8月第3週の市況

2019/8/12    月

トランプ大統領が、Hauweiとの取引はしないと再びコメントしたことから、米中の紛争に対する懸念が再燃。米国では中国経済への感応度の高いテクノロジー株を中心に値を下げる。個別銘柄では、Novartisの申し出に対して米司法当局がAmgenのリウマチに対する特許の有効性を確認したことからAmgenは5.9%値を上げた。Uber Technologiesは収益が予想を下回り52億ドルの赤字を出したことから、6.8%株価低迷。欧州市場では、イタリアが政治的な不安定のために2.5%株価が下がり、さらに、米中紛争の影響を受けて貿易に感応度の高いドイツのDAXも値下がり

2019/8/13    火

市場では、香港の暴動、アルゼンチンでマルキ大統領が予備選で敗北したこと、米中貿易紛争が長期化すると予想されることなど地政学的な要因で、株価が下落。米国市場ではすべてのセクターで値を下げた。2年物と10年物のイールドの差は縮小し、金の価格は1%上昇。個別銘柄ではCoachを扱うTapestryとヴェルサーチを扱うGapriが、香港とマカオを国として扱ったTシャツを販売したことから、中国で批判にさらされ、4%前後値を下げる。欧州市場でも、先週公表されたドイツと英国の工業生産が2012年来初めて減少したことなどの影響で、市場は銀行株を中心に値を下げる

2019/8/14    水

米国のライトハイザー通商代表が予定していた中国からの輸入に対する追加関税を引き延ばすと公表し、欧米市場は上昇。米国ではテクノロジー企業を中心に値を上げ、アップルは4.2%上昇。さらに、コアCPIが公表され、年率で2.2%上昇と、ここ半年で最大の数値となった。イールドカーブはフラット化していたが、関税の引き延ばしのニュースを受けてイールド上昇。欧州市場でも、米国の関税先送りのニュースが歓迎され、商品、自動車、テクノロジーなどのセクターが値を上げ、また、輸出依存の高いドイツのDAXは0.6%上昇した。原油価格も上昇したほか、政情不安で低迷していたイタリア株もリバウンド

2019/8/15    木

米国と英国でイールドカーブが景気後退のシグナルである、逆イールドになった。ドイツでは輸出の不振から第2四半期のGDPはマイナス成長となり、中国では工業生産の伸びが17年ぶりの低水準となった。決算が芳しくなかったデパートのMarcy’sは13.2%値を下げ、ライバルのNordstromやKohlsも10%以上値を下げた。また、製薬関係では、ジェネリック薬品の価格高騰に上院から書面での回答を求められたMylanとTevaが10%前後値を下げた。その他、FBも4.6%の値下がり。欧州市場でもここ6カ月で最低の株価水準になった

2019/8/16    金

米中関係の緊張が市場に悪影響を与えているが、米国では個人向け販売が堅調で市場は上昇した。ただし、NASDAQについてはシスコシステムズが中国での販売が25%減となり株価も8.6%下落したことから値を下げた。不振が続いているデパートではJC Pennyの四半期の損失が予想以下となり株価は2.2%上昇。GEは内部告発により381億ドルの隠れた損失があると告発され、11.3%値を下げる。欧州では米中関係の影響がより深刻で自動車や商品関連を中心に値を下げる。原油価格の下落、英国内での個人販売の低迷などが重なりFTSEは1%以上の下落となった。

過去の市況を確認しよう!!

1か月前の市況 1年前の市況

8月第2週の市況

2019/8/5    月

トランプ大統領が中国の関税について追加引き上げを示唆したことが欧米市場に多くなマイナスの影響を与えた。米国では非農業労働人口の伸びが16.4万人と予想とおりであったが、アップルが2.1%値を下げるなどテクノロジー関連が軟化。原油かなくも値下がりした。欧州市場ではさらに影響は大きく、自動車、テクノロジー、基礎資源関連の銘柄が軟調。ドイツのDAXは3.1%値下がり。Siltronic、Infinion、STMicro、ASMLなどのIT関連が5%前後の値下がりとなり、RBSはBrexit関連の懸念から6.5%値下がり

2019/8/6    火

米中の貿易戦争の対抗策として中国が元安を誘導したことから欧米市場は大きく下落。米国市場ではSP500が3.2%下落。アップルは5.2%下落し、フィラデルフィア半導体指数も4.4%下落。ISMサービス指数も、新規受注の減少から7月に低下。欧州市場でも、元安の影響が大きく市場全体で2.3%値を下げた。資源関連のRio Tinto、BHPなども2%以上値を下げ、高級品ブランドメーカーのLVMH,Richemont、Swatchなどが大きく値を下げる。また、SAP、AMS、InfinionなどのIT関連銘柄も大きく軟化

2019/8/7    水

中国が為替介入を中断し、前日より幾分高い元を容認したことから、米国市場では株式指数がリバウンド。中国の影響が大きいテクノロジー関連がけん引。アップルは1.6%リバウンドしフィラデルフィア半導体指数も1.28%の上昇。ディズニーは四半期決算が芳しくなく市場終了後2.6%値を下げる。欧州市場では、ドイツの工業受注が予想を超えたのがプラスの要因となったが、英国のFTSE指数は中国に影響を受ける鉱業関連銘柄のウェイトが大きく指数は下落。欧州市場全体でも値を下げることになった

2019/8/8    木

米国では3ヵ月イールドと10年物イールドのプレミアム(景気後退のサイン)が拡大し市場では金融関連株が軟化。原油価格も下落して石油関連銘柄も値を下げたが、消費財、素材といった分野の銘柄が値を上げ市場全体では少しだけ値を上げた。ニュージーランド、タイ、インドの各中央銀行は利下げを行う。ドイツではニュージーランドの大幅な利下げの影響からイールドが低下。ただし、株式市場はBayerのM&A関連で上昇。スイスでは製薬大手のNovartisが遺伝子治療の当局に提供したデータに誤りがあったと公表し株価下落。

2019/8/9    金

米国では、イールドとともに株価も上昇する市場となった。中国の7月の輸出が3月以来最も増加したことや元を幾分高めに安定させたことが欧米市場にプラスの影響。半導体のAMDは新しいタイプのプロセッサーをアルファベットやTwitterに提供し始め同株は16.2%の上昇。シマンテックは企業部門をBroadcomに売却する話が上がり12.3%の値上がり。また、新規失業給付申請件数も減少。米国の株式指数はここ2カ月で最大の上昇。欧州市場でも株価は大きく上昇。個別銘柄ではチューリッヒが業績好転により4%値を上げ、カールスバーグも利益見通しを引き上げ11.2%の上昇となった


 

過去の市況を確認しよう!!

1か月前の市況 1年前の市況