だれでも『投資するなら損はしたくない』と思う
だから、株式であれば安心感のある大型株、債券であれば信用力が高い国債に投資していると比較的安心。これもそのとおりだろう
でも、そういった大型株や国債は(単価が)“高い”
限られた資金で購入するのであれば、あまりたくさん購入することはできない
それゆえ、限られた資金を殖やそうと思うのであれば、単価がもっと安い株式や債券に投資する方が効率的である
単価が安い株式は大型株よりリスクの高い小型株、単価が安い債券は国債よりリスクの高い社債ということになる
わたしたちは『投資するならリスクを抑えたい』と思う
そこで、『リスクは低いけど、高いリターンが望める』という投資先を提案する人が表れる
残念ながらFPにもそういう人がいる
『一般的には表になっていないけど・・・』、『海外で資産運用すると・・・』といった具合に勧められる
でも、そういった投資先はない
“リスクが低く”見えるのは、“そのリスクを見抜けていない”からである
リスクが見抜けないことと、リスクが低いことは、全く違う
典型的な間違いは、『この投資では、毎年、確実に10%以上の配当があります』というようなコメントである
過去10年間、10%以上の配当があったとしても、ある時、元本と将来の配当が全くゼロになってしまう可能性がないとは言えない
私たちは、前者を過去の実績といい、後者をリスクをいう
金融商品のレポートにも表示されているが、“過去の実績は、将来の運用を示唆し、保証するものではない”のである
過去の実績を説明できる人はたくさんいるが、リスクを説明できる人は少ない
だから、資産運用のリスクを見に見えるようにしてあげることが、FPとしてのアドバイスであろうと思う。実はこんなにリスクを採って、こんなに手数料が取られていますよといいたくなるケースはたくさんある。投資家が確実にもうかると思っているケースは、金融機関が確実にもうかるケースであることが少なくない
“ポーカーを30分以上やって、だれがカモになっているのかわからなければ、あなたがカモになっている”そうである
FPとしての務めは、だれがカモになっているのかを明らかにすることだろう