ピックアップファンド(eMAXIS バランス(8資産均等型))

ファンドの特徴

このファンドは、三菱UFJ国際投信が運用するバランス型ファンドです。ポートフォリオは、日本/先進国/新興国の株式と債券、および、日本/先進国のREITに均等に投資することを基本にしています。等分ですから、各資産クラスの投資比率は12.5%になっています。
実際のポートフォリオがどうなっているかは、月次レポートで確認できます。2020年3月末現在、日本債券への投資比率が11.2%と少し少なくなっていますが、そのほかの資産クラスへの投資比率は12%台となっており、ほぼ基本ポートフォリオが維持されている状態です。

過去5年の履歴からリスクを計算すると約10%です。株式指数のリスクよりは小さいが、外国債券のリスクよりは大きいい程度の数値です。運用は、各資産クラスではインデックス運用に、アセットクラスの組み入れ比率(アセットアロケーション)もインデックス運用になっています。

このファンドには、「波乗り型」という投資スタイルの異なるファンドも用意されています。「波乗り型」、トレンドフォロー(好調なアセット(資産)クラスへの投資比率を上げる)戦略を採っていますが、「波乗り型」より「均等型」のほうが、運用成績はよくなっています

※ グラフは2020年4月末時点の情報で記入しています

ポートフォリオ

ファミリーファンド方式で運用されています(マザーファンドが設定されています)。マザーファンドの運用も三菱UFJ国際投信が行っています

運用体制

自社運用

アクティブ/パッシブ

資産クラス:パッシブ運用
アセットアロケーション:パッシブ運用

販売会社の特徴

SMBC日興証券、三菱UFJ銀行、福岡銀行、楽天証券、SBI証券、エース証券など

資産残高の推移

ファンドは2011年10月に設定。ほぼ右肩上がりで純資産残高を伸ばしていますが、純資産残高はそれほど大きな金額になっていません。2020年3月末時点では268億円に達しています

購入時手数料

購入時手数料はゼロ(ノーロードファンド)
(購入時手数料を徴収する販売会社はありません)

信託報酬

0.55%(年額)

収益分配金

分配は年1回(毎年1月)。「信託財産の成長を優先し、原則として分配を抑制する方針」と記載があり、実績ベースでは、収益分配金が支払われた実績はありません。

ファンドに対するコメント

請求目論見書等を見ると各マザーファンドに投資している(ベビー)ファンドとその規模を確認することができますが、機関投資家を含め幅広い資金を三菱UFJ国際投信が集めて運用していることがわかります。それゆえ、このファンドの資産規模が小さくても、効果的な運用ができるわけです。8つの資産クラスそれぞれにマザーファンドを用意できるのは、三菱UFJ国際投信が運用機関として日本最大級の規模を誇っているからでしょう。

このファンドを含むeMAXISは、コストを意識した投資家の成長を見越したファンド設定になっていますリーマンショックからひと段落したころに設定され、それから先の10年を見据えた戦略的なファンドであったと思います。

2017年5月には、ファンドのコストをさらに引き下げた、「eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)」も設定しています。これらのファンドは、コストを重視する個人長期投資家に歓迎されるファンドになっています。

今月のピックアップファンド(のむラップ・ファンド(普通型))

ファンドの特徴

このファンドは、野村アセットマネジメントが運用する、債券(日本/外国)、株式(日本/外国)、リートの5つの資産クラスに投資するバランス型ファンドです。ポートフォリオの基本比率は公開されていませんが、実際のポートフォリオがどうなっているかは、月次レポートで確認できます。2020年3月末現在、国内株式に約16%、外国株式に約26%、日本債券に約13%、外国債券に約30%、REITに約14%投資するポートフォリオになっています。のむラップ・ファンドにはリスク・リターンのことなる5つのファンドがありますが、このファンド(普通型)は、リスク・リターンが真ん中に位置するファンドになっています。「真ん中」というのが効いているのか、5つのファンドの中では、最大の純資産残高(869億円)になっています。

過去5年の履歴からリスクを計算すると約10%です。株式指数のリスクよりは小さいが、外国債券のリスクよりは大きいい程度の数値です。運用は、各資産クラスでは原則的にインデックス運用になっているようです。アセットクラスの組み入れ比率は、「野村證券株式会社は、独⾃に開発したモデルを⽤い、より効率的と想定される投資配分⽐率を算出します」と記されているので、アセットアロケーションはアクティブ運用ということになるのでしょう。ただし、運用報告書を見ると、株式40%、債券45%、REIT15%で組み入れ比率は固定されているような感じもします。

このファンドには、積極型、保守型という2つのリスク・リターン特性の異なるファンドも用意されています。また、ファンドの設定時期は少し遅れますが、やや積極型、やや保守型というファンドもあります。

※ 2020年4月末時点の情報で記入しています

ポートフォリオ

マザーファンドが設定されています。マザーファンドの運用も野村アセットマネジメントが行っています

運用体制

自社運用

アクティブ/パッシブ

資産クラス:パッシブ運用
アセットアロケーション:アクティブ運用

販売会社の特徴

野村證券、七十七銀行、滋賀銀行、伊予銀行、楽天証券、SBI証券、auカブコム証券など

資産残高の推移

ファンドは2010年3月に設定。ほぼ単調に右肩上がりで純資産残高を伸ばしています。2020年3月末時点では832億円に達しています

購入時手数料

購入時手数料は1.1%を上限に販売会社各社が定める
(伊予銀行の場合: 1億円未満1.1% 1億円以上なし)

信託報酬

1.353%(年額)

収益分配金

分配は年1回(毎年2月)。「分配対象額の範囲内で、基準価額⽔準等を勘案して委託会社が決定」と記載があり、実績ベースでは、年間1万口当たり10円程度の配当ですので、純資産残高の成長に重点が置かれているようです

ファンドに対するコメント

野村證券とほかの販売会社の販売比率がどの程度になっているのか気になるところですが、おそらく、野村證券でも回転売買ベースの商品というよりは、積立指向の商品として位置付けているのでしょう。純資産残高の変動のペースがほぼ一定で右肩上がりになっていることから想像できます。

運用自体は当たり障りのない無難な運用になっていることが想像されますが、購入時手数料と信託報酬の設定水準が、前世代的な感じを受けます。高すぎます。積立商品として勧めるのであれば、購入時手数料ゼロ(ノーロード)、信託報酬は0.5%程度が最近の潮流のように思います。

配当についても、積み立てを意識するのであれば、無理に年間10円程度の配当を支払うこともないと思います。