2月第3週の市況

2021/2/15    月

米国市場では、バイデン政権の景気対策への期待感から、エネルギー、金融、素材といったセクターやテクノロジー関連の大型銘柄が堅調で市場は上昇。新型コロナウィルスの感染者数や入院者数は減少に転じている。ロイターは、大型景気対策の影響で年内にはコロナ以前の水準に経済が戻ると予想。ウォルト・ディズニーは堅調な決算を公表したがすでに株価に織り込み済みであったので、株価は下落。欧州市場でも株価上昇。IT部品のASMLが世界的な半導体の不足をコメントし、株価が3%上昇。化粧品のロレアルは売り上げの急激なリバウンドを予想し、株価は8か月来の高値を付けた。オランダの銀行INGは四半期決算が好調で6.7%株価上昇

2021/2/16    火

米国市場はプレジデントディで休場。欧州市場では、米国の景気対策とワクチンの普及に対する期待感「リカバリー・トレンド」から1年来の高値を付けた。銅価格が8年来の高値を付けたことから、Rot Tinto,BHP Group,Anglo Americanといった鉱業関連が上昇。銀行やエネルギーも「リカバリー・トレンド」を追い風に上昇。フランスのコングロマリットVivendiはユニバーサル・ミュージックに出資する計画を公表し、同株は19.6%上昇。また、Vivendiの株主であるGroupe Bolloreも14.6%株価上昇。ロイターの調査では、エコノミストの第1四半期のユーロ圏のGDP成長予想は0.6%から0.8%に上昇

2021/2/17    水

米国市場ではダウは史上最高値を更新し、テクノロジー株が下落したのでNASDAQは値下がり、SP500はほぼ横ばいとなった。バイデン政権の景気刺激策への期待感からイールドが上昇。金融株には上げ要因となり、公益、住宅建築、不動産などには下げ要因となった。コロナの感染者数は急減している。ビットコインが5万ドルを超えたために、デジタル通貨金融業者のSilevegate Capital,Riot Blockchain, Marathon Patentなどは8%~21%の値上がりとなった。原油価格が値を上げたためエネルギーも強い。欧州市場でも、鉱業やエネルギー、銀行が値を上げたが、その他の業種は値を落とし、全体でみれば横ばい。Glencoreは2%株価を上げここ7年で最高値となった。BHPビリトンも半期利益が史上最高となり、史上最高の中間配当を公表し、株価は1.5%上昇

2021/2/18    木

米国市場では、アップル、Paypal、Nvidiaなどのテクノロジー関連が軟調でNASDAQは値下がり。SP500は横ばい。ウォーレンバフェットのバクスシャー・ハザウェイが投資先を公表し、ベライゾン・コミュニケーションが5.2%、シェブロンが3%の上昇となり、ダウは値を上げた。テキサス州で原油生産が停滞し原油価格が上がったことから、エネルギー関連も上昇。ウェルズ・ファーゴはFedがリスク管理とガバナンスのやり方変更を承認し5.2%の株価上昇。欧州市場では、ドイツでインフレ予想からイールドがここ1年で最高に上昇。グッチブランドの販売が第4四半期に10%以上下落したKeringが値を下げ、ブリティッシュ・アメリカン・タバコは利益が予想以上であったにもかかわらず株価は下落。ドイツのBiersdrofは2021年の売り上げが上がっても利益は横ばいになるとの予想を示し、株価は5.9%の下落

2021/2/19    金

米国では、新規失業保険申請者数が予想外に増加し労働市場の弱さが露呈された。公益株と一般消費財以外のセクターは値を下げる。Facebookはオーストラリアでメディア使用料の問題が勃発し株価は1.5%の値下がり。ウォルマートは四半期の利益が予想以下となり、2022年の売り上げの伸びも低い一桁にとどまりそうとの予想を公表し、株価は6.5%減少。マリオットインターナショナルは四半期の損失を計上したが、株価は0.5%上昇。欧州市場では商品価格の上昇と通貨のユーロ高に懸念し株式市場は下落。ノルウェーのNel ASAは四半期の損失が拡大し、RDSはアルバータの資産を売却すると公表し、いずれも株価下落。エアバスは年間の損失を公表し配当を停止することを公表し2.8%の下落。フランスのテレコも最大手のオレンジも第4四半期のコア利益が下落したことを公表し株価は2.6%の下落  

