての資産を保有したがる 理由の一つは、豪ドルが天然資源にリンクした通貨だからです。 その他、世界経済が日本以外の国や地域でより成長すると考え、外貨建て 資産への配分を増やすという選択肢も考えられます。

ポートフォリオ全体を管理

リスク資産の意味づけは投資家によって異なります。投資家のニーズに 応じてポートフォリオを構築して問題ありません。最終的なリスクコント ロールは無リスク資産を含めたポートフォリオ全体で管理するとよいで しょう。

この記事は、「投資信託エキスパートハンドブック」のリメイク版の一部です。