公的保障の補完と考えてみよう

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これまで障害年金、介護保険、障害福祉と3つの公的分野を紹介してきました。これらの制度は、重複する部分はあるものの、全体として考えれば、より広範な範囲を公的に保障するものです。

私たちは、「要介護状態になったときに考えたいこと(不安に感じていること)」を、もう一度、考え直す必要があります。高年期では、「要介護状態から仕事ができるように回復する」というニーズより、「要介護状態になったとき延命措置を取らないでほしい」というニーズの方が高いのではないでしょうか。

高年期のニーズをもう一度洗い直すこと、そして、その中で公的な保障がカバーしてくれる部分を明らかにすると、自ずと民間の介護保険に求められるものが絞り込まれるのではないでしょうか。

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介護保険と障害福祉の関係

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障害者総合支援法では、身体障害のある人、精神障害のある人、難病患者で一定の障害がある人も対象となっています。

つまり、要介護状態といっても、その原因によっては障害者総合支援法の対象になる場合も考えられます。障害者総合支援法の給付には、居宅介護のように介護保険と似通った内容の給付から、自立訓練などの給付のように介護保険にはない給付も含まれています。

原則として、介護保険の給付が優先することになりますが、障害福祉関係の給付しかない場合や、介護保険の施設に空きがない場合などには、市町村の裁量で、障害者総合支援法の給付も受けることが可能です。

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