3月第4週の市況

2023/3/20    月

米国市場では金融株を中心に大きく値を下げる。SVBは11条での破産を免れるためにSVBが裁判所監督下の再編成を申し出た。各種銀行指数は5%前後の下落になっている。配当の支払いを中止したFirst Republic Bankは32.8%の値下がり。同業のPacWest Bancorpも19%、Western Allianceも15.1%値を下げる。今期の見通しを上方修正したFedExは8%株高。欧州市場でも、金融関係株の下落により市場全体も大きく下落。SVBが影響して金融株が下落。クレディスイスは、前日リバウンドしたが、また、10%近く値を下げた。ユーロ圏のインフレは緩和されたが、依然としてサービス価格の上昇につながっている

2023/3/21    火

米国市場では、UBSの買収が公表されて銀行セクターは値上がり。すべてのセクターが上昇し、ボラティリティを示すVIX指数は下落。First Republic Bankは先週の300億ドルの資本注入にもかかわらず、さらに資金が必要がみなされ、株価は47.1%下落。9,000人の追加の人員削減を公表したAmazonは1.3%株安。欧州市場では、UBSが政府支援を受けてクレディスイスを買収する取引が決まったことを受けて銀行セクターがリバウンドし、市場全体でもリバウンド。UBSの買収額が30億スイスフランであることが公表されると、クレディスイス株は55.7%下落。米ドル安と中国での需要が回復しつつあることから銅価格が上昇し、鉱業セクターは2.8%上昇

2023/3/22    水

米国市場では、銀行部門で流動性の危機についての不安が緩和されたこと、市場関係者の関心が水曜日から開催されるFedの政策会合に移ったことから市場は上昇。金利は0.25%の引き上げがコンセンサスになっている。エネルギー、一般消費財、金融などのセクターがけん引する形で主要3指数はいずれも上昇。First Republic Bankが30%弱株価が戻ったほか、PacWest BancorpやWestern Alliance Bancorpも15%株価が戻った。欧州市場では、焦点となっているクレディスイスやUBSの株価が大きく上昇し、銀行セクターのリバウンドがけん引する形で、市場全体もほぼ1%の値上がりとなった。金融株のウェイトの高いスペインやイタリアの市場では2.5%市場が上昇。ただし、当局はAT1債券は、クレディスイスの債券がほぼゼロになることから市場の停止を図った

2023/3/23    木

米国では、Fedが予想とおりに0.25%の利上げを行ったが、パウエルFRB議長はさらなる利上げを示唆し、株式市場は大きく下落。セクター別では不動産が最も大きく値を下げる。First Republic Bankは資産の切り下げか、政府の支援が必要になると見られ、株価は15.5%下落した。投資会社から14億ドルを調達したPacific Western Bankは17.1%の株安。欧州市場では米国の金利動向を注視しながら市場は幾分上昇。ECBは現下の銀行部門の混乱を注視しているが、銀行部門全体に拡大するような混乱にはならないとみていることをコメント。金利感応度の高い不動産セクターは下落。不動産株のAroundtownは配当を停止すると報じられ株価は10%下落

2023/3/24    金

米国ではイエレン財務長官が国内の金融の安全のために手段を講じることを強調し、株式市場は上昇。2年物のイールドは18ベーシスポイント下落。First Republic Bankが6%値を下げるなど銀行株は続落。SECが訴追する姿勢を見せている暗号資産のCoinbase Globalは14.1%下落。欧州では、イングランド銀行が0.25%、スイス国立銀行が0.5%利上げを行い銀行株が2.4%下落し市場全体を引き下げた。英ポンドは対ドルで値を上げ、輸出株中心の英国のFTSEは0.9%値を下げた。フランスの製薬会社サノフェは、Regeneronと共同で開発していた喫煙者の肺がんの治療薬が良い結果を得られたことを公表し、サノフェの株価は5.5%上昇