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2月第2週の市況

2021/2/8    月

米国では、雇用統計が公表され建築や製造の分野では就労者数が減少し、予想を下回る結果となったが、SP500、ダウは5日連続で株価上昇。J&Jは米当局から1回接種のワクチンの緊急承認を得られたと公表し同株は1.5%株価上昇。アプリを使ったアマチュア投資家の投資対象になっているGameStopは16.2%上昇。同じように対象になっているClover Health InvestmentはSEC当局の調査に協力することを表明し5.7%株価上昇。欧州市場では全体としてみれば横ばい。ドイツでは12月の生産受注が下落。英国ではポンド高になりFTSEは下落。フランスではサノフィが好調な四半期決算を公表し1.5%株価上昇。欧州最大の建築会社であるVinciも通年の収益予想を上回る見通しとなり株価上昇。フランスの株価指数CAC40は0.6%上昇

2021/2/9    火

米国市場ではワクチンの接種拡大と景気対策への期待感から、SP500とダウは5日連続の上昇となった。景気に感応度の高い小型株が大型株より上昇。供給削減のため原油価格が高騰し、エネルギー関連も上昇。イエレン財務長官は景気対策により来年には完全雇用となると見通しを示す。公益関連のみ下落。ウォルト・ディズニー、シスコ、GMといった今週に決算を控える銘柄も1.8%ないし4.9%の上昇。Teslaはビットコインに19億ドルを投資することを公表し、同株は1.3%上昇。欧州市場でも景気循環株が主導になり値を上げた。また、Dialog Semiconductorを日本のルネサステクノロジーが49億ユーロで買収し、Dialogは16%の株価上昇。VeoliaはSuezに113億ユーロでの買収を提案

2021/2/10    水

米国市場ではSP500は下落となったが、NASDAQは上昇。投資家は大型IT関連から他の銘柄に注目が移っているが、FANG+TM指数は上昇。Ciscoは市場終了後に決算報告を公表する予定であったが株価下落。メイクアップ商品の需要が低下したため美容関連株のコティの株価下落。欧州市場では公益やガス・石油が下落し、ヘルスケアや高級品ブランドが値を上げた。フランスの石油会社Totalは収益は予想を上回ったが、資産の洗い替えで損失が出て株価は1.8%下落。ドイツでは米国や中国向けの輸出が堅調であった

2021/2/11    木

米国ではFedのパウエル議長が”社会全体でのコミットメント”としての雇用の回復を支持するとコメントしたが市場はほとんど反応しなかった。金融株が値を下げ、Teslaが5.3%値を下げたほか、マイクロソフト、アップルといったIT関連の大手銘柄も値を下げる。エネルギーが値上がりしたほか、景気循環株・バリュー株が堅調であった。個別銘柄では運送関連のLyftが4.7%の値上がり。欧州市場では、午前中は値上がりしたが、米国市場の影響を受けてIT関連が値を下げ、市場も全体の値下がり。フランスのソシエテ・ジェネラルは第4四半期の利益が予想を超え株価が2.9%上昇。ただし、フランス全体でみると12月の工業生産が予想以下となり株価指数のCAC40は値を下げた

2021/2/12    金

米国市場では、Amazonやアップルが値を下げ、さらに、OPECとIEAがコロナ関連で需要が減少すると予想した原油価格が下落し、エネルギー関連株も軟化。失業者統計は予想以上に弱かった。ただし、Nvidiaやインテルは株価上昇。ウェブサイトのReddit関連で個人投資家が買っていた大麻関連のTilrayとAphriaは、それぞれ、42%、20%と大きく下落。マイクロソフトが買収に乗り出したPinterestは6.1%の株価上昇。欧州市場では、米国の同業他社の影響を受けてテクノロジー関連が2%以上の値上がり。銀行株は値を下げたが市場全体としては値上がり。銀行でも、ドイツのコメルツバンクは6%値を下げたが、フランスのクレディ・アグリコルは5%上昇。ショッピングセンターを中心に投資する欧州最大のREITであるウニベイル・ロダムコ・ウェストフィールドは米国への投資をほぼゼロにして株価は13%の下落

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