女性活躍応援ファンド(愛称:椿)の分析

のレポートを11月3日に配信しました。今月のレポートには、ピックアップファンドとして、「女性活躍応援ファンド(愛称:椿)」を掲載させていただきました。レポートに書かせていただいたことにプラスアルファして紹介しておきます。

ファンドの特徴

このファンドは、日本株式を主要な投資対象としに投資するタイプのアクティブ運用ファンドです。テーマ型ファンドになっており、女性の活躍が期待できる企業や女性関連の商品・サービスを提供する企業に投資することを投資方針にしています。ファンドは、ファミリーファンド方式で運用されていますが、直近の決算における純資産額は、このファンドの純資産額とマザーファンドの純資産額に大きな差異はありませんので、ほぼこのファンドが単独で運用されていると考えてよいでしょう。

分配金については設定来1万口当たり2600円の分配金を支払っています。基準価額の水準を勘案して分配金を支払うと定めがありますから、運用が好調な時には分配金が支払われると考えるとよいでしょう。

このファンドは、「R&Iファンド大賞」において2年連続、優秀ファンド賞(国内株式部門)最優秀ファンド賞(国内ESG部門)を受賞したファンドです。販売会社も多岐にわたっており、SMBC日興証券、伊予銀行、信用金庫、GMOクリック証券などが販売会社に名前を連ねています。

購入時手数料の上限は2.2%です。購入時手数料の上限は高い設定です。信託財産留保額はありません。信託報酬は1.595%ですから、アクティブ運用の株式ファンドとしては少し高めの費用設定になっています。

このファンドに対するコメント

運用スタイルについて「ボトムアップアプローチ」を標榜していますので、ポートフォリオは銘柄選択の結果と考えるのがよいでしょう。日本株式に投資するファンドですので、ほぼ100%日本株式に投資しています。コーセー、ZOZO、ビジョン、花王などが主要投資対象になっています。総じて、中小型株・グロースに分類される銘柄に投資する傾向があるようです。

ファンドにベンチマークは設定されていませんが、月次レポートでTOPIXを参考指数として挙げていますので、実質的にはTOPIXと比較するとよいでしょう。設定来のパフォーマンスをシャープレシオと情報レシオで測ると、シャープレシオは0.65対TOPIXの情報レシオは0.89といずれも素晴らしい数値になっています。アクティブ運用ファンドとして、そして、ESG投資ファンドとして評価を受ける理由が理解できます。ただし、中小型銘柄が中心ですので、リスク(値動きの幅)はTOPIXより大きくなっています。

ファンドの予想されるリスク

月次レポート等でポートフォリオを確認すると、小型株の割合が6割弱に達しており、業種別でみると、サービス業、情報・通信業で約7割を占めています。

目論見書等に記載のある運用方針と資産運用の結果なのですが、このポートフォリオの運用成績が良かったのは市場環境が良かったことも一因だと思われます。

株式市場の運用環境が思わしくなくなったときに、市場よりも大きく値を下げる可能性があることがこのファンドのリスクのように思われます。

そういったリスクを認識して投資できている人はどの程度なのでしょう

保険会社の規模??

Q 実家に戻ったのですが、実家の火災保険に加入しようと思っているのですが、ちょっと保険料高いので迷っています

A じゃあ、保険の設計書をもってきてもらえばちょっと見ますよ

Q 実は、今、持っています。見てもらえますか?

ほけんの窓口で、東京海上日動と損保ジャパン日本興和の見積もりをもらったのです。

A ほけんの窓口人は何かアドバイスくれなかったのですか?

Q ほけんの窓口の人は、『そりゃ、大きいほうがいいですよ。だから、東京海上』っていうのです

A 保険料を安くしたいのであれば、共済も見てみたらどうですか。こくみん共済とか神奈川県民共済

Q ほけんの窓口の人は、『共済はかけている人が同じ地域に住んでいるから、今回のような洪水などがあったときは支払えないっていうんです。だから、大きな会社がいい』って言っています

A それはちょっと言いすぎだなぁ。そもそも、こくみん共済だったら、全国規模でしょ

Q 3.11、東日本大震災のような津波になったらどうなるのですか?

A 洪水と津波はちょっと扱いが違うよ。東日本大震災の時は、地震による津波でしょ。地震による津波は、地震保険に加入していないと一切保険金は受け取れない

Q じゃあ、やっぱり大手がいいのですか?

A そうでもない。日本の地震の補償は保険会社が引き受けられる規模じゃない。保険には再保険(保険会社の保険のこと)があるけど、世界中の保険会社も日本の地震保険の再保険は引き受けない。結局、地震保険の大半は最終的には日本政府が引き受けることになっている。(参考:日本損害保険協会資料)だから、地震保険については保険会社は窓口のようなもの。まして、保険会社の規模が大きい、小さいは関係ない。

【ふりかえり】

お話しした後、相談者とこくみん共済のウェブサイトで、見積書の内容と同じ内容の試算をしてみました。ほぼ同じ補償内容でしたが、保険料が安くなっていたようです。

損害保険会社の見積もりとこくみん共済の内容が同じものなのかは、もう少しチェックも必要ですし、こくみん共済が地震保険に関する法律第2条に定める保険会社等に該当するのかもチェックが必要ですが、保険の比較をするときに、保険会社の規模だけで論ずるのはちょっと時代遅れのような気がしますね。