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3月第3週の市況

2023/3/13    月

米国市場では株式指数が1%以上下落する市場となった。カリフォルニアの当局は、資金調達に失敗したSVBファイナンシャルの預金を保護すると公表した。SP500の金融指数は1.8%の下落となった。最も値下がりしたのは不動産セクターで3.3%の値下がりとなった。欧州市場でも、米国の銀行の問題が波及し、株式指数は7週間来の低値になった。HSBC,ドイッチェバンク、バークレイズ、ウニクレディ、コメルツバンクなどは2.6%~7.4%の株価下落となった。 ASML Holdingは、オランダ政府の半導体輸出の中国に対する新たな規制が不確定で、同株は1.3%下落

2023/3/14    火

米国市場では、シリコンバレーバンクとシグネチャーバンクの倒産に伴い、米政府とFRBがすべての預金を保護すると公表した。2年物イールドが下落しNASDAQは値を上げたが、ダウとSP500は値下がり。銀行株は余波を受けて大きく値下がり。一方で、イールドの下落を受けてマイクロソフトが2%、アップルも1%以上の株高となった。欧州市場でも、米国市場の銀行の倒産の余波を受けて、クレディスイスが9.6%、ソシエテジェネラルが6.2%下落するなど大きく値を下げ、銀行指数は5.7%下落。市場全体としても2%以上の下落。また、原油価格の低迷でBP、Shell、TotalEnergiesが4~5%値を下げる

2023/3/15    水

米国市場では来週のFedの政策会合での利上げ予想が低下したことから主要株価指数は大きく値上がり。バイデン大統領がコメントを発表したことが、銀行部門の不安を払拭。また、消費者物価指数の上昇は緩和されおおむね市場の予想とおりであった。すべてのセクターで株価は上昇した。Metaは1万人の人員削減を公表し株価は7.3%上昇した。欧州市場も米当局が破綻した銀行の預金を保証する方針を出したことで銀行セクターがリバウンド。産業株では、ロールスロイスやBAEシステムズがオーストラリアの原子力潜水艦に関して株価が上昇。ドイツのラインメタル、イタリアのレオナルド、スウェーデンのSAABなどの防衛関連株が上昇

2023/3/16    木

米国市場では、SVBやシグネチャー銀行に加えて欧州のクレディースイスが値を下げたことから、ダウは値を下げることになった。一方、小売販売は0.4%の下落とほぼ予想とおりとなり、企業物価指数は予想外に値下がり。イールドが下落したことからNASDAQは値上がり。欧州市場では、クレディスイスが24.2%値を下げ、史上最安値を更新したことにより銀行セクターが7%以上下げ、市場全体も大きく値を下げた。市場別では、銀行のウェイトが大きいスペインやイタリアでは4%以上下落した。ECBも次回の利上げで0.5%ではなく0.25%の値上がりにとどまるとの見方が強くなった。原油価格が値を下げたことから、BP、Shellなどは8%以上値下がり。投資コストがかさんだことからInditexが4.6%値を下げ、売り上げの伸びが予想以下となったH&Mも8.5%値を下げ、小売り全体も4%上値を下げた

2023/3/17    金

米国市場では、SVBやシグネチャーバンクの余波を受けて株価が下落していたFirst Republic Bankについて、複数の大手銀行が300億ドルを上限に支援に入る意向を示し銀行株は株価上昇。JPモルガンやモルガンスタンレーは2.0%近く株価上昇。主要3株価指数はいずれも値を上げた。また、テクノロジー株も強い。米当局がTikTokに対する規制をする意向であることから、MetaやSnapが3%以上株高に。欧州市場では、クレディスイスに対するスイス国立銀行からの支援が、混乱を緩和し市場は回復した。クレディスイスも20%弱株価が回復。ECBは6期連続の利上げとなる0.5%の利上げを実施。テクノロジー株は米国市場にけん引される形で2.9%の上昇。鉱業株のGlencoreはロシアから160億ドルのアルミニウムを購入する取引を更新しないと公表し、同株は3%近く上昇

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