4月第2週の市況

2025/4/7    月

 米国市場では全面的な関税戦争の様相を見せる中、SP500、ダウ、NASDAQはいずれも大きく下落し、2日で10%程度の低下となった。ボラティリティ指数は2020年4月以来の高水準に上昇。パウエルFRB議長は高い関税がインフレと低成長をもたらす可能性があると指摘。セクター別では全セクターが4.5%以上値を下げ、原油価格は7.3%下落した。イールドが低下し、低成長が収益性を阻害するとして、銀行セクターは7.3%の値下がり。中国市場のウェイトが高いアップルは株価が7.3%下落。欧州市場でも、株式市場は全面安となり、中国との関連が強いドイツのDAXは5%下落し、調整期間に入ったと認められる。欧州の全体的な株式市場はCOVID-19関連で市場が軟化した時以来となる5.1%の下落となった。ボラティリティ指数はここ2年間で最高の水準に上昇。セクター別では全セクターでマイナスになり、銀行セクターは8.4%値下がり

2025/4/8    火

米国市場では、上下動の激しい展開であったが、トラアンプ政権の関税政策が引き起こす経済の減速とインフレへ懸念から、結果的に値を下げた。当初は値下がりで始まったが、その後、トランプ大統領が90日間の関税の保留を検討していると報じられると市場は値上がり。それ報道をホワイトハウスが否定すると市場は再び値を下げる展開となった。トランプ政権が関税問題を終息させる気配がない中、欧州市場でも2024年1月来の安値を付けた。域内の主要市場は4~5%の値下がり。特に貿易に感応度の高いドイツのDAXは6.4%値を下げた。ボラティリティ指数はここ3年で最高に上昇。セクター別では、すべてのセクターでマイナス

2025/4/9    水 

米国市場では当初は値を上げたが、その後値を下げ、最終的にSP500はほぼ1年ぶりに5000の水準を割り込む展開となった。トランプ政権が個人保険に対する支払い率を引き上げたことにより、UnitedHealth GroupやHumanaといった保険会社の株価が上昇。欧州市場では、昨日の14か月最低の水準から値を上げた。防衛や銀行関連株が市場をけん引。欧州連合は対米に対抗関税をかけることを提案。個別企業ではオランダの半導体装置関連のASMLと英国の製薬メーカーアストラゼネカが、それぞれ、4.3%、3.2%と値を上げた。ドイツのInfineon TechnologiesはMarvell Technologyのイーサーネット部門を買収すると公表し株価は0.8%上昇

2025/4/10    木

トランプ大統領が中国を除く国への関税の引き上げを90日間保留することを公表し、株式市場は大きく値を上げた。NASDAQは市場終了前に10%ほど値上がり。米ドルは円他他通貨に対して値を上げ、国債の需要が増加したことから10年物イールドは当初の上昇分を破棄することになった。Alphabetは750億ドルのAI投資を継続することを表明し株価は10%ほど上昇。Nvidiaも市場終了前に急上昇し20%近く株価上昇。Teslaは”買い推奨”に指定されたことから16%以上の値上がりとなった。トランプ大統領のアナウンス前に市場が終了した欧州市場では3.5%の大幅な値下がりとなった。トランプ大統領から主要な課税商品とされた医薬品関連はRoche、Novartis、Novo Nordisk、AstraZenecaなどが6%前後の値下がりとなった。中国もEUも米国の関税に対して報復関税をかけるとしている。銀行関連についてはECBが来月にも金利を切り下げると見越して、株価は3%ほど値下がり

2025/4/11    金

米国市場では、米中の関税戦争が悪影響をもたらすとして、主要株式指数は大きく下落した。NASDAQは4%以上の下落。一方、公表された3月の消費者物価コア指数は、対前年同月比2.8%と落ち着いた水準になっている。セクター別では一般消費財以外のセクターで値を下げた。特に、エネルギーとテクノロジーが大きく下落。中古車販売のCarMaxは第4四半期の利益が予想を下回ったことで、17%の株安。欧州市場では多くの市場で2022年以降で最大の1日の上昇となった。米国が追加関税の停止を表明したために、EUも報告関税の保留を発表。ただし、ボラティリティ指数は依然として高水準にある。セクター別では銀行、鉱業、エネルギーが5.2%、3.8%、2.5%とそれぞれ上昇した。スイスのチョコレート製造のBarry Callebautはカカオ豆の高騰から業績が低下すると公表し、株価は21.5%低下した

