6月第3週の市況

2019/6/17    月

米国市場では来週のFedの会合を前に様子見の状態。市場では年3回の利下げを見込んでいる。半導体大手のBroadcommが米中紛争のあおりを受ける形で需要減を公表。同株は5.6%値を下げたほか、フィラデルフィア半導体指数や欧州のInfinon、AMSなどの大手半導体メーカーも2~5%ほどの下落となった。BroadcommはiPhoneの大手サプライヤーでもあるのでアップルも下落。一方、米国では小売販売が堅調で、景気減速の緩和になると期待される。欧州では、中国の5月の工業生産が17年ぶりの低水準となったことから、自動車や鉱業関連を中心に値を下げる

2019/6/18    火

Fedは金利を据え置くとみられているが、年後半にかけての利下げの下地を準備すると思われている。金利が引き下げられるとの見通しの中、Facbook、Amazon、アップル、Netfliexなどが堅調。株式市場は値を上げたが、ニューヨーク州の製造業ビジネス指数が大きく下落。欧州市場では大きな動きはなく、株式市場は幾分値下がり。ドイツのルフトハンザが利益予想の下方修正を行い10%以上の下落。同業のICAも2.2%の軟化。フランスではKering、LVMHが1%以上値を上げた

2019/6/19    水

トランプ大統領が習主席とG20で会って米中貿易対話が再開されることになり市場はこれを好感。ECBのドラギ総裁がさらなる利下げと資産購入について言及し、市場を好感させる。米国では、産業株やテクノロジー株が強く、フィラデルフィア半導体指数は4.3%上昇。ボーイングは、737MAXの240億ドルの新規受注を獲得し5.4%値上がり。欧州市場ではドラギ総裁のコメントと米中対話の再開を好感し、イタリア、フランス、ドイツで2%以上株式指数が上昇。イールドの低下により、代替と考えられる公益株が値上がり。半導体関連では利益見通しが悪化したSiltronicは7.8%値を下げたが、その他の半導体関連銘柄は米中対話の再開を好感して上昇

2019/6/20    木

Fedが予想とおり金利を据え置き、また、金融政策のスタンスを変更して年後半の利下げを示唆。米国市場では予想とおりと受け取られ、金利の低下による影響を受ける金融株は軟調であったが、市場全体としては値上がり。フォトショップの売り上げが好調なAdobeは5.2%値を上げたが、仮想通貨で思うようにいっていないFacebookは0.5%値下がり。ヘルスケア関連も大手銘柄が上昇して値を上げた。欧州市場はFedのコメント待ちで市場は横ばい。米中対話が再開されることから自動車関連は値上がり

2019/6/21    金

米国ではFedの金利緩和コメントが好感され、SP500は史上最高値を更新。原油価格が5%上昇したためエネルギー関連は2%以上の値上がりになった。アップルは0.8%値を上げ1株あたり200ドルを回復し、オラクルは利益が予想を上回ったことから8.2%上昇。IPOのSlack Technologiesも50%値を上げた。テクノロジー関連全体も1.5%ほど上昇。欧州ではイングランド銀行が成長予想を引き下げ、金利引き上げの予想が遠のいたとして英国のFTSEは0.7%値を上げ、イタリアではEUが赤字財政に対して制裁を回避する方向のため株式市場は上昇。ドイッチェバンクは米当局からマネーロンダリングで査察を受け株価は2.6%値下がり

 

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6月第2週の市況

2019/6/10    月

米国では雇用統計が公表され、75,000人の雇用増となり予想を大きく下回ることになった。市場では景気の減速を止めるためにFedが利下げに踏み切るとの期待感が高まり市場は上昇。米中、米―メキシコの貿易問題を楽観視する見方から、フィラデルフィア半導体指数は1.2%値を上げ、テクノロジー株が上昇。金利に感応度の高い銀行株は0.9%の下落。欧州市場では、中国の習大統領が、「トランプ大統領は中国との経済的な断絶を望んでいるわけではないと信じている」とコメントし好影響を与える。ブレンド原油先物の価格が上昇しエネルギー株が堅調。NovartisからCEOを招へいしたSanofiも4.4%値を上げる

2019/6/11    火

米国のトランプ政権がメキシコに対する関税の引き上げを取りやめたことが市場に好感される。メキシコに生産拠点を置くGMは1.5%値を上げ、コロナビールを製造しているConstellation Brandsも1.9%値を上げた。ユナイテッドテクノロジーは宇宙分野のビジネスをRaytheon Coと合併させると公表し、ユナイテッドは3.1%値を下げたがRaytheon Coは0.7%値を上げた。英国の防衛企業のBAE Systemsも1%値を上げた。欧州市場では、メキシコへの課税引き上げの取りやめに加えて、中国の輸出データが堅調であったことから市場は上昇。

2019/6/12    水

米国ではトランプ大統領がG20の後の中国の習主席との会談で進展がなければ追加関税の引き上げを示唆し、市場は幾分値を下げた。5月の生産者物価指数は上昇。トランプ大統領がどちらともとれる発言をした、United TechnologiesとRaytheonの合併については、両株とも大きく値を下げることになり、産業株全体も値下がり。欧州市場では、休日明けとなったドイツ市場が自動車株を中心に値上がり。中国の景気刺激策が基礎資源関連株も引き上げた。

2019/6/13    木

米国市場では原油価格が下落してエネルギー関連が軟化。Fedが利下げを行うとの観測から銀行株も安い。トランプ大統領は対中貿易問題で強気の態度を崩さず、MicronTechnology、Applied Materialsなどが5%以上値下がりし、フィラデルフィアの半導体指数も低下。欧州市場でもエネルギー関連と銀行株が軟調。銀行株は、英国のHSBCやスタンダードチャタードなどは香港の混乱に関して下落。イタリアの銀行も軟化

2019/6/14    金

ペルシャ湾でのタンカー攻撃を受けて原油価格が上昇。エネルギー関連株が欧米市場で上昇。米国では市場はFedが年内2回以上利下げを行うとみており上値の重い展開。個別銘柄ではモルガンスタンレーがディズニーについて明るい見通しを、Twitterに対しては暗い見通しを公表し、ウォルト・ディズニーは4.4%値を上げ、Twitterは3.1%値を下げる。欧州市場では銅その他の金属の価格上昇から金属・資源関連株が値を上げる。イタリアとドイツの株式市場が相対的に強い。欧州でも市場では、FedとECBが景気減速に対して手段を講ずるとみられている

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