3月第2週の市況

2020/3/9    月

米国市場では主要株価指数は下落したが、取引終了にかけて幾分持ち直した。依然として安全資産への資金回避の傾向が続いておりイールドが下落。銀行株の指数は4.7%下落。トランプ大統領がクルーズ船の利用を控えるようコメントしたことからカーニバルやロイヤルカリビアンといったクルーズ船運用会社の株価が下落。ロシアがOPEC主導の原油減産を拒否したことから原油価格が下落。欧米市場でエネルギー関連株が大きく値下がり。スターバックスは3月までの四半期について、中国での売り上げが半減すると公表。株価は1.1%下落。欧州市場でエネルギー関連株の下落のほか、ドイツでも債券への資金シフトから、ドイッチェバンク、コメルツバンクがそれぞれ3.8%、7.2%の下落

2020/3/10    火

原油価格がブレントが24%、WTIが25%とそれぞれ下落し欧米市場で大きな下落となった。米国市場では2008年の金融危機以来の値下がりとなり、主要3株価指数は7%以上の値下がりとなった。一方で10年物イールドは下落し0.318%と史上最低を更新。円高も進んでいる。ボーイングはFAAが737MAXのワイヤーシステムについて拒否したことから13.4%株価下落。アップルは中国でのiPhoneの販売が20万台減少し7.9%の下落。欧州市場でも石油・ガスを中心にここ8か月で最大の下落となった。BPやロイヤル・ダッチ・シェルは20%以上の下落。コロナウィルスの被害が深刻なイタリアでは市場が10%以上の値下がり

2020/3/11    水

米国市場では前日の下落を受けて安値拾いの投資家と政府の景気刺激策に期待して市場はリバウンド。トランプ大統領は大きな手を打つとコメント。SP500、NASDAQは5%前後上昇。UPSはブローカーの格上げにより6.5%値を上げ、Amazonやシェブロンなども5%前後値上がり。政府が100億ユーロの対策を承認したイタリアでは、市場は3.3%の値下がり。ドイツ市場でもDAXは1%以上値下がりしたが、ドイッチェポストは中国の売り上げが拡大したこと、予想以上の配当を公表したことを受けて6%の値上がりとなった

2020/3/12    木

WHOが「コロナウィルスの拡散をパンデミックと認定。米国政府はコロナウィルスについてトップレベルの会合をスケジュール。Fedは来週の定例のFOMCで金利をさらに引き下げるとみられている。そのため、米国市場ではイールドが引き続き下落し、銀行株は6%近く下げる。市場全体でも5%弱の値下がり。ボーイングは18.2%の値下がり。欧州ではイングランド銀行が予想外に利下げを行う。ただし、原油価格の値崩れからBPやロイヤル・ダッチ・シェルといった石油大手は2~3%前後値下がりし、その影響でFTSEも値下がり。欧州市場全体でも株式市場は値を下げる。

2020/3/13    金

WHOがパンデミックを宣言して、米国は欧州からの旅行者の入国を禁止。米国市場では、SP500、NASDAQともに9%以上値下がりし、直近の最高値から20%以上下落するという“ベアマーケット”に該当することになった。ニューヨーク連銀はレポ取引に1.8兆ドルの資金を追加して供給。JPモルガンがボーイングに対する長期的な“オーバーウェイト”を解消させ、欧州からの入国禁止もあり、ボーイングは18%以上値下がり。イールドは依然として下がり続け、銀行株は10%以上下落。エネルギーも12%以上の下落。欧州市場でも11%の下落となり、特にイタリアでは17%の下落となった。セクター別では自動車、保険が15%以上値を下げ、旅行・レジャーも13%の値下がり

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3月第1週の市況

2020/3/2    月

欧米市場では引き続き株式市場は下落。ただし、米国市場では下落幅が縮小。米国では株式指数が7日連続の下落となり、VIX指数は一時期50を超えたが最終的には40少しと昨日より微増となった。金利感応度の高い、金融、公益、不動産などのセクターでは値を下げたが、テクノロジー、コミュニケーション、エネルギーなどのセクターでは下げ止まり。欧州市場は大きく下落。ドイツのBASFは今年の利益が下落するとの見通しを公表し4.9%株価が下落。ブリティッシュエアウェイズの親会社のIAGやエールフランスKLMは、それぞれ、-8.4%、-6.4%の値下がり。ミュンヘン再保険は第4四半期が減益となり5.7%の値下がり。ドイツ、フランスなどの株式指数は3%以上の下落

2020/3/3    火

米国市場では先週末の急落からリバウンド。SP500、NASDAQともに4%以上の上昇になった。先週末にFedのパウエル議長がコメントを残し、市場はFedは0.5%の利下げに踏み切ると期待している。月曜日には日銀の黒田総裁も必要であれば措置をとると言明。アップルは9.3%値を戻した。欧州市場では市場はほぼ横ばい。イタリアでは政府がGDPの0.2%に相当する36億ユーロの資金投入を決めたが株式市場は1.5%の下落。旅行・レジャーセクターは2.7%の下落

2020/3/4    水

Fedが緊急会合を開催し0.5%の利下げを決めた。欧州市場では、Fedの利下げのほかに、英国、フランス、日本の各中銀が金融緩和の姿勢を見せていることを好感し株価上昇。旅行・レジャーのセクターも9日ぶりにプラスになった。スペインではモーゲージ関連の訴訟が国内の裁判所で判断されることとなり銀行株が上昇。Caixabank、Bankiaはそれぞれ3.7%、0.6%値を上げる。ドイツのMetroは米国のSyscoが買収する姿勢を見せ19.2%株価上昇。米国市場では当初株価は上がったが、金融緩和がコロナウィルスの問題の解決につながるのか疑問視され、株式指数は3%前後の下落となった。金融株は3.7%の下落。10年物イールドは1%を切る水準に低下

2020/3/5    木

米国では民主党の予備選でバイデン候補が14州中10州で勝利をおさめ株価は4%以上上昇。ヘルスケア関連の指数は5.8%の上昇。30年のモーゲージレートは7年来の低水準にまで下落。小売りのDollar Treeは売り上げ・利益の予想が芳しくなく3.6%株価下落。欧州市場では、コロナウィルス拡散の懸念と各国の景気刺激への期待が相殺され、公益。テレコムなどのディフェンシブな銘柄を中心に市場は上昇。ECBは金利を現在のマイナス0.5%から、さらに、0.1%引き下げるとみられている。中国当局がコロナウィルス対策に薬を使用すると公表したスイスのロッシュは3%以上値を上げる。イタリアでは政府が新たな緊急措置を行うと明言し株式指数は0.9%上昇

2020/3/6    金

欧米市場では、各国の中央銀行の対策の効果よりコロナウィルスによる経済的な損失が大きいと判断され、市場は下落した。欧州市場では、旅行・レジャー関連が続落したほか、BHP Biliton、Rio Tintoといった鉱業大手がそれぞれ6%、7%値を下げ大きく下落。英国では航空会社のFlybeが破綻。ドイツでは自動車部品のContinentalが2019年に12億ユーロの赤字を計上し12.4%株価下落。米国市場でもコロナウィルスが拡大し、主要株価指数は3%以上の下落。10年物イールドはさらに下落し、金利に感応度の高い金融株も大きく下落。JPモルガンは4.9%、バンクオブアメリカは5.1%の下落。アメリカン航空は13.4%株価下落

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