シニアライフ・相続・終活❶

シニアライフと相続、そして、終活。シニアに関心がある話題ばかりだが、どのような違いがあるのだろう。シニアライフに関係するのは、FPや保険募集人。相続は税理士や司法書士。終活は葬送関係者(葬儀会社や宗教関係者など)。残念だが、この3つの言葉を個別に考えてしまうとシニアの問題に向き合うことはできない。

ライフプランニングの考え方

典型的なライフプランニングの考え方は、図表1に示すようなものである。壮年期(45歳くらいまで)のライフプランは難しくない。世帯による生活費のばらつきの程度もほかの世代ほど大きくなく、ライフイベントで考えられるものもステレオタイプのもの(出産、学資計画、住宅購入など)が多く、比較的取り扱いやすいからである。

中年期(リタイアまでの期間)になると、少しライフイベントは複雑化する。住宅ローンの繰り上げ返済や不動産投資、有価証券投資なども世帯によってまちまちになってくる。そして、その後にやってくるのがシニアライフの期間である。高年期(リタイア後)のライフプランの特徴は、資産が右肩下がりになることである。そして、ライフイベントはさらに多様化する。

FPなどがライフプランニングという場合、壮年期のライフプランニングを指すことが多い。しかし、シニアにとってのライフプランニングは、テキストに載っているような壮年期のライフプランニングとは異なるものなのである。

図表1 ライフプランニングの考え方

シニアライフプランニング

シニアライフプランニングを具体的に考えてみよう。サラリーマンと自営業ではリタイアの時期が異なる。さらに、退職金も違う。サラリーマンであっても退職一時金と退職年金の金額は、それぞれ異なる。教育の出費もこどもの年齢により変わる。住み替えなどを考えるのもこの時期である。親の世代の相続問題が発生することも少なくない。自営業であれば事業承継の問題もあるだろう。ライフイベントは、ほぼすべて個別対応ということになる。壮年期や中年期にあてにできたみんなの平均は益々意味をなさなくなる。

図表2 シニアライフプランニングの考え方

キャッシュフロー表より貸借対照表

FPはキャッシュフロー表が大好きである。図表1のようなグラフを作るためにはキャッシュフロー表が必要になる。しかし、シニアは図表1のようなグラフを作る必要はない。むしろ必要になるのは、資産と負債をまとめた貸借対照表である。数年後、数十年後の貸借対照表を予想すれば、純資産が予想できる。シニアにとって主要な関心事の一つである相続は、将来の純資産を予想することから考えなければならない。

図表3 必要な情報は貸借対照表に載っている

7月第4週の市況

2016/7/18 月 フランス、ニースのテロにより欧州市場ではホテル・レジャー・航空株が軒並み値下がり。米国市場には、トルコの軍のクーデター情報が影響して、ヘルスケア関連が強かったものの、米国株式は史上最高値から軟化。

2016/7/19 火 ソフトバンクが英国の半導体メーカーARMを3200億ドルで買収することが報じられ欧米市場ではテクノロジー株を中心に値上がり。欧州ではトルコの混乱の影響で旅行関連が軟化。米国ではSP500が史上最高値を更新。楽観的な見方が広がり米国債、日本円は大きく軟化。トルコリラはリバウンド

2016/7/20 水 欧米市場とも材料に乏しい市場となった。米国では利益が予想を上回ったマイクロソフトやジョンソン&ジョンソンが値を上げたが、Netfliexは購買者の伸びが予想以下で値を下げた。SP500は下落したがダウは史上最高値を更新。IMFはBrexitを要因として市場成長率を下方修正

2016/7/21 木 SPがトルコの債務格付けを引き下げたためにトルコリラは軟化。Fedが年内に利上げに踏み切るとみられることから米ドルは7週間来の高値。欧米市場でテクノロジー株と自動車株が堅調で市場をけん引。欧州市場で資源株は軟化

2016/7/22 金 ECBは金利を維持し新たな景気刺激策を採用しなかったが、不良債権を抱える銀行の処理に乗り出すことを示唆し欧州の銀行株は上昇。フランスのテロ攻撃の関連で航空株は大きく軟化。米国市場では、原油の在庫が十分で原油価格は低下。サウスウェスト、インテルなどが業績不振で株価下落、Qualcomm、Ebayなどは上昇。市場全体としては軟化

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7月第3週の市況