10月第3週の市況

2025/10/13    月 

米国のトランプ大統領が再び対中国の関税引き上げを持ち出したことを懸念して、欧米市場で株式市場は大きく値を下げた。米国では主要3指数はいずれも大きく値を下げ、特に、NASDAQは3.56%と大きく値下がり。フィラデルフィア半導体指数は6.3%値下がり。また、市場のリスクを表すボラティリティ指数も6月以来の高水準に上昇した。米国上場の中国株であるAlibaba Group Holding、JD.com Inc、PDD Holdingsは5.3%ないし8.5%下落。Qualcommは、中国当局がイスラエルのAutotalksを買収した件で査察に入ると公表し、株価は7.3%下落した。欧州市場もトランプ大統領の発言に対して反応し値を下げた。そのほか、原油やドルも値下がり。イールドも下落。BPやShellといった石油メジャーも3%近く株価下落

2025/10/14    火 

米国では別撰と財務長官がFOXニュースとのインタビューで、トランプ大統領が予定通り韓国で習近平主席と会合するとコメントし、市場は好感。BroadcomはOpenAI向けの半導体の製造を開始したことを公表し、10%近く株価上昇。株式指数は主要3指数ともに値を上げた。Oracleはブローカーの評価が上昇し5%以上株価上昇。欧州ではフランスの少数与党による内閣が不信任投票になる可能性があり政治的な不安定さが残る中、米国のトランプ大統領の対中関税の引き上げのトーンダウンが影響し、欧州株式市場は値上がり。原油価格は下落したが、金価格は1オンス当たり4100ドルを突破し、Fresnillo、Endeavourといった鉱業関連は10%前後値を上げた。Anglo American、Glencore、Rio Tintoといった鉱業関連も2~4%値上がり

2025/10/15    水

米国市場では、大手銀行の決算が堅調であったこと、パウエルFRB議長が講演で経済は全体的に予想していたより堅調に推移していると発言したことなどを受け、SP500とNASDAQは値を下げたが、ダウは値上がり。ウェルズ・ファーゴはここ半年で最も株価が上昇し、シティグループも四半期業績は予想を上回った。JPMorgan Chaseは通期の利息収入の見通しを上方修正した。欧州市場では米中の関税問題の再燃が引きずり、また、個別企業ではミシュラン株が大きく値を下げたこともあり、市場全体も軟化。債券のイールドはここ1か月で最低の水準になった。フランスのLVMHは第3四半期の販売が予想を超えたが、株価は値下がり。フランスのタイヤメーカーミシュランは通年の見通しを下方修正し、株価は8.9%値下がり。自動車関連のContinentalや Pirelliも株価下落。スウェーデンの Ericssonは四半期決算が予想以上になり株価は18%上昇

2025/10/16    木

米国市場では、ダウは値を下げたが、SP500とNASDAQは上昇。モルガンスタンレーの四半期決算が堅調で史上最高値を更新したほか、バンクオブアメリカも予想以上の利益となり株価上昇。Goldman SachsやJPMorgan Chaseも投資銀行部門で堅調な利益を計上したが、必ずしも株価上昇には至っていない。AI関連ではASMLが予想を超える受注・利益を計上しフィラデルフィア半導体指数も上昇。ヘルスケア関連のAbbott Laboratoriesは医療機器部門からの売り上げが予想以下となり、株価下落。英国市場では木曜日のGDP統計公表の前に株式市場は軟化。IMFはイングランド銀行のさらなる利下げに対して警鐘を鳴らした

2025/10/17    金

米国市場では地方銀行の株価が低迷し、市場全体もいずれも値下がり。地方銀行のZions Bancorporationは、カリフォルニアでの予想しないローンの損失があり、株価は13%下落。Western Allianceは貸し付け者に対する欺瞞の訴訟が開始されたことで株価は10.8%下落した。TSMCは第3四半期の利益が40%弱増加したことと強気のAI関連半導体の消費見込みを公表した。PalantirやMeta PlatormsなどのAI関連も値上がり。Salesforceは通年の売り上げ見通しが予想以上となり、株価が4%上昇。英国市場では様々な企業業績が公表され、翌週のインフレ統計の公表に警戒感を残しながら、大型株中心のFTSEは値を上げたが、中型株中心のFTSE250は値下がり。欧州市場全体でも値を下げた。スペインの銀行BBVAがSabadellに仕掛けた敵対的買収は25.4%の株式取得に終わり、少なくとも30%の取得を目指した買収は失敗に終わった。失敗直後、BBVAの米国上場株は7%近く株価上昇

