9月第2週の市況

2023/9/4    月

米国では労働統計が公表され新規非農業就労人口は予想外に増加したが、失業率も上昇し、市場では金利の引き上げ停止への期待感は維持されている。SP500は値を上げ、NASDAQは値下がり。ディズニーとCharter Communicationsはいくつかのチャネルでの配信に関する合意ができないために、双方ともに株価下落。そのほかのストリーミング関連でもWarner Bros Discoveryが12%、Paramount Globalが9.5%値下がり。半導体のBroadcomは四半期の売り上げが予想以下となり5.5%下落したが、 Dell Technologiesは通年の予想を引き上げ株価は21%上昇。欧州市場では、鉱業関連が値上がりしたが、高級品や自動車関連が値下がりして、市場全体は横ばい。原油価格の上昇から石油・ガス関連が値上がり。デンマークの製薬メーカーNovo Nordiskは株価が2.1%上昇し、時価総額でLVMHと交代して欧州で最も大きな会社になった

2023/9/5    火

米国市場は休場。欧州市場では、中国の景気刺激策への期待感から鉱業関連が値を上げたが、市場全体としては横ばい。中国関連では自動車も0.3%上昇。オランダの半導体関連ASMLが0.8%値を上げ、半導体関連も0.5%値を上げた。デンマークの製薬会社Novo Nordiskは肥満防止の注射を英国で発売開始し株価が0.7%続伸

2023/9/6    水

米国市場では原油価格の値上がりによってエネルギー株は上昇したが、Fedの理事が金利政策の変更の必要性がないと主張しイールドは上昇。素材や産業株が1.5%以上下落し、公益株も1.5%下落。主要3指数はいずれも値下がり。ユナイテッド航空はシステムトラブルで1時間以上飛行機が停止し、株価は2.5%下落。SP500に組いられれると報じられたAirbnbとBlackstoneは7%、3.6%それぞれ上昇。欧州市場では中国とユーロ圏の経済減速懸念から株式市場は下落。中国関連では、中国のサービス活動指数がここ8か月で最低になったことから、高級品や建築・素材のセクターがそれぞれ1.2%、1.0%の下落。ユーロ圏のサービス活動指数も、景気後退になる懸念を示している。また、ユーロ圏の2年物イールドが上昇し、不動産や個人・家計関連は値を下げることになった

2023/9/7    木

米国市場では、ISMサービス指数が予想以上に上昇したが、支払価格が上昇したことが分かった。主要3指数はいずれも値下がり。中国がiPhoneほかの外国製ディバイスを公務に使うことを禁じることがアップルなどへの圧力になっている。ロッキードマーティンはF35の出荷予想を下方修正し株価下落。欧州市場では6日連続で値下がりとなった。ドイツの工業受注が予想以上に下落した。銀行セクターが1.5%値を下げ、8週間来の安値水準となった。個人・家計用品セクターも2.2%下落。銀行部門のウェイトの高いイタリアでは株式指数が1.5%下落。LVMHは3.6%値を下げ、8か月来の安値となった。英国の小売りWH Smithは年間売り上げが28%上昇すると予想したが、利益は予想に届かない見通しとなり6.3%株価下落

2023/9/8    金

米国市場では、中国の政府関連組織でのiPhone利用禁止の動きに連動してapple株が2日連続で2.9%下落。ダウは値を上げたが、SP500とNASDAQは値下がり。失業保険の新規申請者は2月以来の低水準になり、金利上昇の懸念も市場には残る。ディフェンシブな公益セクターは1.3%値を上げたが、フィラデルフィア半導体指数は2%ほど下落。中国の輸出入データが芳しくなかったことから、 PDD Holdings、JD.comなどは4%以上下落。欧州市場でもiPhoneの利用停止のニュースからテクノロジー関連が2%程度値を下げ、鉱業株も2%程度値下がり。市場全体も値を下げた。鉱業関連はドル高と中国での需要懸念を反映して値下がり。公益やヘルスケアなどのディフェンシブなセクターで値を上げたため市場全体の値下がりは緩和された

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9月第1週の市況

2023/8/28    月

 米国では、パウエルFRB議長がインフレ率を2%に戻すために制限をかける金融政策を維持すると発言したことから、米国では2年もののイールドが上昇。株式指数は主要3指数ともに上昇。イールドの上昇はテクノロジーなどのグロース株には逆風になった。Marvell Technologyは四半期業績が予想を上回ったにも関わわらず株価は6%以上下落。逆にGAPは第2四半期の実績や第3四半期の予想が芳しいものではなかったが株価は7%以上上昇。欧州市場では、当初は値を上げたが、パウエルFRB議長がジャクソンホールでの会議で金利引き上げの必要性を説いたことから、テクノロジーや金融株がそれぞれ、0.6%、0.7%下落し、市場全体も値を下げた

2023/8/29    火

米国市場では3Mは30万人から訴訟されている問題で55憶ドル以上を支払うことで合意し株価は5.2%上昇。ゴールドマンサックスは投資アドバイス部門を売却することで合意し株価が1.8%上昇。アップルやAlphabetも0.9%値を上げ、主要3指数はいずれも値上がり。中国では印紙税が半分になり、BaiduやAlibabaなどの中国株が2%以上値上がり

2023/8/30    水

米国では労働省の公表した労働指標JOLTSで7月の新規労働者数が3か月連続で下落となり、金利上昇が停止されるのではないかという思惑から市場は上昇。TeslaやNvidiaなどのグロース株がけん引した。また、消費者信頼感指数のカンファレンスボード指数も予想以下となった。Teslaについては米当局が運転モニターシステムの料金について特別命令を出したが、株価は7.7%上昇。AlphabetはAI関連の新たなテクノロジーを公開し、パートナーシップも公表したことから株価は2.7%上昇。欧州市場では鉱業関連が2.1%上昇し、市場全体も上昇。ユーロ圏の指数より英国のFTSEが値を上げた。中国のウェイトの大きい銀行のHSBCや保険の英プルデンシャルが値を上げる

2023/8/31    木 

米国ではADPの民間部門新規雇用統計が予想以下であったことが判明し、また、第2四半期のGDP成長も予想以下であったことから、Fedが利上げを停止するのではという期待感から市場は上昇。10年物イールドはここ3週間で最低の水準にまで低下。手数料の引き上げを検討していると報じられたMastercardとVISAは0.5%株価上昇。HPは需要の低迷から年間の予想を引き下げ、株価は6.6%低下。欧州市場では、デンマークの代替エネルギー関連Orstedが米国で160億デンマーククローネ相当の課徴金を米国で受ける予想となり、株価は約25%下落。競合関係にあるSiemens EnergyやRWEなども4%前後値下がり。ユーロ域内でのイールドが上昇し、株式市場は低迷。ガボンでは軍事クーデターが発生し関連するTullow OilやTotalEnergiesなどが値を下げた

2023/9/1    金

米国市場では、SP500は値を下げ、NASDAQは値を上げた。PCEが7月に3.3%増とほぼ予想通りであったことから、Fedが利上げを停止するとの思惑が確認され、10年物イールドは低下しグロース株に追い風となったことからNASDAQは上昇した。Salesforceは値上げによる効果と堅調な需要から年間売上予想を引き上げ、株価は3.3%上昇。ディスカウントストアのDollar Generalは年間の売上予想を下方修正し株価は12%下落。同業のDollar Tree’sも1.7%値を下げた。欧州市場では、生活必需品や高級品が値を下げたが、不動産や金融が値を上げ、市場全体としては横ばいになった。

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