投資した後の管理・点検

投資した後の管理・点検

月次レポートをもとに「かい離」を調べる

投資したファンドの点検はリバランスの際に実施するとよいでしょう。月次レポートや運用報告書で情報を収集して価格の変動の要因を分析します。ファンドの運用に納得がいかないときは、その原因も追究しましょう。自分の投資スタイルとファンドの運用方針が合わないのであれば、そのファンドへの投資を再考したほうがよいということになります。

ファンドの点検の手順

投資したファンドの点検は、リバランスの際に実施するとよいでしょう。具体的には次の手順で点検できます。

  1. 基準価額の変動(騰落率)を確認する
  2. 月次レポートなどで基準価額の変動の理由を確認する
  3. 運用会社の説明に納得がいかなければ投資するファンドの変更を考える

月次レポートなどを参考にすれば、騰落率のデータは掲載されているでしょう。プラスであった、マイナスであったということも大切ですが、ベンチマークが定められているのであれば、ベンチマークと比較し、あるいは、よく似た特徴を持った他のファンドがあれば、そのファンドと比較することも参考になります。

基準価額の変動の理由を開示してくれているファンドもあります。例えば、ドイチェ・アセット・マネジメントの「DWS グローバル公益債券ファンド(毎月分配型)」では、毎月公表されているレポートの中で、ファンドの基準価額がどのような理由(要因)で変動したのか、実績値を公表しています。債券の価格変動によって基準価額が変動したのか、為替の影響によって変動したのか、あるいは、その他の要因によって変動したのか、簡単に理解できるようになっています。

イメージと実際のかい離を追求しよう

イメージしていた運用と、ファンドの実際の運用にかい離がないか確認しましょう。かい離があった場合、その理由もわかるようになると、善後策を考えるときに役立ちます。

  1. イメージしていたものと異なる運用を行うファンドであった(自分が間違えて理解していた)
  2. イメージされる運用成果を達成できないファンドであった(ファンドの運用能力不足)
  3. 運用成果は満足できるが情報が開示されていない(情報開示不足)

などと原因を分類してみると、次の一手を考えるときの重要な手掛かりを見つけることができるかもしれません。

この記事は、「投資信託エキスパートハンドブック」のリメイク版の一部です。

直販ファンドの主張は半分だけ聞いておく

どんなファンドでもパフォーマンスで評価する

有名なFP・経済評論家の主張を参考にするとき、注意が2つ必要です。一つは、書いた記事を参考にするのであれば、内容が時期的に陳腐化している可能性があること。もう一つは、スポンサーの存在により話が歪められている可能性があることです。

直販ファンドのセミナーは営業の場

直販ファンドとは、さわかみ投信、セゾン投信、鎌倉投信などが設定する投資信託(ファンド)をいいます。これらの運用会社は、直接、投資家にファンドを販売するスタイルをとっていることから、直販ファンドと呼ばれています。

直販ファンドの特徴は、大手金融機関で勤務していた人が自分の思いを抱いて、ファンドを設立する場合が多いということです。「大手金融機関では、手数料獲得のために自分の意図するものと異なるファンドを取り扱っていたが、もっと投資家の視点に立ったファンドがあったほうがよい」というのが創業者の思いのようです。

当然、投資家の視点に立ったファンドと主張すれば投資家には歓迎されます。ところが、直販ファンドにとって投資セミナーは重要な営業戦略になっています。直販ファンドのセミナーは自分たちの思いを伝える場であるとともに営業の場になっていることを理解しておきましょう。

この続きはこちらへ(無料です)

ライフプランニングに役立つ資産運用の考え方(リメイク中)

大きなイベントが発生した時、ファンドの真価が問われる

有名なFP・経済評論家の主張は半分だけ聞いておく