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10月第2週の市況

2025/10/6    月

 米国では連邦政府が機能停止に陥り、公表される予定の就労統計も遅延することになった。ISM非製造業指数は新規受注が大きく下落し50を切る水準に下落。株式市場ではTeslaやApplied Materialsなどが値を下げ、NASDAQは値を下げたが、SP500は史上最高値を更新した。レアメタルのUSA Rare Earthは、トランプ政権と密接に連携をとっていると報じられ、株価は14%上昇。欧州市場ではヘルスケア関連がけん引して市場は最高値を更新。米国のPhizerが政府と締結した薬価引き下げの取引の影響で、AstraZenecaやNovo Nordiskはそれぞれ1.6%、2.1%値を上げた。EUがロシアの凍結資産に対する制裁を加速させる動きを見せていることから、オーストリアの銀行Raiffeisenは7.4%の値上がり

2025/10/7    火

米国市場では、AMDがOpen AIに対して年間数百億ドルの半導体を供給し、Open AIがAMDの株式の10%を保有する取引を結んだことが報じられ、AMD株は23.7%の大幅な上昇。フィラデルフィア半導体指数も2.9%の上昇となり、SP500、NASDAQは史上最高値を更新。ダウは値を下げた。セクター別では一般消費財が市場をけん引し、不動産が値下がり。7日にイベントを開催するTeslaに対しては販売実績維持のため廉価版モデルが投入されると予想されており、株価は5.5%上昇した。 Starbucksはブローカーが目標株価を引き下げたために、株価が5%下落。英国市場では、前週の値上がりの後、ひと段落つく形でFTSEは値を下げた

2025/10/8    水

米国では連邦政府の閉鎖が継続する中、NY連銀が景気の悪化とインフレの上昇の予想を公表し、株式市場では主要3指数は値を下げた。景気感応度の高い住宅関連や輸送などの銘柄が値下がり。Teslaは廉価版のモデルYを公開したが、株価は4.5%値下がり。昨日、OpenAIとの取引を公表したAMDはブローカーの評価が引き上げられ、株価は3.8%値上がり。コロナビール製造のConstellation Brandsは第2四半期の販売の低下が予想ほどではなかったことから株価は1%上昇。欧州市場では値を下げて終了。ブローカーの評価引き上げによりLVMHやKeringの株価が上昇。ヘルスケアは、ブローカーが利益の減少を予想したことからNovo Nordiskが2.8%、Bayerが2.0%など値を下げた

2025/10/9    木

米国では、連邦政府の閉鎖により情報が乏しく、Fedの前回の会合の議事録から年末に向けての利下げが読み取れるとして、株式市場は値上がり。テクノロジー株がけん引した。一方で、エネルギー、一般消費財、住宅関連などは軟化。協会公表の資料によれば、住宅ローンの需要は、先週4.7%下落した。クラウドでのセキュリティー会社Datadogはブローカーが評価を引き上げたために株価上昇。評価が引き下げられたIntercontinental Exchangeは株価下落。Dellもブローカーが評価を上げたために株価上昇。英国市場では金融関連がけん引して史上最高値を更新。英当局が目的に合わない自動車ローンの救済プランを提示したことからLloyds Banking Groupが3.9%値を上げるなど、銀行株が大きく値を上げた。欧州市場では、当局が域外からの鉄鋼輸入の関税軽減を削減することを公表し、鉄鋼各社の株価が上昇

2025/10/10    金

米国市場では、SP500は日中史上最高値を更新したものの終値では値下がり。NASDAQもダウも値を下げた。ダウの値下がりが最も大きかった。NY連銀のウィリアムス総裁はメディアとのインタビューで年末にかけてさらなる利下げが望ましいとコメント。セクター別では素材が最も値を下げたが、一般消費財が最も値を上げた。Delta Air Linesは予想以上の第3四半期の業績を公表し4.3%株価上昇。9月の販売データを公表した Costco Wholesaleも3.1%株価上昇。Albemarleはブローカーが評価を上げたことから株価が5.3%上昇。欧州の株式市場は軟化。英国のHSBCはHang Seng Bankを売却する計画を公表し、株価は5.4%下落。Ferrariは電気自動車の発表のタイミングが遅延することを公表し、株価は16%下落

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