5月第5週の市況

2025/5/26    月

米国では、トランプ大統領が欧州製品に50%の関税をかけることを提案し、株式市場では主要指数は軒並み下落した。米国以外で製造されるiPhoneに25%の関税が課される可能性に直面したAppleは3%株価下落。Amazon、Nvidia、Metaなども1%以上値を下げた。UGGブーツのDeckers Outdoorは四半期の利益が予想を下回り、関税問題の影響から年間の見通しの発表を取りやめたことから、株価は20%近く下落。10年物イールドは低下した。トランプ大統領の課税にかかる発言は欧州市場にも影響し、欧州の株式市場も急落。欧米市場でボラティリティ指数は急上昇。景気感応度の高い銀行株は1.8%、米国への依存度が高い高級品も2.7%値を下げた。また、地域的にはドイツの株式指数がより大きく落ち込み、1.5%の軟化となった

2025/5/27    火

米国市場は休場。欧州では、トランプ大統領が50%の関税計画を遅延させると公表したため、株式市場は先週末の下落を取り戻す展開となった。自動車・部品セクターはその恩恵を受け値を上げたが、ポルシェ株が3.3%値を下げたためその値上がりが限定的となった。RheinmetallやLeonardoといった防衛関連株も3%以上株価が上昇し、航空宇宙・防衛セクターは1.7%値を上げた。そのほか、産業製品・サービスセクターも1.5%の値上がり。LVMH、Kering、Richemontなどの高級品株もおおむね1%値を上げた

2025/5/28    水

米国では、カンファレンスボード指数が5か月連続の下落からリバウンドして上昇に転じ、また、トランプ大統領が欧州に対する関税50%の7月6日までの遅延を公表したことから、株式市場は大きく値を上げた。翌日に四半期決算を控えたNvidiaは3%の株価上昇。機内への荷物の持ち込みに課金することを公表したサウスウエスト航空は5.5%の株価上昇。WSJがInformaticaを買収間近と報じたSalesforceは1.5%の株高。欧州市場では、関税の遅延のほかに、トランプ大統領がロシアに対する新たな制裁が必要であると述べたことから、EU域内では防衛関連株が値を上げ、市場全体も上昇。ドイツや英国では株価指数は上昇したが、フランスでは横ばい

2025/5/29    木

米国市場では市場終了後にNvidiaが四半期決算を公表し、第1四半期は予想以上の業績となったが、第2四半期には対中関税影響が80億ドルになると公表。市場終了後株価は2%以上上昇した。本市場では、株式指数は下落。トランプ政権が中国系のCadence Design SystemsとSynopsysに対して米国企業が作成するソフトウェアを提供することを禁じたために、株価下落。欧州市場では、米国の不安定な関税政策を見極めようとする中、市場は軟化。ドイツの自動車メーカーメルセデスベンツ、BMW、フォルクスワーゲンは米国と関税交渉を行っていることが判明し、自動車セクターは0.7%値を上げた。しかしながらドイツの株式指数DAXは日中史上最高値を更新したものの、最終的には0.8%の値下がり。フランスでも当初は値を上げたが、第1四半期のGDP成長率が予想通りわずかなものであったことから、株式指数のCAC40は値下がり。防衛関連は0.7%の上昇

2025/5/30    金

米国市場では、Nvidiaが四半期決算の結果、値を上げ、また、午後に公表された米国際貿易裁判所によるトランプ政権の関税についての差し止め命令もあり、株式市場は幾分値を上げた。セールスフォースは、年間の売上・利益見通しを引き上げたが株価は下落した。ボーイングは737 MAXの製造を来年に向けて引き上げることを表明し、株価上昇。Best Buyは高額商品について消費者の需要が落ち込んでいることから売り上げと利益の年間予想を引き下げたために株価下落。欧州市場も株式は幾分下落。米国のNvidiaの株価が上昇したことを受け、欧州の半導体メーカーのASM International、Soitec、ASML Holdingsなどが値を上げた。英国のNational GridとSevern Trentは、配当落ちのため、それぞれ3.8%と2.3%値を下げた。英国の自動車関連Auto Traderは年間の売上が予想以下となり株価は11.3%下落

