公的・私的保障を分解する

介護のことを考えるときには、公的な保障と(自分で準備する)私的な保障の双方を考える必要があります。

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入院中の入院費に対する公的な保障は健康保険です。高額療養費や給与の補てんとしての傷病手当金などが考えられます。

完治までに1年6か月以上になると公的年金の障害年金が考えられます。40歳以上の人で特定疾病に該当すると介護保険の対象です。それ以外のケースでも身体がい害者手帳の交付を受けることになれば、障がい者総合支援法の対象になります。

私的な部分では、企業の独自給付である企業年金に給付があることが考えられます。そして、民間の生命保険です。介護保険のみならず、がん保険、3大疾病保障保険、傷害保険などが考えられます。

要介護になると収支はどう変わる

要介護状態になると、家計の収支に大きな影響を及ぼします。特に、壮年期に要介護状態になると、ケースによって受けることができる公的保障に差異があるのが現状です。

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収入の面で考えると、給与所得が低下するでしょう。休職や退職により給与所得は低下することが一般的です。基礎年金や厚生年金保険といった公的年金から給付を受けることができます。国民年金法に定める障害の等級が、1級または2級の場合は障害基礎年金と障害厚生年金が、3級の場合は障害厚生年金の支給対象となります。

支出の面で考えると、入院費や住宅改修費、さらに、本人や親族の交通費も増加することになります。こういった金銭面の不足を補てんするのが、民間の介護保険の役割です。