内容は資産運用で決まり

この前

Aさんは、いくつか資料を用意されていた。その中で、「ゴールベース資産管理入門」(日本経済新聞社出版)という書籍の一部のコピーを持参されていた。「ゴールベースという考え方をキーにしてテキストを執筆してほしい」というのがAさんの要望であった。出版社側の意向がはっきりしているし、私もそれに抗う理由も持ち合わせていなかった。資料を受け取って、Amazonで、本をさっそく注文した。

Aさんからは、私が、日ごろから執筆をしているので、書き溜めたものを転用すればよいということを言われたが、それでも10万字にはずいぶん不足している。ゴールベースの考え方を理解するのと同時に、テキストに入れたい内容を考える作業が始まった。

これまでの経験から、執筆で大切なのは、目次を作ることだとわかっていた。早い段階で目次を作り、その目次を編集側に見てもらう。OKが出れば、各内容についての方向性が固まる。NGが出れば目次を修正して、再度見てもらう。目次を作成するのはとても大切な作業なのである。

(この後)

2021年9月の終わりに

2021年9月の終わりに、近代セールス社のAさんから久しぶりに電話をもらった。Aさんとは10数年来のお付き合いで、たくさんの原稿や書籍を書かせいていただいている。「久しぶりに」というのは、数年前、Aさんが体調不良になり、担当されていた雑誌の編集長を辞められたというわけがある。

ワクワクして、最寄りの私鉄の駅のバスロータリーから折り返しの電話をした。そこで、今回担当させていただいた通信講座の概要を電話で聞かせてもらった。鮮明に覚えているのは、締め切りが10月末であったこと。文字数にすれば10万字ほどの分量の冊子を1か月で仕上げるというのは、結構、無理難題の部類に入る。現在、社会福祉法人でフルタイムの勤務をしている私にとって使えるのは週末のみ。さらに、9月から始まったFP3級講座の講師業務も重なっていた。

「作成時間を短縮するためには、私一人でなく分散して執筆したほうがよいので、現在、私が仲良くしてもらっている終活・成年後見・生前整理などの専門家にも手伝ってもらってシニア向けのテキストに仕上げてはどうだろう」と私から提案した。それでも、Aさんは、すでにアイデアがあるらしく、後日、会ってAさんの意向を確認することにした。

この後