リスクを可視化する~その1

資産運用を行う

資産運用で考えたいこと<つづき>

図1.24は、筆者が作成しているレポートの一部です。これまでの説明 を踏まえていただければ、どのような意図をもって情報が掲載されている のか理解していただけると思います。大切なことは、自分で選ぶというこ とです。

図1.24 レポートにまとめられた情報

リスクを可視化する

リターンについては説明してきましたが、リスクについては説明してき ていません。資産が減るのかもしれないのであれば、リスクについても分 析をしておきたいところです。

実は、リスクについては確たる表示方法がありません。通常、リスクを表す指標は、リターンの標準偏差なのですが、専門家でもないのに標準偏差などという言葉はわかりません。

最高と最低の騰落率を表示する方法

最近代替的に使われる方法が、一 定の期間の最高の騰落率(リターン)と最低の騰落率を併せて表示する方法です。そうすると、「1 か月以内の変動(リスク)はこの程度ですよ」と表示することができます。図1.25 は、前述の8つのバランス型ファンド のこの方法を使ったリスクの表示です。

図1.25 最高と最低の騰落率を表示する方法

資産運用で考えたいこと~その2

資産運用を行う

資産運用で考えたいこと<つづき>

ファンドを選ぶときに参考になるのが、各種レポートです。ファンド には、

  1. 目論見書
  2. 運用報告書
  3. 月次レポート

の3 つが用意されていることが普通です。そして、「1. 目論見書」と「2. 運用報告書」は法律で決められたレポートです。目論見書には、その名前のとおり、そのファンドのもくろみ(どういうものに投資して、どのよう に資産を増やしていこうと思っているか)が書いてあります運用報告書は、少なくとも1年ごとに、ファンドの運用の成果を投資家に報告するものです。どちらも、読みこなすにはかなり労力が必要になります。

その点、おすすめなのが「3. 月次レポート」です。これは法律で求められている文書ではありません。ファンドの運用について1 か月ごとに投資家にお知らせするものです。比較的、わかりやすく書かれているので参考になるでしょう。