資産運用の分類(その2)

割安感か成長期待かで運用手法は異なる

ファンドの運用手法の一つであるアクティブ運用は、トップダウンアプローチとボトムアップアプローチに分類されます。さらに、ボトムアップアプローチはバリュー投資とグロース投資に分類されることになります。

トップダウンアプローチとボトムアップアプローチ

アクティブ運用は、さらに、トップダウンアプローチとボトムアップア プローチに分類されます。トップダウンアプローチとは、マクロ経済の動向を分析したり、資産クラス間の相対的な魅力度を分析したりして、大き な視点から投資対象を絞り込んでいく手法です。債券の運用は、世界各国の金利動向を分析したり、国債と社債の魅力度を比較したりと、トップダ ウンアプローチの要素が多くなることが一般的です。

一方、ボトムアップアプローチは、個別企業の分析に重点を置く手法です。個別企業の分析ですから、主として、株式投資で使われる手法になり ます。選任のアナリストに各企業を担当させ、継続的に企業分析を行うイ メージです。ボトムアップアプローチでは、企業訪問なども行われます。

ファンドのパフォーマンス評価

ボトムアップアプローチは、バリュー投資とグロース投資に分かれま す。バリュー投資は、株価の水準が予想した株価水準(本源的価値)と比べて割安であれば購入するという手法です。より割安感の高い銘柄が魅力 的な銘柄といえます。一方、グロース投資は、企業の将来の成長性に投資する手法です。より成長力が高い銘柄がより魅力的ということになります。

バリュー投資は大型銘柄を投資対象にする傾向があり、グロース投資は中小銘柄を投資対象にする傾向があります。

この記事は、「投資信託エキスパートハンドブック」のリメイク版の一部です。

資産運用の分類(その1)

運用手法と成果測定を対(つい)にして覚える

ファンドの運用手法は、アクティブ運用とパッシブ運用、そして、そ の中間に位置するエンハンストインデックス運用の3つに大別され ます。アクティブ運用はシャープレシオや情報レシオで、パッシブ運 用はトラッキングエラーでその運用の成果(パフォーマンス)を測り ます。

アクティブ運用、パッシブ運用、エンハンストインデックス運用

資産運用の手法を分類すると、最初に、アクティブ運用とパッシブ(イ ンデックス)運用に分類されます。アクティブ運用とは、その運用がベン チマーク(基準とする市場インデックスなど)を上回ることを目指す運用 です。もう一つが、パッシブ運用です。こちらは、ベンチマークと連動した運用 を追求する手法です。

細かくいうと、アクティブ運用とパッシブ運用の間にエンハンストイン デックス運用があります。原則として、パッシブ運用だけれど少しだけア クティブ運用が許された運用ということができるでしょう。

ファンドのパフォーマンス評価

アクティブ運用のファンドのパフォーマンスを評価するときには、 シャープレシオ(2.7)や情報レシオ(2.8)が役に立ちます。 パッシブ運用の場合の運用の尺度は、トラッキングエラー(2.8)になりま す。トラッキングエラーは、ファンドの値動きとベンチマークの値動きの ギャップを示す指標です。トラッキングエラーが低いほどパッシブ運用の 評価は高まります。

この記事は、「投資信託エキスパートハンドブック」のリメイク版の一部です。