2016年5月の市況

5月は米国を中心にした動きになりました。月初のISM製造業指数が良かったこと、雇用統計も安定していたことなどから、Fed(米国連邦準備制度理事会)が6月にも利上げするとの観測が高くなりました。月中には消費者物価指数がここ4年で最高の上昇になったことから利上げの可能性はより高いと市場は判断しています。

米国以外の中央銀行の動きでは、月初にオーストラリア中銀が予想外に利下げ、月末にカナダは金利を据え置きました。

欧州市場では、不良債権関連でイタリアやスペインの銀行株が値を下げ、順調に対話が進んでいたギリシャ関連も、月末に不安材料が出てきました。

原油市場は、OPECでの生産調整はたびたび失敗していますが、米国での需給関連がけん引して、原油価格は右肩上がりで回復しています。

円ドル為替は4月に大きく円高になりましたが、5月は大幅な円安に触れました。

このような市場環境の下、米国株式と米国REITが堅調で、米ドルは高値で推移し、商品も堅調でした。金利引き上げの可能性から米国債の2年ものイールドが上昇し、イールドカーブはフラット化しました。

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5月第4週の市況

2016/5/23 月 米国市場ではApplied Materialやインテルなどのテクノロジー株が堅調。イールド上昇で銀行株もよい。欧州市場ではイタリアのUnit Creditが資産売却が取りざたされ株価上昇。日銀の追加緩和なく円が弱く、ドルが強い

2016/5/24 火 米国市場は材料に乏しく方向性のない市場。台湾のメディアがアップルが新型iPhoneについて台湾メーカーに打診したと報じられアップル株が上昇。Bayerはモンサントに620億ドルの現金による買収を提案し、モンサントは大幅高、Bayerは大幅安

2016/5/25 水 Fedの議事録が公開され6月の利上げの可能性が予想よりも高いと判断され、欧米市場で銀行株を中心に値上がり。米ドル、ユーロ残留の可能性が高くなったポンドも高く、金が軟化。米国市場では新規住宅着工も予想以上に上昇しここ2か月で最大の上昇

2016/5/26 木 米国の原油の生産と供給が予想外に低下し、原油価格は欧米市場で値上がり。欧米市場でエネルギー関連株が堅調。カナダは中央銀行が金利を据え置きカナダドル上昇。米国ではバンクオブメリカ、欧州ではドイチェバンクなどの主要行が大きく値上がり。欧州ではギリシャ支援の調整が順調なことも好要因

2016/5/27 金 数日来市場をけん引してきた石油と銀行株が軟化。米国ではイールド低下により公益株などの高配当株に資金がシフト。欧州ではスペインのBanco Popularが新株を発行し、イタリア、スペインの銀行株が軟化。銅の価格は上昇し、欧州では原油関連が値を下げ、鉱業株は値を上げた

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週間の株式市場騰落率 【2016/5/20-2016/5/27】
株式市場 日本 米国 中国 ドイツ
0.5% 2.4% ▲0.2% 2.9%
※ 外国市場については騰落率+為替騰落率
週間の為替市場騰落率 【2016/5/20-2016/5/27】
為替市場 ドル-ユーロ 円-ドル 円-元 円-ユーロ
▲1.0% 0.1% ▲0.0% ▲0.9%
※ 円-ドル為替は円安になるとプラスと表示
債券市場 日本 海外
0.1% ▲0.4%
※ 海外は日本を除く、円ベース
【ご注意】
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