6月第2週の市況

2021/6/7    月

米国で労働統計が公表されたが新規非農業就労人口の増加は約56万人で予想を下回った。欧米市場では、来週に予定されているFedとECBの政策会合で政策の変更はないとみなしている。イールドは低下し、欧米市場でテクノロジー株が市場をけん引した。ユニバーサル・ミュージックの10%を買収すると公表した、投資家のAckmanがCEOを務める、Perchasing Square Tontine Holdingsは11.9%の値下がり。ユニバーサルの親会社のフランスのVivendiも0.3%下落。米国市場では、グロース株の上昇がバリュー株の上昇を上回ったが、いずれも上昇し、主要3指数はいずれも上昇。欧州市場でもテクノロジー株がけん引して史上最高値を更新したが、銀行株のウェイトが高いスペイン市場は下落。また、英国ではポルトガルへの渡航制限が再開され、IAG、Wizz Air、easyJetなどの航空会社が0.3%~3.3%値を下げた

2021/6/8    火

米国市場では、最低法人税率への反応、インフレへの懸念、経済ニュースの不足などが相まってSP500は幾分値下がり。NASDAQは上昇。いわゆる、ミーム株のAMC Entratainmentは14.8%上昇し、その他のミーム株であるGameStopやBlackberryなどが7%から14%値を上げたBiogenはアルツハイマー治療薬のアデュカヌマブがFDAから承認を受け、株価が38.3%上昇。Blackstoneグループから買収提案を受けたデータセンター運用のQTS Realty Trustは株価が21.2%上昇。欧州市場では自動車株がけん引して史上最高値を更新。中国の輸出の伸びが予想以下であったことから、鉱業関連が値を下げる。ECBは次回の政策会合で金融政策を維持し、債券購入プログラムを継続すると見られ、イールドは下落しているが銀行株は上昇した。4月のドイツの工業受注は予想外に減少。石炭ビジネスの一部を分離することにしたAnglo Americanは2.7%の株安

2021/6/9    水

米国市場では方向性のない市場となった。アップルとAmazonが値を上げたためにNASDAQは上昇。個人投資家が好むいわゆるミーム株が値を上げたために小型株は上昇。市場は火曜日に公表される消費者物価指数を注視している。Teslaは中国製の電気自動車が29%増えたことにより、同株は0.3%の値下がり。サウスウエスト航空が737MAXを新規に34機購入することを公表しボーイングは値上がり。欧州市場では、旅行・レジャー、不動産にけん引されて値上がり。GSが格上げしたことになりeasyJetが値上がり。ドイツでは工業生産が予想外に低下したことから株価は下落。英国ではポンド安からFTSEが上昇。ブリティッシュ・アメリカン・タバコは年間の売り上げ予想を上方修正し株価が0.4%上昇

2021/6/10    木

米国市場では、金融当局がいつ金利の引き締めに移行するかに注目が集まっており、市場は上がったり下がったりする市場となった。個人投資家が好むミーム株であるAethlon Medicalが4倍弱に上昇し、米国のサイトであるRedditが煽ったGEO OperatorやWorld Wrestling Entartainmentは、それぞれ、38.4%、10.9%値上がり。バイデン政権がインフラ投資予算を削ったことから、産業株が1%下落。イールドは1.5%以下に下落した。また、100か国以上にコロナワクチンを供給すると米政府が公表したことからファイザーは2.5%上昇し、Merck&Coも2.3%株高に。欧州市場では、ほぼ史上最高値付近で横ばい。エールフランスKLMやIAGは各国の渡航緩和を受けて3%程度株高になった。英国では、Rio Tinto、Anglo American、BHPなどが2%以上値を下げる

2021/6/11    金

米国では、消費者物価指数が対前年同月比5.0%と予想以上に上昇したが、コロナ禍で堅調であったテクノロジー株は値下がりしなかった。SP500は日中史上最高値を更新したが、インフラ投資が予想以下となったため産業株は0.2%の下落。ユナイテッド航空が単通路型の航空機の大型発注が報じられ、ボーイングは0.8%の値上がり。欧州市場でも市場はわずかに上昇。ECBが経済成長を4%から4.6%に引き上げ、消費者物価指数は1.2%から1.9%に引き上げ。また、ECBが債券の緊急購入プログラムを次の四半期も継続すると明言。銀行株が0.4%上昇。フォルクスワーゲンは半導体不足を公表し株価は0.4%下落

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JP4資産バランスファンド 成長コース

ファンドの特徴

このファンドは、JP投信株式会社が運用するファンドで、内外の株式、債券に投資するファンドです。リスク・リターンによって、「安定コース」「安定成長コース」「成長コース」の3つのファンドが設定されています。

直近5年のデータを基に計算すると、ファンドのリターンは7.9%、リスクは11.5%となっており、TOPIXより高いリターンでリスクが低くなっています。バランス型ファンドとして効率的な運用が行われていることがわかりますが、TOPIXとの連動性は高く、相関係数は0.94になっています。『日本株式だけに投資するのではなく、世界や株式外にも分散して投資して投資効率を上げているが、日本の株式市場との連動は高い』と見ておくと間違いないでしょう。

運用そのものは、JP投信ではなく、三井住友信託銀行の子会社に運用を委託しています。運用は、それぞれの資産クラスの運用でパッシブ運用になっています。アセットアロケーションについては基本配分比率が設けてあり、その比率を維持するというパッシブ運用になっています。

ファンドは2016年2月に設定・運用開始されていて、2019年初頭ごろまでは純資産残高も右肩上がりで積みあがってきていますが、その後、横ばいで推移しています。2021年5月末現在で純資産残高は、約475億円です。

※ 2021年5月末時点の情報で記入しています

ポートフォリオ

2021年4月末時点のポートフォリオは、日本株式44.2%、海外株式25.9%、日本債券19.8%、海外債券9.7%キャッシュ等0.3%となっています

運用体制

三井住友トラスト・アセットマネジメントが運用

アクティブ/パッシブ

パッシブ運用

販売会社

ゆうちょ銀行、スルガ銀行

資産残高の推移

ファンドは2016年2月に設定。設定以来、2019年初頭までは純資産残高は右肩上がりで上昇していた。その後、純資産総額は横ばい。2021年5月現在の純資産残高は約475億円

購入時手数料

1.1%(ゆうちょ銀行店頭)無手数料(ゆうちょ銀行インターネット、スルガ銀行)

信託報酬

0.63965%

収益分配金

分配金は2か月に1回。おおむね1万口当たり10円の分配金
現在の基準価額15,098円(2021年5月末)を勘案すると、分配金利回りは、0.39%(=10×6÷15098)程度

このファンドに対するコメント

バランス型ファンドの資産配分を考えるとき、最近では、不動産や新興国市場も考えるのが多くなってきていますが、このファンドでは、日本の内外の株式と債券に資産クラスを限定しており、また、海外についても先進国だけの設定になっています。加えて、運用もパッシブ運用で資産配分比率も大きく変えない投資戦略となっています。資産運用に詳しくないひとが一定数存在するゆうちょ銀行の顧客層を勘案した運用戦略のように思えます。

収益分配金が2か月に1回、しかも、公的年金の受取り月でない奇数月に支払われること、分配金の利回りが貯金の金利と比較してお得感があるように設定されていることを考えると、このファンドのメイン顧客層は、『公的年金を受け取ることができるシニア層』といえるのではないでしょうか。『2000万口程度保有していれば、年金を受け取れない月に12万円程度の自分年金が受け取れますよ』と勧誘されそうですね。