ファンドの比較~その3

“リスクのあるもの”とは、“価格の値動きのあるもの”のことを言いま す。リスクがあるから、値上がりしたときは値上がり幅が大きいのです。 もし、価格の値動き(リスク)がないのであれば、値上がり幅はそれほど大きくならないというのがファイナンスの原則です。『フリーランチ(ただ飯)はありえない』のです。

別の言い方をすれば、『リスクとリターンはワンセット』と覚えておく とよいでしょう。ワンセットであれば、「一つのものとしてみてみたい」 という要望が出てきます。そして、それに応えるものが、シャープレシオ です。シャープレシオの計算は式1.4 のとおりです。

表1.6 のファンドのシャープレシオを計算すると、表1.7 のようになり ます。

表1.7 ファンドの順位をつける

  シャープレシオ 順位
eMAXISバランス(8資産均等型) 0.45 4
セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド 0.34 7
三井住友・DC年金バランス50(標準型) 0.50 3
グローバル財産3分法ファンド(毎月決算型) 0.36 6
野村世界6資産分散投信(分配コース) 0.41 5
SBI資産設計オープン(資産成長型) 0.51 2
トレンド・アロケーション・オープン 0.24 8
しんきん3資産ファンド(毎月決算型) 0.64 1

なお、表1.7 のシャープレシオの計算においては、リスクフリー・レー トをゼロとして計算しています。

ファンドの比較~その2

代表的なバランス型ファンドとこのファンドを比較したものが、表1.6 になります。

表1.6 ほかのファンドとの比較

  平均リターン 予想リスク
eMAXISバランス(8資産均等型) 4.1% 9.1%
セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド 3.6% 10.5%
三井住友・DC年金バランス50(標準型) 4.0% 7.9%
グローバル財産3分法ファンド(毎月決算型) 4.3% 11.8%
野村世界6資産分散投信(分配コース) 2.7% 6.7%
SBI資産設計オープン(資産成長型) 4.5% 8.7%
トレンド・アロケーション・オープン 1.4% 5.8%
しんきん3資産ファンド(毎月決算型) 5.0% 7.7%

ほかのファンドと比べてみると、ファンドの運用成績が良いのか悪いのかわかりますね。ところで、私たちは、「運用成績が良い」とか、「運用成績が悪い」とか言いますが、何を基準に話をしているのでしょうか。

『騰落率がマイナスになることなく、右肩上がりに資産が増えていき、 そして、その資産の増え方ができるだけ大きい』というのが良いファンドだとすれば、そのようなファンドは存在しません。