保険の見直しの見直し(3)

ライフプラン分析

ライフプラン分析とは、自分と家族のこれから将来の話を数字に置き換えて、キャッシュフロー表というツールにまとめて、そのリスクを分析するものです。相談する側から考えると、きれいなグラフが出力されて、〇〇様という表紙のレポートができあがれば、すごい分析になっているように思えますが、それはイリュージョン(幻想)です。本当に必要なのは、見栄えではなく、どうしてそのような計算結果になったのかという過程にあります。

作成してくれた人に、どのようにしてその数字が計算されているのか、どのような数字が前提になって計算されているのか聞いてみましょう。じつは、FPといわれる人たちで、しっかりしたライフプラン分析ができる人はほんの一握りです。そして、それができる人は、キャッシュフロー表に出てくる数字が、仮定によって、いかに大きく変動するものか知っています。その上でライフプラン分析を行うのは問題ないのですが、問題なのは保険会社のソフトを使って計算しているときです。

保険会社はどのようなレベルの人が使っても、それなりの結果になるようにソフトを組み立てています。そして、保険を提案する基礎となる必要保障額は高めに計算されるようにできているように思います。この結果を、そのまま使うのが伝統的手法です。

だから、仮定を変えてもらうとか、計算のしくみを説明してもらうとかしてもらえば、どちらのグループにいる人なのか判断できます

Breixt(英国のEU離脱)に対する投信会社の臨時レポート

ファイナンシャルプランナーの杉山です。近代セールス社のファイナンシャル・アドバイザー誌の連載で、Breixtに対する投信会社の臨時レポートについて書かせていただきました。

6月27日時点で各社が公表しているレポートをチェックしたものです。

結果だけお話ししておくと、一番参考になった臨時レポートは、シュローダー・インベストメント・マネジメント株式会社のレポートでした。

株式チームのヘッドが書いているという体裁もよかったですし、アクティブ運用マネージャーとしての洞察もうかがえるよいレポートでした。

今回のような市場に大きなインパクトを与えるイベントが発生したとき、パッシブ運用のマネージャーのレポートを読んでも役に立ちません

なぜなら、市場に身をまかせているのがパッシブ運用のやり方であるからです。市場で起こった出来事については情報を流してくれますが、これから先どうしようと考えるのであれば、その答えはアクティブ運用のマネージャーが持っています

もっとも、アクティブ運用のマネージャーは手の内を全部見せてしまうと、まずい場合もありますから完全に開示しているわけではないでしょう。

ところで、2番目によかったと思ったのは、野村アセットマネジメントのレポートでした。

こちらは、ものすごい解説が載っていたわけではないのですが、簡潔にまとめられていて、販売員が手にして説明できる内容のものでした。

くわしくは、10日前後に発売になる、ファイナンシャル・アドバイザー(NO.213 2016年8月号)をご覧ください