最適なアセットアロケーション

最適なアセットアロケーション

無リスク資産とリスク資産のバランスが重要

極端な資産配分にならなければ、投資家のニーズに応じてアセットア ロケーション(資産配分)を考えれば問題ありません。ただし、預貯金などの無リスク資産に比べてリスク資産が過大にならないよう、リスク管理はしっかりと行いましょう。

それぞれの資産クラスの意味を考え直す

「アセットアロケーション(資産配分)で運用成果の90% が決まる」と いう呪縛から解放されると(参照:「アセットアロケーション(資産配分) で運用成果の90% は決まらない」)、アセットアロケーション をもう一度見つめ直すことができます。どうして、株式に投資するのか、 どうして債券に投資するのか、そして、どうして外貨建て資産に投資する のかという基本に戻って考えるようにしましょう。

効果的に資産を殖やすために株式

株式に投資する理由は、持っている資産を効果的に殖やすためです。毎 月3万円ずつ、20 年間積み立てるとします。運用利回りが3 % であれば 20 年後に約985 万円積み立てられています。運用利回りが1 % であった としたら、約797 万円。効果的に資産を殖やしたいのであれば株式に投資 するほうが理に適っています。

老後の生活費のために債券

債券に投資する理由は何でしょう。通常、債券には、利息が付いていま す。理想では、十分にたくさんの債券を保有しておき、利息だけで生活で きるようになる。そうすれば資産は減らないし、働かなくても食べていけ る。これが債券を保有する理由です。実際は、それほどたくさんの債券を 保有することができる人はごく一部ですから、普通の場合は利息を受け取 り、元本の一部を取り崩して生活費に充てるということになります。つま り、シニアライフのことを考えると最終的に保有しておきたい資産は債券 ということになります。

インフレ対応などは外貨建て資産

外貨建て資産を保有する理由は、インフレ対策です。日本はエネルギー 資源を持たない国です。もし、天然資源の価格が上昇したら、輸入価格が 上昇しインフレになります。為替は円安になるでしょう。この時、天然 資源とともに価格が上がる外貨建て資産を保有しておけばインフレ対策 (ヘッジ)になります。日本の投資家が豪ドル建ての資産を保有したがる 理由の一つは、豪ドルが天然資源にリンクした通貨だからです。 その他、世界経済が日本以外の国や地域でより成長すると考え、外貨建て 資産への配分を増やすという選択肢も考えられます。

ポートフォリオ全体を管理

リスク資産の意味づけは投資家によって異なります。投資家のニーズに 応じてポートフォリオを構築して問題ありません。最終的なリスクコント ロールは無リスク資産を含めたポートフォリオ全体で管理するとよいで しょう。

この記事は、「投資信託エキスパートハンドブック」のリメイク版の一部です。

損切りすることも大切

損切りすることも大切

損切り水準の設定で投資に安心感が生まれる

市場が下がったとき、どのタイミングで保有している株式やファンド を売却するのか、損切りラインをあらかじめ考えておくことはとても 大切です。そうすることで、さらに、投資する銘柄やファンドを十分 に吟味するという効果も期待できるのです。

日本人は株式を売却しない

日本銀行が公表している、資金循環統計の「資金循環の日米欧比較」に よると、リーマン・ショック前の2007 年3月末、家計の資産に占める株 式・出資金の割合は、日本が12.4%、米国が38.3% でした。そして、2012 年3月末には、同じ割合は、日本が6.5%(変動分-5.9%)、米国が31.9% (同-6.4%)に低下しています。

日本では株式等の割合が6.5% にまで下がっているのに、米国ではまだ 3割以上の資産を株式で保有していると感じるかもしれません。しかし、 この期間に日本の株式は半分に値を下げましたが、米国の株式はほぼ同じ 株価水準だったのです。それを加味すると面白い結果になります。

損切りラインを設定する

実は、日本の投資家は、株式を保有したらその株式を継続的に保有す る傾向が高いのかもしれません。それに対して、米国の投資家は結構早く 見切りをつけているといえるのかもしれません。

そして、ここで考えておきたいのは、投資に見切りをつけるタイミングで す。パニックになって売却するのはよくありませんが、あらかじめ決めら れていた一定水準(損切りライン)を下回ったら株式を売却するという方針を立てておくことは、とても大切なことであろうと思います。市場が大 きく下がったときにとるべき行動が決まっているというのは安心感を与え るからです。そして、この話は、株式だけでなく、投資信託(ファンド) にも拡大して考えてよいでしょう。

損切りラインの設定には副次的な効果もあります。損切りラインを考える ためには、現在の株価や基準価額の水準を考えることになります。さら に、銘柄やファンドの特徴を考えて予想される下落幅も考えることになり ます。つまり、投資家は投資する対象を自分で吟味するということになり ます。投資に区切りをつけることもあらかじめ考えておくことは大切なこ とです。

この記事は、「投資信託エキスパートハンドブック」のリメイク版の一部です。