9月第5週の市況

2016/9/26    月

サウジアラビアが来週の会合は生産調整の話ではないとコメントし原油価格が下落。米国市場ではウォールストリートジャーナルに使用時間の水増し公表が報じられたFBとドイツのGfkにiPhone7の販売が不振であるアップルが下落。市場全体も軟化。欧州市場ではドイチェバンク、サンタンデールなどが大きく値下がり

2016/9/27    火

ドイチェバンクに対してドイツメルケル首相は政府の支援を否定。同行は新株発行が必要とみられ株価は史上最安値に下落。欧米市場で銀行株が大きく軟化。サウジはOPECでの原油の減産に言及し、原油価格が上昇。債券のイールドが低下し、日本円が上昇

2016/9/28    水

米国市場ではカンファレンスボード指数が2007年以降最高になり、テクノロジーや小売関連に上昇。イランが原油の増産意向を表明し原油価格は下落。米ドルも下落して国債が値を上げた。欧州では、ドイチェバンクの制裁金が安くなるかもという期待があり同株は横ばい、市場全体としても横ばい

2016/9/29    木

OPECが8年ぶりに減産に合意し、指標であるWTI5.3%上昇。資源価格も上昇。欧州市場ではドイチェバンクのCEOが新規資金の必要性を否定しリバウンド、RBSもモーゲージ関連の補償費用が確定し上昇。米国ではエクソンやシェブロンなど原油関連が上昇し、カナダドル、ブラジルレアルなどの資源通貨も上昇

2016/9/30    金

OPECが減産に踏み切ったことで原油価格が47ドル以上に上昇。欧州市場ではエネルギー関連が上昇したが、コメルツ銀行は配当の支払いを凍結し軟化。市場全体では横ばい。米国市場上場のドイチェバンクは市場最安値まで下落。JPモルガン、ウェルズファーゴなども下落。米ドルと米国債が値を上げた

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月間騰落率

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だれがカモになっているのだろう?

だれでも『投資するなら損はしたくない』と思う

だから、株式であれば安心感のある大型株、債券であれば信用力が高い国債に投資していると比較的安心。これもそのとおりだろう

でも、そういった大型株や国債は(単価が)“高い”

限られた資金で購入するのであれば、あまりたくさん購入することはできない

それゆえ、限られた資金を殖やそうと思うのであれば、単価がもっと安い株式や債券に投資する方が効率的である

単価が安い株式は大型株よりリスクの高い小型株、単価が安い債券は国債よりリスクの高い社債ということになる

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わたしたちは『投資するならリスクを抑えたい』と思う

そこで、『リスクは低いけど、高いリターンが望める』という投資先を提案する人が表れる

残念ながらFPにもそういう人がいる

『一般的には表になっていないけど・・・』、『海外で資産運用すると・・・』といった具合に勧められる

でも、そういった投資先はない

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“リスクが低く”見えるのは、“そのリスクを見抜けていない”からである

リスクが見抜けないことと、リスクが低いことは、全く違う

典型的な間違いは、『この投資では、毎年、確実に10%以上の配当があります』というようなコメントである

過去10年間、10%以上の配当があったとしても、ある時、元本と将来の配当が全くゼロになってしまう可能性がないとは言えない

私たちは、前者を過去の実績といい、後者をリスクをいう

金融商品のレポートにも表示されているが、“過去の実績は、将来の運用を示唆し、保証するものではない”のである

過去の実績を説明できる人はたくさんいるが、リスクを説明できる人は少ない

だから、資産運用のリスクを見に見えるようにしてあげることが、FPとしてのアドバイスであろうと思う。実はこんなにリスクを採って、こんなに手数料が取られていますよといいたくなるケースはたくさんある。投資家が確実にもうかると思っているケースは、金融機関が確実にもうかるケースであることが少なくない

“ポーカーを30分以上やって、だれがカモになっているのかわからなければ、あなたがカモになっている”そうである

FPとしての務めは、だれがカモになっているのかを明らかにすることだろう

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