第320号 Jul 5, 2020
ご主人が30歳の家族のライフプラン分析です。
世帯主 川口 拓也さん(30歳) 配偶者 美咲さん(28歳) お子さま 夕夏さん(0歳)
現在、世帯主の拓也様は65歳で仕事をリタイアすることを考えていますが、この期間を少し延ばしてみます。高齢者白書(令和元年版)によれば、現在仕事をしている60歳以上の人では、65歳まで働きたいと考えている人は13.5%、65歳を超えてあるいは働けるうちはいつまでも働きたいと考えている人は約80%です。
図表41 何歳まで働きたいか
65歳くらいまで |
13.5% |
70歳くらいまで |
21.9% |
75歳くらいまで |
11.4% |
80歳くらいまで |
4.4% |
働けるうちはいつまでも |
42.0% |
令和元年版高齢社会白書より(一部抜粋) |
平均寿命が伸びている社会環境を考えると、75歳まで働くことを選択するようにしてみましょう。働くことによって、副次的な効果も得られます。それは、社会保険料です。70歳までであれば厚生年金の被保険者になります。つまり、将来受け取る年金額を上乗せすることができます。また、国民健康保険に替えて、健康保険に加入することができます。健康保険に加入することになると保険料を事業主が半額以上負担してくれます。
ちなみに、国民健康保険の保険料は全国一律ではありません。図表42に掲載しているとおり、結構、金額にばらつきがあります。お住まいの地域がの国民健康保険料が割高なのであれば、なおさら働いて健康保険に加入したほうが有利です。
図表42 国民健康保険の保険料の都市間比較
国民健康保険の保険料が異なるわけ
国民健康保険(一部を除く)は市区町村が保険者になっています。保険料の決定は、保険者が行いますので、自治体によって保険料に差異が出てくるしくみです。財政の良い自治体は保険料を安く抑えることができ、財政が悪化した自治体は保険料を安くできないという事情があるのです。
平成30(2018)年からは、都道府県が市区町村の役割の一部を負担する制度
になりましたが、財政状況の良い市区町村は安い保険料を提供できることに変わりはありません。
図表42に掲載していませんが、東京都武蔵野市の保険料は10,000円を切って9,851円ですし、愛知県豊田市、豊山町、神奈川県相模原市なども11,000円台の保険料になっています。反対に、大阪府泉佐野市になると17,000円を超える水準になっています。
現在は64歳で仕事をやめることを考えていますが、75歳まで仕事を続けるようにします。ただし、それまでのようにたくさんの給与をもらうのではなく、自分の体調を考えて、月額24万円(手取り)の収入があることを想定しています。24万円というとかなりの金額に思えますが、インフレで割り引いて、現在の水準を考えると、12万円程度です。12万円程度であればそれほど高額ではないですね。
図表43 75歳まで仕事を続けることによる変化
にもかかわらず、キャッシュフローは劇的に改善されていることがわかります。
ご紹介済みのロジックツリーで考えた収支を改善させるための具体的な方法のうち、一番簡単で、一番効果があるのが、働く期間を延長するというものなのです。ほかの方法については、別の機会で分析させていただきます。
図表40 収支を改善させるためのロジックツリー(再掲)
30歳の川口様の世帯取り上げて、ライフプラン分析を行ってきました。最初は、家計簿の話から始まって、お子さまの成長に合わせた部分的なライフプラン分析を取り上げましたが、お子さまの成長にあわせて、夫婦の老後のことも組み込んで話をすると本格的なライフプラン分析になりました。
みなさまが、FPに相談する機会があるのであれば、最初からすべての情報は提供していただく手も大丈夫です。ステップ・バイ・ステップでキャッシュフロー表を作成していけば、そこで、いろいろなことを考えることができて、必要であれば、あとから情報を少しずつ提供していただければ結構です。
ライフプランニング統合ソフト「FP-MIRAI」は、そういったライフプラン分析を行うために、FPのみなさまに提供する本格的なソフトです。
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