9月第4週の市況

2016/9/19    月

米国でドイチェバンクがモーゲージ証券の販売の不正で140億ドルの支払いを求められ大きく軟化、RBS、クレディスイス、UBSもモーゲージ証券の訴訟を受け軟化。ゴールドマンサックス、JPモルガンも値を下げ欧米市場で銀行株が軟化。米国の消費者物価指数が予想以上の上昇

2016/9/20    火

Fedと日銀の政策会合を前に、市場ではFed利上げはないとみている。日銀については追加緩和について意見が分かれている。利上げ観測が後退したこともあり、ドル安、商品・原油高。米国市場では銀行が上昇したが、テクノロジー株はアップルを中心に値を下げる。欧州では銀行とエネルギー関連を中心に値を上げるが、米当局からの制裁の話のあるドイチェバンクは軟化

2016/9/21    水

米国市場では国債が2日間の下落に歯止めをかけ、OPECが非公式会合を開催する報じられ原油価格は下落。M&A関連で値が上がったバイオ関連と消費財が堅調だが市場全体はほぼ横ばい。欧州市場では原油価格の下落からエネルギー関連が軟調で市場全体も下落

2016/9/22    木

Fedは予想とおり金利を維持したが、12月に利上げの公算が大きくなったことを示唆。米国株式は上昇。日銀が新たな緩和策を公表し、欧州市場にも影響。欧州の銀行株は大きく上昇

2016/9/23    金

Fedが金利を維持したことから米ドルが下落し、高利回り通貨が上昇。商品価格も上昇し、原油価格は46ドル越え。欧州市場では資源・エネルギー関連が上昇。米国ではコンピューターやソフトウェアの大型株が堅調で、市場はほぼ史上最高値の水準。欧州では債券イールド下落で債券価格が上昇

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ニッセイ出産サポート給付金付3大疾病保障保険”ChouChou(シュシュ)!”を分析する(3)

前回分は、ニッセイ出産サポート給付金付3大疾病保障保険”ChouChou(シュシュ)!”を分析する(2)をご覧ください

動画2 消費者の視点で見た保険

消費者が見たChouChou(シュシュ)

ChouChou(シュシュ)の利回りは

消費者の視点で、ChouChou(シュシュ)という保険を考えてみよう。既に、明らかにしたように、この保険は明らかに分離できる3大疾病保障保険が組み込まれている。そこで、この部分を分離して保険料を推定してみよう。ちなみに、複雑な保険であっても保険料の計算は個別に行われていることが多い。「保険料および責任準備金の産出方法書」(通称:算法書)と呼ばれる書類に記載されているが、この書類は公開されている書類ではない。公開してほしいものであるが、商品の製造設計書とでもいうべきものであり、保険会社は公開したくないであろう。算法書には、予定利率から、予定死亡率や予定給付率などの数値も掲載されている。

というわけで、ChouChou(シュシュ)の3大疾病保険の部分は、ほかの保険会社の保険料で推定してみたい。今回使用するのは、東京海上日動あんしん生命の「特定疾病保障定期保険」である。全く同じ条件の保険料があればよいのであるが、東京海上日動あんしん生命は女性の場合、29歳以上でなければこの保険に加入できない。(ウェブサイトで確認できる範囲

さて、29歳の女性が60歳満了の「特定疾病保障定期保険」に加入したと考えると、その保険料は月額1,842円である。この、保険料をChouChou(シュシュ)の保険料から差し引いてみよう。満期一時金と出産・特定不妊治療に必要な保険料を推定するわけである。図表4の(b)の金額がそれに該当する。そして、被保険者が16歳と仮定して、この(b)の金額を、10年、15年、20年積み立てた金額が図表4の最下段に掲載してある金額になる。ChouChou(シュシュ)の保険期間も、10年、15年、20年であるので比較可能である。おおむね、1.0%程度の利回りになっていることが確認できる。

預貯金の利回りの水準を考えると、それなりに魅力のある利回り水準になっている。

図表4 ChouChou(シュシュ)の保険料と実質的な積立を試算した結果

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不妊治療に悩む女性のニーズに応えられるか

不妊治療を目的として日本で始めて開発された保険というキャッチフレーズに応えられるかといえば、「NO」であろう。不妊に悩む女性は、できるだけ安い保険料で、不妊治療のコストの一部をカバーしたいと考えるであろう。しかし、保険会社は、そのニーズに直接踏み込んでいない。おそらく、ChouChou(シュシュ)のような保険を発売して、実際のデータを収集してから、さらに踏み込んだ保険の開発に着手するはずである。リスクを管理することを求められる保険会社としては当然の立場であるが、『日本初の不妊治療を保障する保険』というキャッチフレーズだけを真に受けると、肩透かしを食らう結果となる。

不妊治療だけを取り出して保障する保険の登場には、もう少し時間が必要だと思われる。

 

まとめ

  • ChouChou(シュシュ)は、3大疾病保障保険を除くと、おおむね1%程度の利回りで利殖する保険と考えられる
  • 安いコストで、不妊治療を保障する保険を求めると、ChouChou(シュシュ)では満足できないかもしれない

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