ファンドの比較~その5

資産運用を行う

分散投資を理論的に裏付けるには、「相関」という考え方が必要です。 相関とは、2つの資産クラスがどの程度同じように値動きするのかを表す 概念です。概念ですから、そのままではよくわかりません。そこで、私たちは、「相関係数」という指標を用います。相関係数は、1 から-1 までの 値をとります。「1」は全く同じ値動きをすることを意味し、「-1」は全く 逆の値動きをすることを意味します。実際の市場では、「0」より小さい値になっているととても分散投資の効 果があり、「0.5」付近の値でも分散投資の効果がある程度期待できると考 えられます。そういう目で、図1.21 を見ると、日本債券とリート(不動産投資信託)の資産クラスが魅力的に映るでしょう。

図1.21 資産クラスの相関

しんきん3資産ファンド(毎月決算型)とeMAXIS バランス(8資産 均等型)のポートフォリオ(図1.20)に、リートや債券の部分が含まれて いるのは分散投資の効果を期待しているからなのです。

ファンドの比較~その4

資産運用を行う

ファンドの比較(つづき)

シャープレシオで測ったときに、もっとも、運用成績が良いのは、「しんきん3資産ファンド(毎月決算型)」のようです。このファンドは、し んきんアセットマネジメント投信株式会社が運用するファンドです。会社は、「信用金庫業界の運用会社」を標榜しており、このファンドも、全国の信用金庫で購入できるファンドになっています。

バランス型ファンドを、複数の資産クラスに投資しているファンドと説明しましたが、その中身を見ておきましょう。どのような割合で資産クラスがファンドに保有されているかを表す言葉として、『ポートフォリオ』 という言葉があります。

図1.20 ポートフォリオの比較

図1.20 は、しんきん3資産ファンド(毎月決算型)とeMAXIS バランス(8資産均等型)のポートフォリオを比較したものです。

ポートフォリオの背景にある概念は分散投資です。複数の資産クラスに投資することによって、一つの資産クラスの運用が芳しくなくても、ほかの資産クラスの運用が補ってくれる。結果として、価格が変動する波を抑えることができる。そう考えるのが分散投資の考え方です。