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5月第4週の市況

2025/5/19    月

米国ではミシガン大消費者信頼感指数がインフレ予想の上昇を背景に低下したが、株式市場では主要3指数はいずれも値上がり。UnitedHealth Group Incは8日間連続で値下がりしたが、本日はリバウンドして6.4%株価上昇。そのため、ヘルスケアセクター全体も2%弱値を上げた。半導体装置製造のApplied Materialsは第2四半期の売り上げが予想を下回り株価は5.3%値下がり。 Verizon Communicationsは当局からFrontier Communicationsの買収の許可が下り、株価は1.7%上昇。欧州市場では株式市場は値を上げ、5週連続の上昇となった。高級品株のRichemontは売り上げが7%増となり株価が7%ほど上昇。AstraZenecaやNovartisが値を上げたためにヘルスケアセクターも上昇

2025/5/20    火

米国ではムーディーズが米国の格付けをAaaから、Aa1に引き下げたことから、センチメントが低下。株式市場はほぼ横ばいとなった。米国の債務が予想以上になると見込まれることから、10年物のイールドは上昇。TXNM EnergyはBlackstoneのインフラ部門の購入し、株価は7%ほど上昇。Novavaxは米当局から、コロナワクチンの認可を得て、株価が15%上昇。Modernaの株価も6.2%上昇。欧州市場では、米国の格下げがマイナスに働いた一方で、企業収益が好調であったことから、全体では横ばいとなった。ただし、米中の関税戦争の緩和の動きから、ドイツ市場は値を上げ史上最高値を更新。Ryanairは域内の旺盛な需要に支えられて業績が回復すると予想したことから、株価が4.8%上昇。同業のルフトハンザやEasyJetも3%前後株価上昇。BNPパリバは10.8億ユーロの自社株買いプランを公表し、株価が3.4%上昇

2025/5/21    水

米国では、2-3兆ドルの政府債務を増加させるトランプ大統領の減税と経費削減の法案によりイールドが上昇しないか懸念が広がる中、株式指数はいずれも下落。Home Depotは予想を超える第1四半期の業績を公表したが、年間の見通しは据え置き、関税上昇による価格移転も行わないことをCEOが表明。株価はわずかに値を下げた。カタールのフォーラムでマスクCEOが今後5年間経営を続けることを約束したTeslaは0.5%株価上昇。欧州市場では、テレコムと公益のセクターがけん引して9週間来の高値を付けた。公益株ではポルトガルのEDP ​​Renovaveisがブローカーの評価引き上げによって1.8%株価上昇。トランプ政権がニューヨークの養生発電の建設中止を撤回したことから、Oersted、Vestas Windなどの風力発電関連株が上昇。また、中国向けの需要が高いLVMH、Burberry、Keringなども株価上昇

2025/5/22    木

米国ではトランプ大統領の減税案を議会が承認すれば債務が膨らむと考えられることからイールドが上昇。主要株価指数はいずれも大きく値を下げ、小型株中心のRussell2000は2.8%値を下げた。UnitedHealthは英国のガーディアン紙が、訪問看護に対して秘密の支払いをしていたと報じ、ブローカーが評価を引き下げたことから6%以上株価を下げた。ターゲットは四半期の売り上げが大きく減少し、年間予想も引き下げたことから、株価は5%以上値下がり。欧州市場では、高級品や小売り関連株が下落する一方で、米国の減税法案を評価する動きもあり、市場全体としては幾分値を下げる展開となった。スポーツ用品のJD Sportsは四半期の売り上げが2%下落し、また、主要な市場である米国で高い価格が消費者の需要を押し下げていると警戒感を表明したことから株価は10.6%値下がり。シャネルが年間の売り上げが4.3%下落したことを公表し、LVMHなどの高級品株も2%以上の下落になった

2025/5/23    金

米国では、上院がトランプ大統領の減税法案を可決し、イールドが低下する中、株式市場は方向性のない市場となり、おおむね横ばいの1日となった。クラウドベースのデータ管理会社のSnowflakeは2026年の売り上げ見通しを上方修正し、株価は13%上昇。Alphabetは下値買いの動きで1.4%上昇。一部商品の値上げを公表したNikeは株価が2%上昇。欧州市場では、米国でのイールドの上昇やユーロ圏での購買マネージャー指数が低迷したことを受けて、軟調な市場となった。汎用的な株式指数は4月以降で1日の下落幅としては最大。英国のテクノロジー会社Johnson Mattheyは一部を負債込みでHoneywell Internationalに売却することが決まり、Johnson Matthey株は30%以上上昇した。ただし、化学関連株全体としての動きはおおむね横ばい

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