月次レポートを活用する

ファンドマネージャーからのメッセージ

公募型ファンドでは月次レポートが発行されています。これは、ファンドマネージャーが投資家に向けて発信している貴重なメッセージです。そして、このメッセージを理解することができて初めて、投資家として安心して投資を続けられるのです。

ファンドマネージャーにとってコミュニケーションの確立が大切

誤解を招くかもしれませんが、ファンドマネージャーといわれる人たちの最も大切な仕事は、お客さまに向かってレポートを書くことです。数年前に、資産運用の入門書を執筆した時、ファンドマネージャーにインタビューさせてもらいましたが、彼らの大半はレポートを書くことがとても大切な仕事であると話してくれました。

レポートを書くというと少し範囲が限定されているようですが、投資家とのコミュニケーションといったほうがよいでしょう。投資家とコミュニケーションを採ることは、運用することと同じくらい、あるいはそれ以上に大切なことなのです。

月次レポートを継続して読んでおこう

公募型ファンドは月次レポート

ファンドマネージャーたちにとって年金基金や保険会社などの機関投資家が顧客である場合、コミュニケーションの確立は比較的簡単です。誰が投資家であるのかわかりますから、直接説明に出向くことも可能です。

ところが、公募型のファンド(一般の個人投資家に販売している投資信託)になると、コミュニケーションの確立は容易ではありません。なぜなら、誰が投資家であるかわからないからです。仮に投資家がすべてわかったとしても、大きなファンドになるとすべての投資家とコミュニケーションをとることはできません。そこで、ファンドマネージャーはレポートを書くのです。『私たちのファンドは、こういう方針で運用されています。今月の運用の結果はこうなりました。運用がうまく行った理由、うまく行かなかった理由はこうです』

ほとんどのファンドでは月次レポートを発行しています。月ごとの運用の成果を書いたレポートです。だから、この月次レポートを大切にしましょう。月次レポートは、ファンドマネージャーからのメッセージなのです。

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投資家への対応ができるのは販売会社のみ

ライフプランニングに役立つ資産運用の考 え方 (リメイク中)の前回の記事はコチラ

投資家への対応ができるのは販売会社のみ

投資信託の販売で投資家への対応ができるのは販売会社のみです。したがって、販売会社の担当者は、説明責任を一手に引き受けていることを自覚したほうがよいでしょう。ファンドについて説明を受けたことを自分で理解して、自分の言葉で説明できるようになりましょう。

運用会社は誰が投資家かわからない

投資信託(ファンド)という金融商品は、オーダーメイドの金融商品ではなく既製品といえます。あらかじめ、ファンドのしくみや運用方針は決められています。だから、ファンドと投資家の相性を合わせようとすると、投資家側がファンドの特徴を理解しておく必要があります。

「運用会社は投資家のことを考えていないのではないか?」という指摘があるかもしれませんが、実は、運用会社は誰が投資家であるのかを知らないというのが本当のところです。

だから、運用会社は、あらかじめ運用するファンドの特徴を公表するのです。ファンドの特徴に合致する投資家のみなさまに投資してほしいという意味です。あらかじめ投資家に見せることを前提に、ファンドの特徴を記載した書面が目論見書なのです。

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