1月第4週の市況

2020/1/20    月

米国では、12月の住宅建築が13年来の高水準になったこと、Visa、アップル、QualcommなどのIT関連が値上げたことなどから市場は上昇。Googleの親会社のAlphabetは4番目に時価総額が1兆ドルを超えた。ホーガン通商担当委員は米国のライトハイザー通商代表が会談し、ホーガン委員から前向きな発言があったこと、中国のGDPが予想とおりの水準になり復調の兆しがあることなどが原因となり、欧州市場では史上最高値を更新。資源関連やドイツのDAXが堅調。フランス政府が法人向け原子力発電に価格ガイドラインを検討しようといしていることから、同国の公益EDFは6.8%の株価上昇

2020/1/21    火 

米国市場はマーティン・ルーサー・キングJr・ディで祝日。欧州市場では、新年最初のECBの会合、金曜日に予定されているユーロ圏のPMIの公表を前に様子見の市場となり幾分値を下げた。スイスのレジャー関連Dufryが4.5%、ブローカーの格付けが下がったエール・フランスも4.6%と大きく値を下げる。一方、Wirecardが1.6%値を上げたドイツ市場ではDAXが0.2%と少し上昇

2020/1/22    水

中国のコロナウィルスが米国に上陸したこと、IMFが2021年、2022年の経済見通しを下方修正したことなどを受けて米国株式は下落。レジャー・旅行関連が弱く、ユナイテッド航空は4.4%、レジャー関連のカーニバルは2.3%の下落。また、中国との関連が強い鉄鋼も値を下げた。また、737MAXの影響で6ないし7月まで業務再開のめどが立たないボーイングは3.3%の値下がり。コストコやインテルはブローカーの評価引き上げで値を上げる。IBMはクラウドビジネスの伸びが堅調で株価上昇。欧州市場は、ドイツのZEWが予想以上に堅調であったが中国のウィルス問題が影響して値を下げる。米国のトランプ大統領とフランスのマクロン大統領の会談が期待の持てるものであったことは評価できるが、エールフランス、ルフトハンザ、IAGなど長距離の航空会社とLVMH、Keringなどの高級品ブランドは影響を受けて値を下げる

2020/1/23    木

米国市場では、昨日市場終了後に公表されたIBMの決算が堅調だったことが市場に投資家を戻した。ドイツの半導体関連のASMLホールディングスが強気の業績予想を公表し、その影響から米国のないも半導体関連が値を上げ、フィラデルフィア半導体指数は1.0%以上上昇。個別銘柄ではNetfliexが米国内での競争激化から3.4%値を下げ、737MAXのサービス再開が夏ごろになると公表したボーイングが1.5%の値下がり。欧州市場では、トランプ大統領がEUとの貿易交渉が不調に終わった場合に、車の輸入に関税を上乗せすると発言し、自動車関連が軟化。市場全体も値下がり

2020/1/24    金

米国市場ではNASDAQとSP500は幾分値を上げて史上最高値を更新。予想より良い利益を計上したTravelersは5.1%値を下げ、Compastも利益は予想以上であったが視聴者数の減少が予想以上になり3.8%値下がり、FreePort MaMoRanも利益は良かったがインドネシアの生産が減少したということで2.8%の値下がりとなった。値上がりした株は、米中協議の妥結で輸送量に好影響を与えるUnion Pasific鉄道、Netfliexなど。欧州市場では、米EU間のデジタル課税や補助金の問題などが重荷になり市場は軟化。トランプ大統領から名指しされた自動車株は2%の値下がり、また、思っていた以上にラガルド新ECB総裁がハト派的なので銀行株は0.5%値下がり

 

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外貨建て保険のリスクに向き合う方法~その2

前半部分は無料でこちらでご覧いただけます

外貨建て保険のリスクに向き合う

私たちは、米ドル建て保険に加入するのであれば、間接的に、債券価格の変動と為替の変動の2つのリスクに向き合うことになる。債券価格の変動は、通常のタイミングでは感じることはない。保険金を受け取るときにも気にかけなくてよい。ただし、債券価格が下落していると保険を解約しようとすると、一時払保険に導入されているMVA(市場価格調整)機能を通じて、解約返戻金額が減額される

為替リスクについては、保険金を受け取るときも解約返戻金を受け取るときも影響を受ける。受け取るタイミングを繰り延べる特約や年金で受け取る特約など、為替リスクを抑える機能も存在するが、最終的には、為替リスクは、保険契約者や保険金受取人が負担するリスクになる。

価格変動のリスクと為替のリスクを実感するために過去のデータで考えてみよう。2015年から2019年までの5年間で、日本を除く先進国の国債は全体で10.5%値下がりした。そのうち、債券価格の下落によるものは約2%残りの約8.5%は円高によるものであった。

なぜ債券価格が下がったのか。それは、米国の中央銀行が、この間、一貫して利上げを行ってきたからである。利回りが上がると、債券の価格は下がる。なぜ、円高になったのか。それは、日本の景気が良かったから、そして、アベノミクスで円安に誘導された円が元の価格に戻ったからでもある。本来であれば、米国の金利が上がれば、日本の通貨は安くなるはずであるが、実際はそのようにはならなかった。

おそらく、過去5年ぐらいの間に外貨建て保険に加入した人の中には後悔している人が少なくないのではないだろうか外貨建て保険のリスクに向き合う第一は、慌てて早期に解約しないことである。早期解約は、解約控除やMVAなどの理由で損失につながることが多い第二は、為替のリスクに過剰に反応しないことである。為替は理論とおりに動かないことが多い。だから、保険金や年金を受け取る数十年先に、円安になっていたときに役に立つものと構えておくことである。そのためには、円建て資産のバランスを考えて外貨建て保険に加入するようにすべきであろう。

この記事は、週刊インシュアランス生保版に掲載されたものです。