8月第1週の市況

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2018/7/30    月

米国では第2四半期GDPが年率4.1%の上昇となったが、株式市場はテクノロジー株の下落から値を下げた。NASDAQは1%以上の値下がり。インテルの決算が予想下回るものでったために8.6%の値下がりとなり、Twitterはアカウントが減少し、さらに偽物アカウントが削除される見通しで20.5%の値下がり。マイクとソフト、アップル、アルファベットなどの銘柄も2%前後の下落。ただし、Amazonは好決算となり史上最高値まで値を上げる。欧州では、カルフール(スーパー)、Vinci(コンサル)、BT(タバコ)、BBVA(銀行)などの銘柄が貢献して市場全体も上昇

2018/7/31    火

米国市場ではテクノロジー銘柄を中心に値を下げた。FBは2.2%の値下がり、Netfliexは5.8%の値下がりとなりFANG(フェースブック・Amazon、Netfliex、グーグル)株式全体が値下がり。CBSは会長の人事上の不正から株価が下落し、タイソンフードは通期収益予想を引き下げ下落。欧州市場でも、産業銘柄とテクノロジー銘柄を中心に値下がり。業績不振のハイネケンは6.5%値を下げ、子会社が業績不振のシーメンスも値下がり

2018/8/1    水

米国と中国の間で関税に関する話し合いが開催され市場に好影響。米国市場では産業銘柄を中心に値を上げた。また、アップルは市場終了後に公表した決算が予想を上回るものであり、同株は市場外取引で2%値を上げた。Fedは会合を開き金利を据え置いたが、同日発表されたPCEは1.9%の上昇とFedの目標水準とほぼ同じであり、年内に2回利上げがあるとみられている。欧州市場でも米中の交渉が好感され、資源関連、素材関連を中心に値を上げた

2018/8/2    木

米国では7月のISM指数は58.1となったが6月よりは下落。Fedが9月に利上げすると見込まれており産業株とエネルギー株が下落した。ただし、アップルがけん引するテクノロジー株は上昇し、SP500とダウは値下がり、NASDAQは値上がりという展開になった。10年物イールドは3%を超え金融株も上昇。欧州では、フォルクスワーゲンやフェラーリが大きく値尾を下げ自動車が軟化したほか、リオティントやBBAは決算が不調で値を下げた

2018/8/3    金

米国では、アップルの時価総額が1兆ドルを超え、その他のFANG(フェースブック、Amazon、Netfliex、アルファベット)株式も上昇。ただし、中国が”ブラックメール”となずけた米国の関税交渉への懸念から、ボーイングやキャタピラーは軟化。ダウはわずかに値を下げる。欧州市場では、ドイツのシーメンスが期待外れの決算を公表しドイツのDAXは値を下げる。BMW、ダイムラーなどの銘柄も値を下げ、市場全体としても値下がり

リバランスの実践

リバランスとは投資効率を向上させる逆張り戦略

ポートフォリオの投資比率を当初決めておいた比率に戻ることをリ バランスといいます。リバランスは逆張り戦略です。そして、よく知 られたドルコスト平均法も逆張り戦略です。逆張り戦略を上手に使 うと、買付単価を引き下げ、投資効率を向上させることができます。

ポートフォリオのリバランスは逆張り戦略

ポートフォリオのリスク水準等の確認が終了したら、ポートフォリオを リバランスしましょう。リバランスとは、バランスを元に戻すことです。

実際のポートフォリオの資産クラスへの投資比率を、あらかじめ決めてお いた比率に戻す作業です。実に簡単な作業ですが、リバランスには「逆張 り戦略」という意味も含められています。図で示すように、株式と債券の 割合を等分にする配分を考えてみましょう。株式の割合が低下するとき は、株価が下がっているときです。安くなった株式を買い増すということ ですから、人気の低いものに投資する逆張り戦略というわけです。

ドルコスト平均法も逆張り戦略

株式と債券の値動きが図のように一方が下がり、一方が上がるという図 の例のような状態が繰り返されるとしたら、逆張り戦略は有効です。 安いところで追加投資を繰り返すわけですから、トータルで考えると、安 い価格で資産を購入できているという仕組みです。

実は、逆張り戦略になっているという点で、リバランスはドルコスト平均 法と同じ効果があります。ドルコスト平均法も、リスクのある資産の値動 きにかかわらず、同じ金額を投資することによって、平均買付単価を引き 下げるという効果を持っています。したがって、保有しているリスク資産 にはリバランスを適用し、購入する資金についてはドルコスト平均法を適 用すれば、逆張り戦略を強化することができます。

バランス型ファンドも逆張り戦略

自分でリバランスすることが面倒であると感じるのであれば、バラン ス型ファンドに投資するとよいでしょう。バランス型ファンドであれば、 ファンドマネージャーが投資家に代わってリバランスを行ってくれます。 ファンド全体でリバランスを行うことになりますから、規模も大きくコス ト面から考えても合理的といえます。バランス型ファンドをドルコスト平 均法で買い続けることは、逆張り戦略を追求していることにもなってい ます。

この記事は、「投資信託エキスパートハンドブック」のリメイク版の一部です。