9月第4週の市況

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2018/9/17    月

米国ではトランプ大統領が中国からの2000億ドル超の輸入品の税率を上げることを指示。市場では米ドルが上昇し、米国の10年物イールドもほぼ3%の水準にまで上昇。市場では金融株とエネルギー株が上昇。原油価格が上昇したのは、米国に迫っているハリケーンの影響。欧州やアジア市場では、米中間の関税戦争に楽観的な見方から値を上げる。欧州では資源関連と自動車関連が上昇

2018/9/18    火

米国ではトランプ大統領が中国に対してさらに2000億ドルの輸入品の関税を引き上げると示唆したことからテクノロジー株や一般消費財関連の銘柄が軟化。アップルは課税対象から製品が一部除外されると報じられたが2.7%値を下げ、Amazonも3.2%も値を下げる。その他のFAANG株式である、Facebook、アルファベット、Netfliexや、Twitterも値を下げる。欧州では市場は横ばい。H&Mが好決算で16.6%と大幅に株価を上げる

2018/9/19    水

米国市場では月曜日の下落からリバウンド。アップルと健康器具メーカーのFitbitが課税対象から除外されることとなり株価が上昇。関税関連に感応度の高いボーイングも2.1%値を上げた。テクノロジー株がけん引して主要な3つの株指数はいずれも上昇。Teslaはプライベート化に関するCEOの発言に対して司法省から要請を受けたと公表し株価が下落。欧州市場も、米国に続いて中国が報復関税を公表したが税率が予想より低く、市場全体としては幾分値を上げた。

2018/9/20    木

米国ではイールドが4か月来の高水準になったことから、ゴールドマンサックス、シティ、JPモルガン、バンク・オブ・アメリカといった大手銀行が3%前後の株価上昇となり、ダウとSP500は値上がり。テクノロジー関連ではマイクロソフトがほぼ10%程度に配当を引き上げたが、売上高の伸びからするとまだ低水準と判断され株価は下落。欧州市場では、中国の李首相が元安を誘導して輸出増を図ることはないとコメントするなど、米中の関税戦争が終盤との見方から、資源関連、自動車などの感応度の高い目柄が上昇

2018/9/21    金

米中の関税戦争の着地点が見えだしたことから世界的に株式市場は好感。米国では関税問題に感応度の高い株式が上昇しダウは史上最高値を更新。テクノロジー株もマイクロソフトやアップルが値を上げ、NASDAQやSP500も上昇。ナイキはNFLのキャパニック氏を宣伝で使用してからセールスが上昇。北朝鮮との対話ムードの中防衛関連銘柄は軟化。欧州市場では自動車株が改善

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通貨選択型ファンドを解明する

3つのリスク・リターンの組み合わせ

通貨選択型ファンドのリターンは、円と適用される通貨の為替リターン、適用される通貨と原資産の通貨の為替プレミアム、さらに、原資産のリターンの3つの部分に分解できます。したがって、そのリスクもリターンに応じて3つの部分に分解することができます。

ファンドの仕組み

通貨選択型というタイプのファンドがあります。一言でいえば、金利の高い国の通貨を保有することによる為替からのリターンと、株式や債券など実際に投資するものの値上がりからのリターン、両方を追い求めるタイプのファンドということができます。

金利の高い国の通貨で思い出されるレアルを介してドル建てのREIT(不動産投資信託)に投資する例を考えてみましょう。

まず、①投資家は日本円で投資します。②ファンドは日本円をブラジルレアルに転換します。③その後、ブラジルレアルから米ドルに再転換します。このとき、ブラジルレアルから米ドルに対して将来の為替レートを固定します(為替ヘッジ)。米ドルになった資金は米国のREITに投資します。④数年経過してREITを売却します。⑤売却金額は、米ドルからブラジルレアルに転換されます。このとき、為替ヘッジがかけられているので、ブラジルレアル-米ドル
の為替レートはすでに決まっています。⑥そして、ブラジルレアル
が日本円に転換されて投資家の手元に届きます。

リターンの分解

このファンドのリターンは、下図のように3つの部分に分解できます。一つは、日本円とブラジルレアルの為替の変動部分。ここは市場頼みです。円安になれば為替益が発生し、円高になれば為替損が発生します。為替プレミアムは、為替ヘッジをかけた時点で確定します。REITの運用も市場頼みです。REITの価格が上がれば利益が発生し、下がれば損失が発生するしくみです。確実な部分は、為替プレミアムの部分だけなのです。

この記事は、「投資信託エキスパートハンドブック」のリメイク版の一部です。