エンディングノート

エンディングノートは必要?

私は、『必要不可欠なものではないが、あるとよいモノ』であると思います。エンディングノートに法的な拘束力はありません。したがって、遺言の代わりになるわけでもありません。だから、必要不可欠なものではないのです。それでも書いておくことで一定の効果はあると思います。書いてあるという結果が大切というより、書く(書こうとする)ことを通じて、いろいろ学ぶことができるものだと思います。

エンディングノートに何を書くの?

現在たくさんの種類のエンディングノートが出回っています。そして、それらは全く同じものではありません。エンディングノートを作った人や組織の考えによって、その内容は変わってくるのです。

たくさんの種類のエンディングノート

葬儀会社が作成するエンディングノートであれば、故人の葬儀への想いを反映させることにウェイトが置かれるでしょう。証券会社が作成するエンディングノートでは、人が亡くなったときに保有している証券をどのように相続人等に引き継ぐのかが書いてあります。医療・介護関係者が作成するエンディングノートでは、エンディングの手前、病気や要介護になったときにどのようにしたいのかに重点が置かれることでしょう。

エンディングノートに含められる項目には、

1.生まれてからこれまでの自分の軌跡

2.親族関係図

3.お世話になった人へのメッセージ

4.要介護状態になったときの治療について意向

5.これからのライフプラン

6.財産に関する情報

7.遺産分割に関すること

8.葬儀・埋葬等の情報

などがあります。

エンディングノートは全部書く必要があるの?

人によって、エンディングノートに書きたいことは異なります。だから、人によって必要となるエンディングノートは違うのです。突き詰めると、自分に必要なエンディングノートは自分の書きたいことだけを含む自分オリジナルのエンディングノートということになります。

だから、既存のエンディングノートを持ってきて、その内容をすべて記入させることに私は反対です。自分で大切だと思うことだけを書いておけばよいのです。

オリジナルのエンディングノートを作るのは大変なので、既成のエンディングノートがある

自分専用のエンディングノートがよいとはいえ、一般の人が、ノートを一から作り上げるのはとても大変です。既存のエンディングノートを使う方が、ずっと楽ですね。既存のエンディングノートを使って、興味のあるところだけを埋めていくようにするとよいでしょう。

エンディングノートでセミナーをしたい病

専門家サイドの話をしましょう。エンディングノートという言葉が流行ったおかげで、専門家の間では、『エンディングノートを使ってセミナーをしたい』という病気が流行っています。エンディングノートという言葉が集客ツールになるので、エンディングノートという言葉を入れておきます。「エンディングノート、プレゼント」でも構いません。

参考~シニアコンシェルジュ協会のノートの目次

しかし、エンディングノートの内容を一人で説明することは大変です。専門家といっても、隣接する業界までカバーできている人はほんの一握りです。安直に、エンディングノートを使ったセミナー営業を目指すと、どういう結果になっているかは、推して量るべしです。

私がエンディングノートを使ったセミナーをしたいと考えるとき

入場無料のセミナーを行うとき、スポンサーがついていなければ、レジュメを配布することは難しくなります。シニアの方を対象にセミナーをするとレジュメのフォントを大きくせざるを得ません。1枚の紙に複数のスライドを印刷することもできません。そして、できればカラーで印刷してほしいといわれます。カラー印刷が1枚30円として、10枚のスライドがあれば、1セット300円。

もし、エンディングノートを買ってもらって、それがレジュメの代わりになるのであれば、それでよいと思います。手元にきれいな印刷物があるのであれば、無理にスライドで投影する必要もありません。さらに、エンディングノートは書き込むことができるので、自分で書きこんだノートはテキストではなく、自分のノートになるのでどこかで保管される可能性が高くなります。だから、私は自分のレジュメが圧縮されたようなエンディングノートであればセミナーのツールとして効果的だと思います。セミナーの聴講者とセミナーの講師、双方にとって納得できる落としどころではないでしょうか。

 

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