今月のピックアップファンド(Yjamプラス!)

今月のピックアップファンド(Yjamプラス!)

このファンドの特徴

このファンドは、国内外の株式を主要な投資対象としに投資するタイプのアクティブ運用ファンドです。運用会社はアストマックス投信投資顧問です。この会社の株式の過半はヤフー株式会社が保有しています。運用において、特徴的なのは、AIを活用してビッグデータを解析して、株価を予測して投資をするという手法を採っているところです。コアとなるAIを使った株価分析はYahooの子会社であるマグネマックス・キャピタル・マネジメント社に委託しています。国内外の株式に投資するとありますが、第5期末の運用報告書を見ても海外の株式に投資していません。実質的に、国内株式に投資するファンドです。分配金については設定来支払われていません。分配方針は、「毎決算期に収益の分配を行なう方針」とありますから、少し目論見書に記載している内容とずれています。

ファンドは2016年12月に設定されたばかりのファンドです。したがって、モーニングスター社の評価もまだありませんし、ファンドが表彰を受けたという実績もないようです。

購入時手数料の上限は3.3%です。購入時手数料の上限は高い設定です。信託財産留保額はありません。信託報酬はは1.012%ですから、アクティブ運用の株式ファンドとしては平均的な費用設定になっています。

このファンドに対するコメント

外貨建て資産に投資した場合には為替ヘッジすると目論見書にありますから、原則として、日本の株式に投資するファンドと考えておけばよいでしょう。目論見書等には、AI、ビッグデータ、モテ期予測などの言葉が並んでいますが、2019年10月末の上位保有銘柄は、HONDA、トヨタ、ファーストリテイリング、エーザイ、第一生命となっており、なんとなく、単なる大型株ファンドのイメージを受けます。

設定期以来のパフォーマンスを見ても、確かに、TOPIXを上回る運用成績になっているのですが、東京海上・ジャパン・オーナーズ株式オープン(毎月値動きを追っているファンドです)と比較すると、明らかに運用成績は下回っています。

AIを用いた解析モデルが予測能力があるのかどうかを含めて、あと数年、運用履歴を検証する必要があるのかもしれません。

 

ファンドの比較~その1

資産運用を行う

ファンドの比較

私たちは、最初に、「eMAXIS バランス(8 資産均等型)」を使って試 算をしたわけですが、「ほかのファンドであったらどうなっていたのだろ う?」と考えるのは普通の考えです。そこで、いくつかのファンドを比較 してみたいと思います。比較するファンドは、次の7 つのファンドです。

セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド

三井住友・DC年金バランス50(標準型)

グローバル財産3分法ファンド(毎月決算型)

野村世界6 資産分散投信(分配コース)

SBI 資産設計オープン(資産成長型)

トレンド・アロケーション・オープン

しんきん3資産ファンド(毎月決算型)

これらのファンドには類似点があります。それは、どのファンドも、バランス型ファンドであるということ。日本の株式、外国の債券などの分類でひとまとめにして特徴がある“くくり”を資産(アセット)クラスといいます。複数の資産クラスに投資していることがバランス型ファンドの定義です。eMAXIS を含めた8 つのファンドは、いずれも、2 つ以上の資産クラスに同時に投資するバランス型ファンドであることが、共通の特徴 です。