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3月第4週の市況

2025/3/24    月

米国市場では、トランプ大統領が関税に関して柔軟な姿勢を見せたことから、ドル高になり株式市場は上昇。主要な株式指数はいずれも値を上げたが、景気に感応度の高い半導体、素材、小型株などが弱く、値上がりは限定的であった。金の価格は史上最高値から大きく下落したが、依然として1オンスあたり3000ドルを超えている。欧州市場では、ヒースロー空港付近の火災が空港を閉鎖させ金曜日遅くには閉鎖は解除されたが、旅行・レジャー株が軟化し、市場全体も値下がり。IAG、ルフトハンザ、ライアンエアーなどが2%前後値下がり。銅価格が値を下げたことから基礎資源セクターや産業セクターも値を下げた

2025/3/25    火

米国市場では、トランプ大統領が関税でより考慮したアプローチをとるシグナルを出し、TeslaやNvidiaが値を上げ、株式市場全体も値上がり。ビジネス活動は3月に上昇したが、センチメントは低下していることが明らかにされた。Dun & Bradstreetはプライベート・エクイティに買収されることになり、株価上昇。欧州市場では、トランプ大統領の関税政策が軟化することに期待が膨らむ中、株式市場は横ばい。銅価格が上昇する中、ブローカーも評価を上げたことから鉱業株は上昇。英国のVodafoneはブローカーの評価引き下げにより株価下落。ドイツのBayerは米裁判所から21億ドルの補償金を支払うように命じられ、同社株は6.3%下落

2025/3/26    水

米国では信頼感指数が2021年2月以降最低の水準になった。個別株式ではNvidiaが値を下げた一方で、Appleが値上がり。Teslaも値を上げた。主要3指数はいずれも上昇。セクター別では一般消費財やコミュニケーション・サービスなどが上昇。欧州市場ではトランプ政権の関税が緩やかになるとの期待感から株式市場は上昇。スペインやドイツの市場では1%以上の値上がり。ボラティリティ指数はここ2週間で最低まで下落。セクター別では銀行が2%以上値を上げ、史上最高値水準にまで上昇。スイスの保険会社Baloiseは2024年の利益が大幅増となり、株価は4.3%上昇となった。スイスの物流会社Kuehne und Nagelは通年の営業利益が予想以下となり、株価は4%下落

2025/3/27    木

米国市場では、トランプ政権の自動車に対する関税が長期化する見通しで、TeslaやGMといった自動車株に影響を与えた。また、半導体関連のNvidiaやBroadcomも大きく値下がり。主要3指数はいずれも下落。Dollar Treeは配下のFamily Dollar部門をプライベートエクイティに販売する合意に近いと公表し、Dollar Treeは3.1%上昇。欧州市場では、米国の完全政策があいまいになっている中、ヘルスケアやテクノロジーが中心になり値を下げた。Novo Nordiskは米国で肥満薬Wegovyが割引価格で購入できるようになったことが影響して、Novo Nordisk株は2.5%下落。テクノロジー関連ではTietoevryがブローカーの評価切り下げにより株価が6.7%下落。一方で、原油価格が上昇したことからエネルギー関連が値を上げた

2025/3/28    金

米国では、トランプ大統領が4月3日から輸入車に対して一律に25%の関税を課するとアナウンスした。GMは7%以上、フォードは3.9%、そして、自動車部品のAptiv and BorgWarnerは約5%値を下げた。Teslaは多くの部品を米国内で製造していることから影響が軽微と考えられ、株価は0.4%値上がり。主要3指数はいずれも下落。Family Dollar部門を売却すると昨日公表したDollar Treeは、複数のアナリストが評価を引き上げ、株価は11%上昇。欧州市場ではトランプ大統領の自動車関税に対して予想が裏切られた形となり自動車株を中心にほぼ2週間来の安値を付けた。特に、自動車関連のウェイトが高いドイツが値下がり。フォルクスワーゲンが1.5%、Stellantisが4.2%、BMWが2.5%の値下がりなどとなった。フランスの自動車部品のValeoも7.8%の株安に。また、銅価格が下落したことから、基礎資源株が下落。一方で、トランプ政権の関税のアナウンスがあった後、イールドが低下したことから、不動産株は2.1%の上昇となった

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